
― 台湾の成功事例に学び、舞鶴で成果を上げた“市民主体型の政策形成” ―
近年、舞鶴においては、政治の未熟さや市民参加の機会の欠如により、「市民の声が行政に届かない」という不信感が広がっています。
その象徴的な出来事が、市民の意見を拾い上げてきた媒体の相次ぐ後退です。雑誌『コモンズ』は編集長の急逝で廃刊し、舞鶴市民新聞もフリーペーパー化。特に市民の本音が寄せられていた『潮騒コーナー』の存続が危ぶまれるなか、「おかしいぞ?」「なぜだ?」という市民の疑問や声を届ける場が失われつつあります。
私はこの状況を「民主主義の根が枯れかけている」と強く危機感を持ちました。
■ 市民の声 × AI――政策を変える“仕組み”を、舞鶴から
そこで、私たち「やばいぜ舞鶴」では、市民の声を可視化し、行政へ届けるためのデジタル・プラットフォームを立ち上げました。
この構想は単なる試みではありません。すでに実証フェーズを終え、一定の成果を挙げた政策提案として、今後本格的な運用に移行してまいります。
■ 参考にしたのは「台湾・オードリー・タン」氏の先進事例
この構想の信頼性を裏付ける先行事例として、台湾のデジタル担当大臣 オードリー・タン氏の取り組みを挙げたいと思います。
台湾では、市民の意見をデジタルで集め、政策に反映するシステム「vTaiwan」「Join」などを導入。
たとえばCOVID-19対応では、市民の投稿から「マスク在庫マップ」がわずか数日で開発され、世界的にも高い評価を得ました。
このモデルは次のような特徴を持っています:
- ✅ 意見の可視化と分類:AIが市民の意見を分類・分析し、共感度の高い提案を政策に反映。
- ✅ 市民と行政の距離を縮める:SNSやウェブツールで行政と市民が直接対話。
- ✅ 透明性と即応性:誰が何を言ったか、政策にどう影響したかをオープンに共有。
このような「デジタル民主主義」は、国民との信頼関係を築き、政治の透明性と迅速性を両立させる革新的な仕組みです。
私たちが舞鶴で行ったAI市民意見プラットフォームも、まさにこの思想をモデルとしています。
■ 舞鶴での取り組み:AI市民意見プラットフォームの成果
🧩 プラットフォームの主な機能
- ✅ 意見投稿の簡便さ
ウェブから誰でも簡単に投稿でき、匿名でも参加可能です。 - ✅ AIによる意見の分類・集約
投稿はAIがジャンル別に分類し、多くの市民から支持された意見は議会や行政に直接レポートとして共有されます。 - ✅ 関心の可視化(AI分析)
「今、舞鶴の人たちが何を課題と感じているのか?」をデータとして可視化し、政策形成の根拠とします。 - ✅ 財政影響のシミュレーション
市民提案に対して、AIが財政的インパクトや制度設計のシナリオを提示します。 - ✅ 将来的な機能:デジタル住民投票
中長期的には、市民の意見を集約し、オンラインでの住民投票の実現も視野に入れています。
■ これまでの成果と今後の展望
この「AI市民意見プラットフォーム」は単なる仕組みづくりにとどまりません。
すでに本取り組みを通じて、多くの市民から寄せられた声とAIによる整理・分析を経て、複数の政策提案が実際に生まれています。
その代表的なものが、私が現在提案している「舞鶴リバイバルシステム(MRS)」や「舞鶴ダーチャ構想」、そして補助金改革や市街化調整区域の見直しなど、市民の生活感や現場感覚が反映された具体的で実効性の高い政策群です。
これらは単に私個人のアイデアではなく、
- 市民の生の声(投稿・対話・SNSなど)
- それをジャンル分け・傾向分析したAIのレポート
- 既存の制度・財政状況を踏まえた政策構築支援AIのシミュレーション
といった複数の情報源を統合して形成された、いわば「市民×AI×議会」という新しい民主主義の成果です。
■ 今後の展望 〜AIと市民意見を基軸とした政策形成モデルの確立へ〜
これまでの成果をもとに、AIと市民意見を掛け合わせた新たな政治の形を、制度として根づかせるため、以下の展開を目指します。
🏛 議会と連携した制度化
- **「市民意見フィードバック枠」**を市議会内に創設し、AIが抽出・整理した市民の声を政策議論に正式に取り込む制度設計を推進します。
👥 市民と行政の双方向モデルの構築
- **「デジタル対話型政策形成」**を導入し、市民の投稿に対し行政側からの回答や実施状況をフィードバックする仕組みを整備します。
🤝 地域団体との協働による課題の共創
- AIによる地域課題の可視化をもとに、市民団体・NPO・地元企業と連携したワークショップを開催し、共に解決策をつくる共創型の政策形成を実現します。
💡 行政DXとの接続
- 市役所の窓口業務・相談業務・苦情対応などのリアルな行政データとAI分析結果を連携させ、個別サービスの改善にもつなげていきます。
🌏 舞鶴モデルの全国展開
- 本取り組みの知見や手法をドキュメント化・オープンソース化し、同様の課題を持つ他自治体との広域連携や技術提供へとつなげます。
■ 市民とともに未来をデザインする政治へ
「政治は遠いもの」――そう思っている方にこそ、このプラットフォームを使っていただきたい。
たとえば、「小さな不満」「なぜ?」「こうすればいいのに」という声が、市政を変えるヒントになります。
私は、舞鶴におけるこの取り組みを「小さな声を大きな変化へとつなげる民主主義の実践」と信じています。
最後に
この政策は「やばいぜ舞鶴」という市民メディアが主体となって始まりましたが、これからは公の制度の中に取り込んでいくべき段階に入ったと確信しています。
市民の皆さんとともに、舞鶴を「声が届くまち」「政策が見えるまち」へ。
今後もご意見、ご参加をお待ちしています。
あなたの声が、舞鶴の未来を動かす。