最終更新日:2026年8月26日

この記事の要約

舞鶴市役所北側の「東山」と呼ばれる国有地について、防衛省が取得し、 隣接する防衛省用地と合わせて、艦艇の係留施設や燃料関連施設などを整備する計画が明らかになりました。

この土地は、かつてリゾート開発が構想され、市への譲渡も予定されていましたが、 リゾート計画は頓挫。私は、使われない観光開発用地として残すより、 日本海側の重要拠点である舞鶴の国防に活用される方が合理的だと考えています。

同時に今回の出来事は、舞鶴の観光政策を見直す転換点でもあります。

これまで「観光客が増えた」「舞鶴が賑わっている」と喧伝されてきましたが、 市民から見れば、それが税収の増加や所得向上、市民生活の改善に どれほどつながったのかは見えにくいままでした。

今後は観光客数だけではなく、ビッグデータなどを活用して、 実際の来訪者数、滞在時間、出発地域、市内周遊、宿泊率、観光消費額 を具体的に調べる必要があります。

特に重要なのが宿泊です。 日帰り観光よりも、宿泊客は宿泊費、飲食、買い物、交通など、 より多くのお金を地域に落としてくれます。

新しいリゾート施設を造る前に、 今あるホテルや旅館の客室数、稼働率、宿泊者数を調べ、 既存施設にどれだけ宿泊客を増やせる余地があるのかを検証すべきです。

舞鶴の観光は「投資の時代」から「投資回収の時代」へ。

これからは新しい施設を造り続けるのではなく、 これまで税金を投入して整備してきた観光資産を最大限活用し、 宿泊、飲食、買い物、雇用、税収として、 どれだけ舞鶴に利益を残せるかを重視する観光政策へ転換すべきだと考えます。

舞鶴に新たな艦艇施設 リゾート構想跡地を国防に活用へ

舞鶴市役所北側の「東山」と呼ばれる国有地約4.1ヘクタールについて、防衛省が取得し、隣接する海沿いの防衛省用地約4.6ヘクタールと合わせて、艦艇の係留施設や燃料関連施設などを整備する計画が明らかになりました。

報道によると、整備の目標は2034年度とされています。

この沿岸部約4.6ヘクタールは、もともと自衛隊施設の移転集約後に舞鶴市へ譲渡される予定だった土地です。

背景には、かつて東山一帯で計画されていたリゾート開発構想がありました。

しかし、そのリゾート構想は舞鶴市を取り巻く経済環境の悪化などを背景に頓挫。

さらに東山には戦時中の防空壕跡とされる空洞があり、地盤上の課題も確認されていると報じられています。

その後、防衛省から土地を継続して防衛目的に使用したいとの申し入れがあり、舞鶴市はこれを「現実的・合理的」と判断し、計画を受け入れる方向となりました。

私は、この判断については基本的に前向きに評価しています。

使われる見通しのないリゾート計画のために土地を抱え続けるより、日本海側の重要な防衛拠点である舞鶴で、国防のために有効活用される方が良いと考えるからです。

ただし今回の出来事は、自衛隊施設の整備という話だけではありません。

私は、舞鶴市の観光政策そのものが大きな転換期を迎えた象徴的な出来事ではないかと考えています。

これまで「観光客が増えた」と言われてきた舞鶴

これまで舞鶴市では、

「観光客が増えた」

「赤れんが周辺が賑わっている」

「交流人口が増えている」

といった話が、観光政策の成果として繰り返し語られてきました。

実際、舞鶴市自身も2026年度の施政方針の中で、観光客数については増加傾向にあるとしています。

しかし同時に市は、宿泊者数や観光消費単価が伸び悩み、日帰りの「通過型観光」にとどまっており、観光客数の増加が必ずしも地域経済の活性化につながっていないことを認めています。

これは非常に重要な部分です。

市民として生活していると、

「観光客がこんなに来ています」

と言われても、

それで市民の所得が増えたのか。
市の税収が増えたのか。
商店街や飲食店が豊かになったのか。
市民生活が良くなったのか。

という実感は、なかなか持てません。

観光客の人数だけ増えても、舞鶴に数時間滞在して、そのまま帰ってしまえば、地域に落ちるお金には限界があります。

だから私は、これまでの「何人来たか」を中心とした観光政策を、一度きちんと数字で検証する必要があると考えています。

まずビッグデータで「本当の観光」を調べたい

今は昔と違います。

携帯電話の位置情報などを利用した人流データを活用すれば、

どの地域から舞鶴へ来たのか。

どこを訪れたのか。

何時間滞在したのか。

市内をどのように移動したのか。

日帰りだったのか。

どこかで宿泊したのか。

こうした観光客の動きを、以前よりはるかに詳細に分析できます。

まずは感覚ではなく、データで舞鶴観光の現在地を明らかにしたい。

私は特に、

実際の来訪者数
平均滞在時間
来訪者の出発地域
市内周遊率
宿泊率
観光消費額

を調べる必要があると思っています。

「100万人来ました」

だけでは、観光政策の成否は判断できません。

例えば観光客が100万人来ても、市内消費額がほとんど増えていなければ、行政投資としての成果は限定的です。

反対に観光客が80万人でも、宿泊者が増え、飲食や買い物が増え、市内消費額が大きく伸びれば、その方が舞鶴にとっては成功と言えます。

一番重要なのは「宿泊」です

観光で地域に最も大きなお金を落としてもらう方法の一つが宿泊です。

日帰りなら、

昼食を食べる。

お土産を買う。

施設を見学する。

これくらいで終わるケースも多いでしょう。

しかし一泊してもらえば、

ホテル・旅館の宿泊費。

夕食。

居酒屋。

朝食。

買い物。

交通。

場合によっては翌日の観光。

と、市内消費が大きく広がります。

観光庁も全国の宿泊者数や客室稼働率を継続的に調査しており、宿泊は観光経済を測る重要な指標です。

ですから今後、舞鶴市の観光政策を考えるうえでは、

「観光客を何人呼ぶか」より「何人に泊まってもらうか」

を重要な指標にすべきだと思います。

新しいリゾートを造る前に、今あるホテルはどれだけ使われているのか

今回、かつてのリゾート構想が事実上終わり、防衛施設として土地が活用されることになりました。

私は、これを一つの区切りにすべきだと思います。

新しいリゾートホテルや観光施設を造ることを考える前に、

今、舞鶴にあるホテルや旅館をどれだけ活用できているのか。

ここから調べるべきです。

調べたいのは、

市内のホテル・旅館の施設数。

客室数。

最大収容人数。

年間宿泊者数。

客室稼働率。

曜日別・季節別の稼働率。

平均宿泊料金。

観光客とビジネス客などの比率。

そして、舞鶴を訪れた観光客のうち、実際に舞鶴市内へ宿泊している割合です。

もし既存の宿泊施設にまだ十分な空きがあるのであれば、新しいホテルを造る必要性は低くなります。

むしろ、

今あるホテルへどう宿泊客を誘導するか

に税金と知恵を使った方がよい。

逆に、年間を通して高い稼働率が続き、宿泊したくても部屋が取れない状態なら、その段階で初めて新たな宿泊施設について議論すればよいと思います。

順番は、

造る → 客を呼ぶ

ではありません。

需要を調べる → 既存施設を使い切る → それでも足りなければ増やす

です。

舞鶴の観光は「投資の時代」から「投資回収の時代」へ

舞鶴市はこれまで、観光施設やイベント、赤れんが周辺整備などに多くの税金を投入してきました。

もちろん、過去の投資すべてを否定するつもりはありません。

しかし人口減少が進み、公共施設の維持管理やインフラ更新にも大きなお金が必要になる時代です。

これからも同じように、

「次は何を造るか」

「次はどこを整備するか」

という拡大路線を続けることが、本当に最善なのか。

私は見直す時期に来ていると思います。

これから必要なのは、

「新しく投資する観光」ではなく、「これまでの投資を回収する観光」です。

赤れんがパークを造ったのであれば、もっと滞在してもらう。

舞鶴に来てもらったのであれば、飲食店へ行ってもらう。

商店街へ回ってもらう。

お土産を買ってもらう。

そしてできれば、一泊してもらう。

翌日も舞鶴を楽しんでもらう。

そうやって、すでにある観光資産から、市内事業者の売上、雇用、所得、税収を生み出していく。

そこまでできて初めて、市民にとって観光政策の成果が見えてくるのではないでしょうか。

「観光客数」ではなく「舞鶴にいくら残ったか」

今後、舞鶴市の観光政策で重視してほしい数字は、

観光客数だけではありません。

市内宿泊者数。
平均滞在時間。
宿泊率。
1人当たり観光消費額。
市内観光消費総額。
市内事業者への波及額。

こうした数字です。

最終的には、

観光のために投入した税金に対し、舞鶴市内にいくらのお金が残ったのか。

ここまで検証できる仕組みを作りたいと思っています。

リゾート構想の終わりを、舞鶴観光の新しいスタートに

今回、かつてリゾート開発が想定されていた土地が、防衛施設として活用される方向になりました。

私はこれを後ろ向きに考える必要はないと思います。

舞鶴は日本海側の重要な防衛拠点です。

必要性の乏しくなったリゾート構想をいつまでも追い続けるより、その土地が国防のために有効活用される。

そして舞鶴市は、新しい観光施設を次々と造ることよりも、これまで整備してきた観光資産を最大限活用することに集中する。

それで良いのではないでしょうか。

舞鶴の観光を、

「何人来たかを自慢する観光」から
「舞鶴にいくら残ったかを測る観光」へ。

そして、

「投資の時代」から「投資回収の時代」へ。

今回のリゾート構想の終焉を、その転換点にしていきたいと思います。

まず私は、舞鶴市の観光客数、宿泊者数、客室稼働率、滞在時間、観光消費額などについて、実際の数字を調べていきます。

その数字を市民の皆さんと共有したうえで、

舞鶴には、新しい観光施設が本当に必要なのか。
それとも、今あるものをもっと稼働させれば十分なのか。

これを検証していきたいと思います。

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