舞鶴再生計画 Maizuru Revival System

舞鶴版事業レビュー|税金の使い道と行政事業を検証|森本たかし

舞鶴版事業レビュー

行政の事業は、一度始まると、その必要性や成果が十分に検証されないまま継続されることがあります。

前年も実施したから。

関係団体から要望があるから。

国や京都府の補助金が使えるから。

こうした理由だけで、翌年度も予算をつけ続けてはいけません。

市民が納めた税金を使う以上、

  • 何のために始めた事業なのか
  • どれだけの税金を使ったのか
  • 市民生活にどのような効果があったのか
  • 市内企業や雇用につながったのか
  • 他の方法で実施できないのか
  • 今後も続ける必要があるのか

を定期的に確認する必要があります。

そこで、舞鶴市が行っている事業の目的、予算、成果、課題を分かりやすく公開し、市民の視点も取り入れて検証する**「舞鶴版事業レビュー」**を提案します。

目的は、職員や関係団体を責めることではありません。

限られた税金を、本当に必要な事業へ使うための仕組みです。


この記事の要約

舞鶴版事業レビューの基本方針 舞鶴市が実施している事業について、目的、予算、実績、費用対効果を市民へ公開し、継続の必要性を検証します。 主な取り組みは、次のとおりです。 ・毎年度、複数の事業を選んで検証する ・事業の目的、予算、実績を事前に公開する ・担当部署が事業の必要性を説明する ・議員、専門家、市民が質問する ・継続、改善、縮小、統合、終了を評価する ・翌年度予算へどう反映したかを公開する ・大型事業、補助金、外部委託を重点的に確認する ・担当職員個人を責める場にはしない ・市民に分かりやすい言葉と資料を使う 事業を実施したことではなく、どのような成果が生まれたかを確認します。

事業を続けることが目的になっていないか

行政事業には、それぞれ目的があります。

観光客を増やす。

地域経済を活性化する。

子育てを支援する。

文化を振興する。

市民の安全を守る。

しかし、事業を何年も続けるうちに、当初の目的よりも、事業を継続すること自体が優先される場合があります。

毎年イベントを開催する。

毎年同じ団体へ補助金を出す。

毎年似た内容の調査を外部へ委託する。

実施したという記録は残りますが、市民生活が本当に改善したかは分かりません。

舞鶴版事業レビューでは、事業の実施回数ではなく、目的をどれだけ達成したかを確認します。


予算を使い切ることは成果ではありません

予定どおり予算を執行した。

予定どおりイベントを開催した。

予定どおり報告書を作成した。

これだけでは、市民の税金が有効に使われたとは判断できません。

確認すべきなのは、

  • 市民の困りごとが解決したか
  • 市内企業の売上や雇用が増えたか
  • 利用者が継続的に増えたか
  • 将来の行政負担が減ったか
  • 他の事業より優先する価値があったか

という成果です。

予算の執行率ではなく、政策の達成度を重視します。


重点的に検証する事業

すべての事業を一度に詳しく確認することは困難です。

そのため、毎年度、複数の事業を選んで重点的に検証します。

対象となる事業の例

  • 予算額が大きい事業
  • 長期間継続している事業
  • 成果が分かりにくい補助金
  • 市外企業への高額な外部委託
  • 利用者数が少ない施設
  • 当初予算から大きく増額した事業
  • 将来の維持管理費が大きい施設
  • 市民から疑問が寄せられている事業
  • 国や京都府の補助金を理由に始めた事業

特定の団体や部署を狙うのではなく、共通の基準で選びます。


新しい事業は始める前に検証する

大型施設や新規事業は、始めた後では中止や縮小が難しくなります。

設計費を使った。

用地を取得した。

すでに関係機関と調整した。

こうした理由で、問題があっても計画が進んでしまうことがあります。

新しい事業については、予算をつける前に、

  • 本当に必要か
  • 既存施設を活用できないか
  • 小規模に始められないか
  • 民間で実施できないか
  • 将来人口に合った規模か
  • 維持管理費を負担できるか

を確認します。


何を成果として確認するのか

事業によって目的は異なりますが、少なくとも次の点を確認します。

  • 利用者数
  • 市民の利用割合
  • 一人当たりの事業費
  • 市内企業への発注額
  • 市内雇用への効果
  • 市内消費額
  • 市外へ流出した金額
  • 補助終了後の継続性
  • 既存事業との重複
  • 将来の維持管理費
  • 市民生活の改善

「にぎわいを創出した」「地域の魅力を発信した」といった抽象的な説明だけではなく、具体的な成果を示します。


補助金を毎年度確認する

補助金は、地域活動、文化、産業、福祉などを支える重要な制度です。

しかし、同じ団体や事業へ長期間支出されている場合は、継続する理由を確認する必要があります。

確認する内容

  • 採択基準
  • 補助金額
  • 過去の採択回数
  • 自己資金の割合
  • 市民への効果
  • 事業の成果
  • 補助終了後の自立性
  • 他の補助制度との重複

特定の団体へ補助すること自体が問題なのではありません。

税金を投入し続ける必要性と成果を、市民に説明できることが重要です。


外部委託を見直す

専門的な知識や技術が必要な場合、外部委託は必要です。

しかし、市役所内部でできる仕事まで外部へ任せれば、税金が市外へ流出し、市役所内部にも知識が残りません。

確認する内容

  • 外部委託が必要な理由
  • 契約金額
  • 委託先の所在地
  • 成果物の活用状況
  • 市内企業が参加できない理由
  • 市職員への知識移転
  • 類似業務との重複

外部委託をなくすことが目的ではありません。

本当に必要な委託か、金額と成果が見合っているかを確認します。


大型施設は将来負担まで確認する

大型施設は、建設費だけで終わりません。

完成後には、

  • 人件費
  • 光熱費
  • 清掃費
  • 警備費
  • 指定管理料
  • 修繕費
  • 設備更新費
  • 将来の解体費

が必要になります。

事業レビューでは、完成したことを成果にするのではなく、利用者数や運営費を確認し、将来も維持できる施設かを検証します。


市内経済への効果を確認する

大きな金額の事業でも、その多くが市外企業へ支払われれば、市内経済への効果は限られます。

確認するのは、事業費の総額だけではありません。

  • 市内企業への発注額
  • 市内雇用
  • 市内からの資材調達
  • 市内店舗での消費
  • 市外企業へ流出した金額

を明らかにします。

「地域経済への波及効果がある」という説明だけで終わらせず、舞鶴市内に実際にいくら残ったのかを確認します。


国や京都府の補助金でも無駄は無駄です

国や京都府の補助金を使えば、市の直接負担が少なく見えます。

しかし、国や京都府の補助金も税金です。

また、補助事業によって、

  • 市の負担金
  • 職員の事務作業
  • 維持管理費
  • 補助終了後の運営費
  • 設備更新費

が発生することがあります。

補助金が使えるから事業を始めるのではありません。

市民に必要な事業へ、補助金を活用するという順番にします。


検証結果は5つに整理する

事業を単純に「継続」か「廃止」の二択で判断する必要はありません。

継続

必要性と成果が確認できる事業。

改善

目的は必要だが、内容や発注方法を見直す事業。

縮小

必要性はあるものの、規模や予算を減らす事業。

統合

似た事業とまとめることで、効果を高められる事業。

終了

目的を達成した事業や、成果が確認できない事業。

成果の高い事業は、予算を増やす判断も行います。


職員や関係者を責める場にはしない

事業レビューは、担当職員や補助団体を大勢の前で責める場ではありません。

検証する対象は、人ではなく事業と制度です。

事業は、市長や幹部職員が決定し、市議会が予算を認めて実施されています。

担当者個人だけに責任を押し付けてはいけません。

事業の問題点を明らかにし、改善方法を考えることを目的とします。


市民参加を人気投票にしない

市民の意見は重要です。

しかし、多数決だけで事業の必要性を決めるべきではありません。

医療、福祉、防災などは、利用者が少なくても必要な事業があります。

一方、人気のあるイベントでも、税金の負担が大きすぎる場合があります。

市民の意見、専門的な判断、費用、公益性、将来負担を総合的に判断します。


検証結果を予算へ反映する

事業レビューを開催して、意見を聞いただけで終わってはいけません。

最も重要なのは、翌年度予算へどう反映したかです。

  • 何を継続したのか
  • 何を改善したのか
  • 何を縮小したのか
  • 何を統合・終了したのか
  • いくら財源が生まれたのか
  • 生まれた財源を何に使ったのか

を市民へ公開します。


見直した財源を生活基盤へ戻す

事業を見直して財源が生まれても、別の不要な事業へ使えば意味がありません。

見直した財源は、

  • 道路
  • 上下水道
  • 河川・排水施設
  • 地域医療
  • 公共交通
  • 高齢者の通院・買い物支援
  • 防災
  • 市内企業への発注
  • 人材育成

など、市民生活に必要な分野へ優先的に振り替えます。

削減することが目的ではありません。

必要なところへ税金を戻すことが目的です。


市議として取り組むこと

一人の市議でも、事業の検証はできます。

  • 予算書・決算書を調べる
  • 事業の開始目的を確認する
  • 過去の事業費を調査する
  • 補助金や委託契約を情報公開請求する
  • 利用者数や成果を質問する
  • 市内経済への効果を確認する
  • 将来の維持管理費を調べる
  • 類似事業との重複を確認する
  • 議会で見直しを提案する
  • 市民へ資料を公開する
  • 翌年度予算への反映を確認する

一人でも継続して調査し、市民へ伝えることで、行政や他の議員の判断を変えることはできます。


事業を守るのではなく、市民生活を守る

長年続いてきた事業には、関係者や歴史があります。

見直しに対して反対が出ることもあります。

しかし、行政の役割は、事業を永遠に守ることではありません。

市民生活を守ることです。

目的を達成した事業は終了する。

成果が出ない事業は改善する。

似た事業は統合する。

必要な事業には予算を増やす。

限られた税金を、今の舞鶴市に本当に必要な分野へ使います。

予算を使い切ることではなく、成果を出すことを重視する。

行政内部だけで決めず、市民に見える形で検証する。

削減することが目的ではなく、必要な政策へ予算を戻す。

事業を守るのではなく、市民の暮らしを守る。

市民の税金を守り、舞鶴を立て直す。

森本たかし


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