
税金を市内で循環させる|舞鶴経済と中小企業の再生|森本たかし
舞鶴経済と中小企業の再生
舞鶴市民や市内企業が納めた税金を、市内の仕事、雇用、所得へ戻す。
これが、森本たかしが提案する**「税金の地産地消」**です。
舞鶴市では、公共工事、設計、調査、コンサルタント、システム開発、施設運営、イベントなど、さまざまな業務が市外企業へ発注されています。
もちろん、市内企業だけでは対応できない高度な技術や専門知識が必要な業務もあります。
しかし、市外発注が当然のように繰り返されれば、舞鶴市民が納めた税金が、市内の仕事や所得として十分に戻らないまま、市外へ流出してしまいます。
舞鶴市の経済を立て直すには、新しい大型企業の誘致だけを待つのではなく、今ある市内企業を育て、市内で仕事とお金が循環する仕組みをつくる必要があります。
この記事の要約
舞鶴市にお金がないだけではありません
舞鶴市の経済が厳しい原因として、人口減少や少子高齢化が挙げられます。
しかし、問題は人口減少だけではありません。
舞鶴市内で生まれたお金が、市内で十分に循環せず、市外へ流出していることも大きな問題です。
市民が納めた税金を使って事業を行っても、受注した企業が市外企業で、使用する資材も市外調達、働く人も市外から来るのであれば、事業費の多くは舞鶴市内に残りません。
大型事業で「地元経済への波及効果がある」と説明されても、実際に市内へ残る金額が分からなければ、本当の効果は判断できません。
見るべきなのは、事業費の総額ではありません。
最終的に、舞鶴市内へいくら残ったのか。
そこまで確認する必要があります。
税金の市外流出とは
舞鶴市では、次のような分野で市外企業への発注が行われています。
- コンサルタント業務
- 設計・調査業務
- システム開発・保守
- 公共施設の建設
- 指定管理・施設運営
- イベントや観光事業
- 広告・映像・情報発信
- 各種計画の策定
- 専門人材の派遣
- 商品・資材の購入
市外発注そのものを、すべて否定するものではありません。
市外企業にしかできない業務もあります。
しかし、市内企業でも対応できる業務まで市外へ発注したり、大きな契約へまとめすぎたために市内企業が参加できなかったりする状態は、見直すべきです。
また、市外の大手企業が受注し、市内企業が下請けとして一部だけ参加する場合もあります。
その場合、表面上は市内企業にも仕事が回っているように見えても、元請企業の管理費や利益、主要資材費などが市外へ流出し、市内に残る金額は限られます。
市内発注率と市外流出額を公開する
舞鶴市の予算書や決算書を見るだけでは、税金が最終的に市内へいくら残ったのかは分かりません。
今後は、公共工事や委託事業について、少なくとも次の項目を公開すべきです。
- 契約金額
- 元請事業者の所在地
- 市内企業への発注額
- 市外企業への発注額
- 市内雇用の人数
- 地元から調達した資材やサービス
- 市外へ支払われた管理費や委託費
- 事業終了後に市内へ残った経済効果
「市内企業が参加した」という説明だけでは不十分です。
市内企業へ実際にいくら支払われたのかまで確認できなければ、本当の地元還元率は分かりません。
舞鶴市の税金が、市内と市外にそれぞれいくら流れているのかを、予算・決算の中で見える化します。
市内企業が参加しやすい発注方法へ変える
公共工事や行政業務を大きな契約へまとめるほど、資金力や人員の多い大手企業が有利になります。
その結果、市内の中小企業が直接受注できず、市外企業の下請けに入るしかなくなる場合があります。
そこで、可能な業務については、工事や委託内容を分離・分割し、市内企業が参加しやすい規模へ見直します。
例えば、一つの大型事業に、
- 建築工事
- 電気工事
- 設備工事
- 外構工事
- 維持管理
- 広報・情報発信
- 備品調達
が含まれている場合、それぞれを分けて発注できないかを検討します。
ただし、無理な分割によって事業費が増えたり、責任の所在が曖昧になったりしてはいけません。
費用、品質、責任体制を確認しながら、地元企業が参加できる最適な発注方法を選びます。
地元雇用と地元調達を入札で評価する
入札では、金額だけで受注者を決める方法があります。
しかし、最も安い事業者を選んでも、税金の大半が市外へ流出すれば、舞鶴市全体として本当に得をしたとは限りません。
入札では価格に加えて、次の項目も評価する必要があります。
- 舞鶴市民の雇用人数
- 市内企業への下請け発注額
- 市内からの資材調達額
- 市内企業への技術移転
- 災害時の地域対応力
- 事業終了後の維持管理体制
- 市内での継続的な事業活動
単に本社所在地が舞鶴市にあるかどうかだけではなく、実際に地域へどの程度貢献するのかを評価します。
地元企業を無条件に優遇するのではありません。
市民の税金を使う以上、価格、品質、地域への還元を総合的に判断します。
市内企業を下請けのままにしない
大型事業で市外企業が元請となり、市内企業が下請けに入る場合があります。
市内企業に仕事が回ること自体は重要です。
しかし、市内企業がいつまでも下請け業務だけを担っていては、技術や利益が十分に蓄積されません。
市外企業へ発注する場合でも、次のような条件を検討します。
- 市内企業との共同事業
- 市内技術者の育成
- 市内企業へのノウハウ移転
- 地元企業が将来直接受注できる仕組み
- 地元雇用の継続
- 維持管理業務の市内発注
市外企業の力を借りるのであれば、事業終了後に市内へ技術、人材、仕事が残る契約に変えるべきです。
新しい企業誘致より、今ある企業を育てる
企業誘致は、雇用や税収を増やす可能性があります。
しかし、多額の補助金や造成費を投入して誘致しても、経済環境の変化によって企業が撤退することがあります。
企業誘致だけに地域経済の将来を任せるのは危険です。
舞鶴市には、すでに地域で事業を続けている中小企業、個人事業者、商店、建設業者、製造業者、福祉事業者、農林水産業者がいます。
長年、舞鶴で税金を納め、雇用を守ってきた既存企業を育てる政策を優先すべきです。
具体的な取り組み
- 市内企業の設備投資支援
- 販路開拓やネット販売の支援
- 商品開発や技術開発の支援
- 資格取得・人材育成への支援
- 省力化・DX導入への支援
- 舞鶴港を利用した輸出入の支援
- 市内企業同士の取引拡大
- 創業後の継続支援
- 後継者探しと事業承継支援
新しい会社を外から呼ぶだけではなく、今ある会社が10年後、20年後も舞鶴で事業を続けられる環境をつくります。
補助金を配るだけの企業支援から転換する
補助金は、事業者を支援する有効な方法の一つです。
しかし、補助金を交付しただけで、企業支援が終わってはいけません。
補助金によって、
- 売上が増えたのか
- 雇用が増えたのか
- 生産性が上がったのか
- 市外から売上を獲得できたのか
- 補助終了後も事業が続いたのか
を検証する必要があります。
同じ事業者や団体へ繰り返し補助金を出している場合は、毎年度、成果を確認します。
成果が確認できない制度は見直し、実績のある制度へ予算を集中します。
補助金を配ることが目的ではありません。
市内企業が補助金に頼らなくても事業を続けられる状態をつくることが、本当の企業支援です。
法人市民税の負担軽減を検討する
市内企業の経営環境を改善するため、中小企業を対象とした法人市民税の負担軽減を検討します。
ただし、税率を下げるだけでは、市の税収が減少し、行政サービスへ影響する可能性があります。
そのため、次の点を含めて慎重に検証します。
- 対象となる企業の範囲
- 税収への影響
- 雇用や設備投資への効果
- 市外企業との差
- 他の補助制度との整理
- 減税期間や適用条件
- 減税後の成果検証
一律に法人市民税をゼロにするのではなく、雇用、設備投資、事業承継など、市内経済への効果が期待できる仕組みを検討します。
また、効果の低い補助金や外部委託を見直し、企業負担を軽減する財源へ振り替えられないかを調査します。
市街化調整区域などの土地利用を見直す
舞鶴市には、利用されていない土地や建物がある一方で、土地利用規制によって、住宅建設や事業所の立地が難しい地域があります。
人口が増え続けることを前提に作られた土地利用制度が、人口減少時代の舞鶴市に合っているのかを検証する必要があります。
ただし、規制をすべてなくせばよいわけではありません。
無秩序な開発は、道路、上下水道、消防、公共交通などの行政負担を増やす可能性があります。
そこで、
- 既存集落の維持
- 空き家の活用
- 企業や店舗の立地
- 若い世代の住宅取得
- 農地や自然環境の保全
- インフラ整備費
- 災害リスク
を総合的に検討し、地域の実情に合った土地利用へ見直します。
「全面撤廃」ではなく、必要な地域から段階的に規制を見直します。
空き家・空き店舗・遊休地を地域の資産に変える
舞鶴市内には、使われていない空き家、空き店舗、事業所、土地があります。
放置すれば、老朽化、防犯、景観、災害時の危険といった問題が増えます。
一方で、改修して活用できれば、地域経済を支える資産になります。
活用例
- 若者や移住者向けの住宅
- 小規模事業者の店舗や事務所
- 高齢者向け住宅
- 子育て世帯向け住宅
- 企業のサテライトオフィス
- 商品開発や創業の拠点
- 地域交流の場所
- 農地付き住宅
- 二地域居住の拠点
行政がすべての物件を取得・運営するのではありません。
所有者、民間事業者、金融機関、不動産事業者と連携し、民間が活用しやすい制度を整えます。
舞鶴港を実際に利用する企業を増やす
舞鶴港の活性化というと、大型客船、観光、イベントなどが注目されがちです。
しかし、港の本来の役割は物流です。
市内企業が舞鶴港を利用して、原材料や商品を輸入し、舞鶴から製品を出荷できるようになれば、継続的な荷物と仕事が生まれます。
中小企業が港を利用するには、
- 船会社やフォワーダーとの調整
- 通関手続き
- 倉庫
- 港から事業所までの輸送
- 書類作成
- 輸出入に関する知識
- 小口貨物への対応
など、さまざまな課題があります。
行政は港を宣伝するだけでなく、実際に利用する企業が困っている問題を調べ、解決する必要があります。
具体的な取り組み
- 市内企業の港湾利用相談窓口
- 通関・貿易実務の支援
- 複数企業による共同輸送
- 港周辺倉庫の活用
- 国内輸送費の軽減策
- 輸出入に挑戦する市内企業への支援
- 港湾利用企業への聞き取り
- 実際の利用件数と貨物量の公開
港を「見せる場所」だけでなく、市内企業が「使える場所」に変えます。
観光だけに依存しない経済をつくる
観光は舞鶴市の重要な産業の一つです。
しかし、観光客が増えれば、必ず市民所得が増えるわけではありません。
市外企業が施設を運営し、市外から商品や食材を仕入れ、短期・非正規雇用が中心であれば、観光消費の多くが市外へ流出します。
観光事業を評価する際には、来場者数だけでなく、
- 市内消費額
- 市内企業の売上
- 地元調達率
- 市内雇用
- 雇用の安定性
- 税収
- 事業終了後の継続性
を確認します。
舞鶴市の経済を支えているのは観光だけではありません。
製造業、建設業、物流、医療、介護、商業、農林水産業、ネット販売など、年間を通じて安定した仕事を生み出す産業を重視します。
若者が舞鶴で働き続けられる環境をつくる
若者が舞鶴を離れる大きな理由の一つは、希望する仕事や所得を得にくいことです。
「舞鶴は良い街だから帰ってきてください」と呼びかけるだけでは、若者は戻りません。
必要なのは、
- 安定した仕事
- 適正な賃金
- 技術や資格を身につける機会
- 将来の昇給
- 住まい
- 子育て環境
- 転職や再挑戦ができる環境
です。
市内企業が利益を上げ、雇用と賃金を増やせる経済基盤をつくる必要があります。
行政が直接雇用を抱え込むのではなく、市内企業が人を雇い、育てられる環境を支援します。
高齢者の経験を地域経済に生かす
舞鶴市には、長年働いてきた経験、資格、技術を持つ高齢者がいます。
一方、市内企業では人手不足が深刻になっています。
フルタイム勤務は難しくても、短時間や週数回なら働きたいという高齢者と、短時間だけ人手が必要な事業者をつなぐ仕組みをつくります。
例えば、
- 商品の梱包
- 店舗の軽作業
- 草刈りや清掃
- 配送補助
- 技術指導
- 新人教育
- 事務補助
- 地域活動
- 子育て支援
など、経験を生かせる仕事があります。
高齢者を支援される側だけにせず、地域経済を支える人材として活躍できる環境を整えます。
これは、現在の高齢者だけの政策ではありません。
今の現役世代が10年後、20年後も舞鶴で働き、安心して暮らすための仕組みでもあります。
舞鶴版ニューディール政策
道路、上下水道、橋、河川、排水施設など、舞鶴市の生活インフラは、今後さらに老朽化します。
これらの維持修繕を計画的に進め、市内建設業者へ継続的に発注します。
これを、森本たかしは**「舞鶴版ニューディール政策」**と呼んでいます。
大型施設を一度建設して終わるのではなく、小規模な工事を市内各地で継続的に行うことで、
- 道路や上下水道を守る
- 市内企業へ仕事を回す
- 市内雇用を守る
- 若い技術者を育てる
- 災害対応力を維持する
- 税金を市内で循環させる
という複数の効果が期待できます。
公共事業を単なる支出として見るのではなく、市民生活と地域経済を同時に守る投資として活用します。
市議として取り組むこと
市議会議員一人で、すべての発注制度や税制度をすぐに変更することはできません。
しかし、一人でも次の取り組みはできます。
- 市内発注率を調査する
- 市外企業への支出額を調べる
- 入札・契約資料を確認する
- 市内企業への下請け発注額を質問する
- 公共事業の地元還元率を検証する
- 補助金の成果を確認する
- 議会で制度改善を提案する
- 他自治体の取り組みを調査する
- 市内企業から課題を聞く
- 改善案を市民へ公開する
- 予算・決算審査で継続的に確認する
まずは、舞鶴市の税金がどこへ流れているのかを見えるようにします。
見えなければ、改善することもできません。
実施までの段階
第1段階 現状を調べる
- 市内・市外への発注額を調査
- 契約種別ごとの市外流出額を確認
- 市内企業への聞き取り
- 入札参加の障壁を調査
- 補助金の成果を検証
第2段階 見える化する
- 市内発注率を公開
- 地元雇用と地元調達を公開
- 大型事業の地元還元率を公開
- 市外発注の理由を明確化
第3段階 制度を変える
- 分離・分割発注を拡大
- 地域貢献を入札で評価
- 市内企業との共同事業を促進
- 補助金制度を再編
- 土地利用規制を段階的に見直す
第4段階 成果を確認する
- 市内企業の受注額
- 市内雇用
- 市内事業者数
- 市内企業の売上
- 事業承継件数
- 舞鶴港の利用企業数
- 市外流出額の減少
を毎年度確認します。
想定される課題
地元企業への発注を増やせば、すべてが解決するわけではありません。
市内企業側にも、
- 人手不足
- 技術者不足
- 資金力
- 対応可能な工事規模
- 入札事務の負担
- 設備投資
- 後継者不足
といった課題があります。
市内発注を増やすだけでなく、市内企業が受注できる能力を高める支援も必要です。
また、競争性や公平性を失ってはいけません。
特定の企業だけが繰り返し受注する仕組みではなく、新規参入、小規模事業者、若い経営者にも機会がある制度をつくります。
「稼ぐ街」の前に「漏らさない街」をつくる
新しい観光施設や大型事業によって、市外からお金を呼び込む政策も必要です。
しかし、市外からお金を稼いでも、それ以上のお金が市外へ流出していては、舞鶴市は豊かになりません。
まずは、現在ある税金、仕事、企業、人材を市内で循環させることが必要です。
市民が納めた税金を、市内企業の仕事へ変える。
市内企業の売上を、雇用と賃金へ変える。
市民の所得を、市内の消費へつなげる。
その消費が、次の市内企業の仕事を生み出す。
この循環をつくることが、舞鶴経済再生の基本です。
「稼ぐ街」を目指す前に、「漏らさない街」をつくる。
市民の税金を守り、舞鶴を立て直す。
森本たかし
舞鶴再生の5本柱
主な具体策
- 舞鶴版事業レビューを詳しく見る
- 舞鶴インフラ一斉点検プロジェクトを詳しく見る
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- 若者の就職と市内企業の人材育成支援を詳しく見る
- 舞鶴の地域医療を守る政策を詳しく見る
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