
かつて、舞鶴は全国的にも「医療が充実したまち」として知られていました。
しかし、いま私たちの医療は、静かに、しかし確実に崩壊の危機に瀕しています。
その原因は一つではありません。
人口減少、病院経営の赤字、医療人材の不足、そして“決断しない政治”――。
現状を直視し、「やれる現実」に立脚した再構築こそ、いま舞鶴に必要な処方箋です。
【結論】舞鶴市主導で市民病院への一本化を進める
私・森本たかしが提案するのは、次の一言に尽きます。
「舞鶴市民病院への統合を軸に、医療資源を再編成する」
これは理想論ではなく、極めて現実的で、実行可能な再構築プランです。
【現状分析】舞鶴市の医療の“今”
2025年3月、「舞鶴市 医療機能最適化検討会議」では次のような厳しい現実が公表されました。
- 人口は2050年にかけて約33%減少(4万人台へ)
- 市内4つの公的病院すべてが赤字経営
- 医師の偏在、看護師の高齢化と若年層不足
- 病床稼働率の低迷
- 病院施設の老朽化と耐震性の不備
さらに重要なのは、**「再編の選択肢から“統合案”が外された」**という事実です。
最も現実的な「4病院を1つにする案(パターン8)」は、現在の検討対象から除外されました。
【本質的課題】“病院”ではなく、“地域医療そのもの”が崩壊しかけている
私は、次の5点を医療再構築の核心課題として捉えています。
🏥【1】経営統合だけでは赤字は解消されない
稼働率が低く、需要も減る中で病院を統合しても「赤字の合算」になるだけです。
再編=経営改善ではなく、場合によっては医療人材への過剰な負担を生む結果にもなりかねません。
🏚【2】空いた病院施設の責任が未定
統合によって不要になる病院の建物・土地の処理は未解決。
解体?売却?活用?――すべてが宙に浮いたまま。
財政的にも責任の所在が不透明なままでは前に進めません。
🧾【3】赤字リスクが“法人任せ”になっている
舞鶴医療センター、共済病院、赤十字病院は民間色の強い公的法人です。
財政支援もなく赤字リスクだけを押し付けることは制度的にも倫理的にも許されません。
📉【4】“5万人都市”が病院に頼る構造そのものが限界
病院が地域医療のすべてを担う時代は終わりました。
**「病院任せにしない、地域全体で支える医療」**への転換が不可欠です。
⚠【5】診療所の高齢化と“静かな医療崩壊”
舞鶴市内の開業医(診療所)の多くが高齢で、今後5〜10年で閉院が相次ぐと見られます。
高齢者の通院先がなくなり、「かかりつけ医難民」が激増する未来がすぐそこにあります。
【森本たかしの提案】舞鶴市民病院を中心とした「超現実的な医療再編」
🔷 基本方針:「市民病院への一本化」で医療の“核”を守る
- 現在4つに分散する公的病院機能を、市立舞鶴市民病院へ統合・再配置
- 医療資源の集中により、持続可能な体制へ
- 高度医療は切り離し、「必要な医療に集中」するモデルへ
✅ 1. 再編の主導は「舞鶴市」自身
国や法人に任せず、市が責任をもって再編計画を推進します。
医療は市政の最重要インフラです。政治が逃げてはいけません。
✅ 2. 市民病院を“中規模・地域密着型”総合病院へ再生
- 紹介状がなくても気軽に受診できる
- 福知山市民病院と診療レベルを住み分け
- 地域診療所と連携し、医療アクセスのハブとなる
✅ 3. 高度・救急医療は「福知山に委ねる」
- 市立福知山市民病院は中丹医療圏の拠点病院
- 京都府・国の資源が集まっており、重複整備は非効率
- 舞鶴市内では軽症・慢性疾患に特化
✅ 4. 医療アクセス支援に行政が責任を持つ
- 舞鶴市民病院〜福知山市民病院を結ぶ定期バスの運行
- 訪問看護・在宅医療の充実
- MaaS×オンライン診療の導入(看護師訪問+遠隔診療のハイブリッド)
🧠 地域医療再構築のための“3つの軸”
1️⃣ 病院再編 × 地域医療ネットワークの再構築
2️⃣ 責任の所在を明確にする「市主導モデル」
3️⃣ 市民とのビジョン共有と説明責任を果たすこと
これらが揃って初めて、持続可能な医療が実現します。
💰 財源と覚悟:「贅沢」ではなく「生き残りのための投資」
医療再編には多額の財政負担が伴います。
しかし、それは“無駄な支出”ではありません。
**未来の命を守る「生存投資」**です。
- イベント、外郭団体、不要施設、議会費などの見直し
- 医療予算の優先確保
- 国・府との連携強化と財源調整
🚨 苛烈だが、現実的な判断「救急医療は福知山に任せる」
これはつらい決断ですが、地域医療崩壊を防ぐためには避けられない現実です。
- 福知山は救命救急センター・災害拠点病院に指定
- 高度医療機器・人材・訓練体制が集約されている
- 舞鶴での重複整備は、財政・制度両面で限界
【まとめ】“できない理想”ではなく、“やれる現実”に賭ける時
- 舞鶴はすべての医療を自前で持つ都市ではなくなる
- しかし、必要な医療を“必要な人に、必要な形で”届ける体制は作れる
- その覚悟を持ち、実行できる政治家が今、必要です
最後に:政治が“逃げない姿勢”を示す時
江守が壊し、斉藤が失敗し、多々見で希望は摘まれ、鴨田では放置された。
その責任は、議会だけでなく、私たち市民にもあります。
だからこそ、次の一歩は――
現実と向き合い、“責任ある選択”をすること。
舞鶴の医療再生は、「もう一度命を守る町になる」ための挑戦です。
私はその覚悟を持って、この構想を提案します。