
今回は、舞鶴の未来に関わる重要な政策提案のひとつ、「舞鶴ダーチャ構想」についてご紹介します。これは単なる農業振興策や移住促進策ではありません。農業・空き家対策・ふるさと納税・関係人口創出・地域雇用・企業CSRなど、複数の政策を有機的に結びつけた、“舞鶴リバイバルシステム”の中核施策です。
舞鶴が直面している現実
舞鶴では現在、少子高齢化に伴い、空き家や使われなくなった農地が急増しています。耕作放棄地は増え続け、地域行事は縮小し、町の活力そのものが損なわれつつあります。
このまま手を打たなければ、10年後、20年後の舞鶴は「限界集落化」に直面し、町の存続そのものが危ぶまれる状況に陥る可能性すらあります。
その一方で、都市部では「農ある暮らし」や「自給自足的ライフスタイル」への関心が高まっており、自然や土に触れ、心豊かに暮らしたいと望む人たちが増えています。しかし、彼らが求めているのは「不便すぎる田舎」ではありません。
仕事も病院も教育も整っていながら、自然が身近にある。
そんな“ちょうどいい田舎”を、多くの人が探しています。
そして──
舞鶴こそ、その理想を実現できるまちです。
舞鶴ダーチャ構想とは
ロシアの都市近郊に見られる「ダーチャ」は、週末に家族で通える畑付きの小さな別荘です。人々は野菜や果物を育て、自然の中で汗を流し、収穫の喜びを分かち合い、また日常に戻っていきます。この“生活と自然の往復”の仕組みが、実は今の日本、そして舞鶴にも必要だと私は考えます。
そこで提案するのが、舞鶴版ダーチャ=小規模農園付きライフスタイル拠点の制度化です。
【具体的な内容】
- 市内に点在する空き地や農地を30〜50坪の区画に分割し、市民や移住希望者へ低額で年間貸与
- 農機具や資材はシェアリング方式を導入し、管理コストの軽減と環境負荷の低減を両立
- 初心者でも始めやすいように、地元農家・JA・企業OBらによる栽培講習会を定期開催
- 育てた作物は地元直売所で販売可能(月5万円前後の副収入も目指せる)
- 子どもたちや高齢者にも開かれた“地域参加型農ライフ”の拠点へ
【新たな連携制度:遊休不動産の行政寄付】
この構想をさらに前進させるために、舞鶴市に**「遊休不動産寄付制度」**の創設を提案します。
制度の概要:
- 相続放棄を検討している空き家・農地・山林などを、市民が無償で市へ寄付できる仕組み
- 寄付物件の活用方針は「ダーチャ型農園」や「移住体験住宅」として整備
- 所有者側には固定資産税の負担からの解放、地域貢献という精神的報酬も
- 寄付後の管理は、市・地域組織・地元企業・NPOなどが協働する「地域農地再生協議会(仮称)」にて担当
この制度によって、処分に困る不動産をまちづくりに活かす道が開け、行政の資産としての農地・不動産ストックを戦略的に使えるようになります。
ふるさと納税と連携した「自分専用農園」の提案
さらに、この仕組みをふるさと納税制度と強力に連動させていきます。
- 舞鶴にゆかりのある方、都市部で農に憧れる方に向けて、ふるさと納税を通じて「自分専用の舞鶴農園」を提供
- 農作業ができない方には、地元の高齢者やアルバイトスタッフが作業を代行し、収穫物を定期配送
- 雇用創出にもつながり、舞鶴の「第2のふるさと化」が進む
企業版ふるさと納税も活用し、農園インフラや農業イベントの整備、担い手支援を行い、SDGsやCSR活動の一環として企業にも参加してもらう構想です。
想定される効果
- ✅ 舞鶴の農地・空き家の活用が進む
- ✅ 地域に副収入が生まれる(直売やふるさと納税還元)
- ✅ 若者・移住者の関わりが増え、関係人口が定着する
- ✅ 子どもたちが土と触れ合い、地域への愛着を育む
- ✅ 農業や不動産の問題が「希望」に変わる
そして、何より重要なのは、「誰かがやってくれる」ではなく、「私たちが一緒にやる」という地域の当事者意識です。
最後に──10年後、土の香りがするまちへ
私は信じています。舞鶴には、まだまだ無限の可能性があります。
このダーチャ構想は、“まちの未来を土から耕す”という覚悟の提案です。
空き地も空き家も、見方を変えれば「資産」です。
そして、それを活かすのは、私たち一人ひとりの知恵と行動です。
舞鶴ダーチャ構想──
共に育て、耕し、そして実らせていきましょう。
皆さんのお力添えを、心からお願い申し上げます。