
舞鶴の週末農園付きライフ|二地域居住・移住につなげる政策|森本たかし
舞鶴で始める、もう一つの暮らし
都会で働きながら、週末は舞鶴で土に触れる。
小さな農園で野菜を育て、家族と自然の中で過ごす。
最初から完全移住を求めるのではなく、月に数日、週末、長期休暇などを利用して、少しずつ舞鶴との関係を深めてもらう。
これが、森本たかしが提案する**「週末農園付きライフ」**です。
移住政策というと、住民票を移し、仕事も住まいも一度に変える大きな決断が求められます。
しかし、仕事、家族、子どもの学校などを考えれば、すぐに完全移住できる人は多くありません。
そこで、まずは舞鶴に定期的に通い、地域の暮らしを体験してもらいます。
家庭菜園や小規模農園を楽しみながら、地域の人とつながり、舞鶴で過ごす時間を増やす。
その中から、将来的な移住、二地域居住、定年後の暮らし、地域での仕事につなげます。
移住してくださいとお願いするのではなく、舞鶴へ通いたくなる仕組みをつくる。
これが「週末農園付きライフ」の基本です。
この記事の要約
完全移住だけが移住政策ではありません
舞鶴市では、人口減少を抑えるため、移住者を増やす取り組みが必要です。
しかし、移住には大きな決断が伴います。
- 現在の仕事を辞める
- 子どもの学校を変える
- 家族の理解を得る
- 新しい地域に入る
- 住まいを探す
- 収入を確保する
こうした課題を一度に乗り越えられる人は限られています。
移住相談会を開き、補助金を用意するだけでは、実際の移住にはつながりにくい場合があります。
必要なのは、移住するか、しないかの二択ではありません。
まずは、
- 週末だけ舞鶴で過ごす
- 月に数日滞在する
- 夏休みや冬休みに長く滞在する
- 在宅勤務の日を舞鶴で過ごす
- 定年後の暮らしを試す
という中間の選択肢をつくることです。
舞鶴との関係を深めた結果として、将来的な移住につながればよいのです。
舞鶴には農園生活に適した環境があります
舞鶴市には、市街地から比較的近い場所にも農村地域や自然環境があります。
海、山、川が身近にあり、都市部では得にくい暮らしを体験できます。
一方で、農業者の高齢化や後継者不足により、管理が難しくなっている農地もあります。
大規模農業には向かない小さな農地でも、家庭菜園や週末農園として利用できる可能性があります。
すべての農地を農業法人や専業農家へ集約するだけでなく、小規模利用という選択肢も必要です。
想定する利用者
週末農園付きライフは、特定の世代だけを対象にしたものではありません。
舞鶴出身で市外に暮らす人
進学や就職で舞鶴を離れたものの、家族や友人が舞鶴にいる人です。
完全に戻ることは難しくても、舞鶴との関係を持ち続けたい人は少なくありません。
週末農園をきっかけに、舞鶴へ帰る機会を増やします。
都市部で暮らす子育て世帯
子どもに自然、土、野菜づくりを体験させたい家庭です。
単発の農業体験ではなく、自分たちで植え、育て、収穫する継続的な体験を提供します。
定年後の暮らしを考える人
退職後は自然のある場所で過ごしたいと考えていても、いきなり移住するのは不安があります。
週末や長期休暇に舞鶴で過ごし、地域の暮らしを知ってもらいます。
在宅勤務が可能な人
仕事の一部をオンラインで行える人が増えています。
週の一部や月の一部を舞鶴で過ごす暮らし方も考えられます。
家庭菜園や農業に関心がある人
本格的に農業を始めるほどではなくても、野菜づくりを楽しみたい人です。
小さな区画から始められる仕組みにします。
小さな農園から始める
週末利用者が広い農地を管理するのは困難です。
最初から大きな農地を貸し出すのではなく、小規模な区画から始めます。
農園の規模例
- 10平方メートル程度
- 20平方メートル程度
- 30平方メートル程度
- 家族向けの小規模区画
- 複数家族で利用する共同区画
利用者の経験や滞在頻度に応じて選べるようにします。
管理できない広さを貸し出し、雑草だらけになるような制度にはしません。
農業初心者でも参加できる仕組み
農作業をしたことがない人に、農地だけを貸しても長続きしません。
種まきの時期、肥料、水やり、害虫対策、収穫時期など、基本的な知識が必要です。
必要な支援
- 初心者向け講習
- 年間の栽培計画
- 地域農家による助言
- 農具の貸し出し
- 水道や散水設備
- 共同の資材置き場
- 苗や種の購入案内
- 雑草管理の支援
- オンラインでの栽培相談
- 滞在できない期間の管理補助
行政職員が農業指導を行うのではなく、地域農家、農業団体、民間事業者と連携します。
地域農家の新たな収入につなげる
週末農園付きライフは、利用者だけのための事業ではありません。
地域農家にとって、新しい収入や役割を生み出す仕組みにします。
農家が担える仕事
- 農園の管理
- 初心者への指導
- 苗や肥料の販売
- 農具の貸し出し
- 利用者不在時の水やり
- 草刈り
- 収穫作業の補助
- 地域農産物の販売
- 農業体験の実施
農家の善意や無償奉仕に頼ってはいけません。
指導や管理に対して、適正な対価が支払われる仕組みにします。
耕作放棄地をすべて使えるわけではありません
耕作放棄地であれば、どこでも週末農園にできるわけではありません。
長期間使われていない農地は、雑草や樹木が生え、排水設備が壊れ、農業機械が入れない場合があります。
また、所有者や権利関係が分からない土地もあります。
利用前に確認すること
- 所有者
- 農地としての状態
- 水の確保
- 排水
- 日当たり
- 道路からのアクセス
- 駐車場所
- 獣害
- 土砂災害や浸水リスク
- 周辺農地への影響
- 農地法上の手続き
すぐに利用できる農地から始め、無理にすべての耕作放棄地を再生しようとはしません。
農地法や利用ルールを守る
農地には、農地法などのルールがあります。
農地を自由に住宅地やレジャー施設へ変更できるわけではありません。
週末農園付きライフでも、農地として適切に利用する必要があります。
明確にするルール
- 利用目的
- 利用期間
- 利用料金
- 草刈り・管理責任
- 農薬・肥料の使用
- ごみ処理
- 水の利用
- 農具の管理
- 駐車
- 周辺農地への配慮
- 契約終了時の原状回復
利用者と所有者の責任を契約で明確にします。
口約束だけで土地を貸し借りし、後からトラブルになることを防ぎます。
滞在できない期間の管理を支援する
週末利用者は、毎日農園へ来ることができません。
夏場の水やりや雑草管理ができなければ、作物が育たず、周辺農地にも迷惑をかけます。
そこで、地域側で管理を代行できる仕組みをつくります。
管理サービスの例
- 水やり
- 草刈り
- 害虫確認
- 台風前の対策
- 収穫代行
- 写真による生育報告
- オンライン相談
利用者が料金を支払い、地域農家や事業者が対応します。
これにより、地域側にも仕事が生まれます。
子どもの自然体験につなげる
週末農園は、野菜を育てるだけの場所ではありません。
子どもが、
- 土に触れる
- 虫や植物を観察する
- 食べ物が育つ過程を知る
- 季節の変化を感じる
- 自分で育てた野菜を食べる
- 地域の人から学ぶ
機会になります。
単発のイベントでは得にくい、継続的な体験をつくります。
ただし、教育目的を強く押し付けず、家族が楽しめることを基本にします。
舞鶴市内の消費につなげる
週末農園の利用者が舞鶴を訪れれば、地域内での消費が生まれます。
想定される消費
- 飲食
- 宿泊
- 食料品
- 農業資材
- ガソリン
- 温浴施設
- 観光施設
- 地域イベント
- 農産物
- 日用品
一度きりの観光客ではなく、定期的に舞鶴へ通う人を増やすことで、継続的な消費につなげます。
観光客数だけではなく、年間の訪問回数や市内消費額を成果として確認します。
観光ではなく暮らしを体験してもらう
週末農園付きライフは、観光農園とは異なります。
短時間の収穫体験ではなく、舞鶴での暮らしを体験してもらう取り組みです。
買い物をする。
地域の店を利用する。
季節ごとの天候を経験する。
地域住民とあいさつを交わす。
道路や交通の状況を知る。
こうした日常を経験することで、移住後の暮らしを具体的に考えられるようになります。
良い面だけを宣伝せず、冬の天候、交通、地域活動なども事前に伝えます。
地域との関係を無理に押し付けない
地域との交流は重要ですが、利用者に自治会活動や地域行事への参加を強制してはいけません。
一方で、農地や共同設備を利用する以上、最低限のルールを守る必要があります。
基本的な考え方
- あいさつやマナーを守る
- 農地や道路を汚さない
- ごみを持ち帰る
- 周辺農家の作業を妨げない
- 水路や農道のルールを守る
- 参加可能な地域行事を案内する
- 無理な役割を求めない
地域住民と利用者の双方が無理なく付き合える仕組みにします。
二地域居住へつなげる
農園を利用して舞鶴へ通ううちに、滞在時間を増やしたいと考える人も出てきます。
その場合は、二地域居住という選択肢があります。
二地域居住とは、都市部の生活を維持しながら、舞鶴にも生活拠点を持つ暮らし方です。
二地域居住の利点
- 仕事をすぐに辞める必要がない
- 舞鶴の暮らしを試せる
- 地域との関係を少しずつ築ける
- 定年後の移住準備ができる
- 家族の理解を得やすい
- 災害時の別拠点にもなる
住民票の移動だけを成果にせず、舞鶴に継続して関わる人を増やします。
舞鶴出身者とのつながりを取り戻す
進学や就職で舞鶴を離れた人は、舞鶴にとって失われた人材ではありません。
家族、友人、思い出など、舞鶴とのつながりを持っています。
完全にUターンできなくても、
- 定期的に舞鶴へ帰る
- 地域の商品を購入する
- 農園を利用する
- 地域行事へ参加する
- 将来的な移住を考える
- 舞鶴の情報を市外へ伝える
ことができます。
週末農園は、舞鶴を離れた人が再び舞鶴と関わる入口になります。
定年後の移住準備として活用する
現在の現役世代も、10年後、20年後には定年や高齢期を迎えます。
定年を迎えてから突然移住先を探すのではなく、現役のうちから舞鶴との関係をつくることができます。
週末農園を利用しながら、
- 地域の医療
- 買い物
- 交通
- 冬の暮らし
- 地域の人間関係
- 生活費
- 趣味や活動
を知ってもらいます。
この取り組みは、現在の移住者を増やすだけではありません。
現役世代が将来どこで、どのように暮らすかを考える機会にもなります。
行政が農園を直接経営しない
行政が大規模な農園を整備し、職員や指定管理者が運営する方法は慎重に考える必要があります。
施設を造れば、
- 整備費
- 管理費
- 人件費
- 修繕費
- 広告費
- 指定管理料
が継続的に必要になります。
行政の役割は、原則として、
- 利用可能な農地の情報整理
- 所有者との調整
- 制度設計
- 利用ルールの整備
- 地域農家や民間事業者との連携
- 利用者募集の支援
- 成果検証
です。
実際の運営は、地域農家、農業団体、民間事業者などが担う仕組みを基本とします。
小規模な実証事業から始める
最初から大規模な農園を整備する必要はありません。
まずは、地域と農地を限定し、小規模な実証事業として始めます。
実証事業の例
- 農園区画10~20区画
- 1区画10~30平方メートル
- 利用期間1年間
- 初心者講習付き
- 農具貸し出し
- 管理代行サービス
- 年数回の交流イベント
- 利用者アンケート
- 市内消費額の調査
利用希望が少なければ拡大しません。
地域側の負担が大きい場合は、制度を見直します。
成果を移住者数だけで判断しない
週末農園付きライフの成果は、住民票を移した人数だけではありません。
確認する成果
- 利用者数
- 継続利用率
- 年間の舞鶴訪問回数
- 市内宿泊数
- 市内消費額
- 地域農家の収入
- 活用した農地面積
- 二地域居住へ進んだ人数
- 移住を検討する人数
- 舞鶴出身者の利用人数
- 地域側の満足度
- 一人当たりの行政負担
利用者数だけでなく、地域経済と地域住民にどのような効果があったかを確認します。
市議として取り組むこと
市議会議員一人で、農地を自由に貸し出したり、事業を運営したりすることはできません。
しかし、一人でも次の取り組みは可能です。
- 耕作放棄地の状況を調査する
- 市民農園の利用状況を確認する
- 移住政策の成果を検証する
- 二地域居住の事例を調べる
- 舞鶴出身者の需要を聞く
- 農家から管理上の課題を聞く
- 農地法上の手続きを確認する
- 小規模な実証事業を提案する
- 行政の直接運営ではなく民間連携を提案する
- 事業費と地域経済効果を確認する
- 予算・決算審査で成果を検証する
- 結果を市民へ公開する
大規模な施設整備を提案するのではなく、今ある農地と地域の力を活用します。
実施までの段階
第1段階 需要を調べる
- 舞鶴出身で市外に暮らす人
- 都市部の子育て世帯
- 定年後の移住を考える人
- 家庭菜園に関心がある人
- 在宅勤務者
などに、利用意向を確認します。
第2段階 受け入れ可能な地域を探す
- 利用可能な農地
- 地域農家
- 水
- 駐車場
- 道路
- 獣害
- 災害リスク
を確認します。
第3段階 利用ルールをつくる
- 契約
- 料金
- 管理責任
- 水利用
- 農薬
- ごみ
- 駐車
- 原状回復
を明確にします。
第4段階 小規模に実施する
少ない区画から始め、利用者と地域の負担を確認します。
第5段階 成果を検証する
継続利用、市内消費、地域収入、二地域居住への発展を確認します。
第6段階 効果があれば広げる
地域の理解と需要がある場合に限り、対象地域を拡大します。
想定される課題
週末農園付きライフには、次の課題があります。
- 利用者が定期的に来られない
- 雑草や水やりの管理
- 農地所有者との契約
- 農地法上の手続き
- 地域農家の負担
- 駐車場やトイレ
- 獣害
- ごみやマナー
- 利用者同士のトラブル
- 地域住民との関係
- 冬季の利用
- 行政負担の増加
良い部分だけを宣伝せず、課題を事前に整理します。
農家や地域住民の善意に頼らず、管理に必要な費用は利用料金の中で負担する仕組みにします。
移住を求める前に、舞鶴へ通いたくなる理由をつくる
移住してください。
舞鶴へ帰ってきてください。
そう呼びかけるだけでは、人は動きません。
まずは、舞鶴へ行きたいと思える理由をつくる必要があります。
自分で育てている野菜がある。
会いたい人がいる。
季節ごとに楽しみがある。
子どもが舞鶴へ行きたがる。
地域の店や農家とのつながりがある。
そうした小さな関係の積み重ねが、舞鶴との長い関係につながります。
完全移住を最初から求めない。
観光客ではなく、繰り返し舞鶴へ通う人を増やす。
農園を入口に、二地域居住と将来の移住へつなげる。
舞鶴を離れた人とも、もう一度つながる。
市民の税金を守り、舞鶴を立て直す。
森本たかし
舞鶴再生の5本柱
主な具体策
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