
──“必要な支出”を守るために、“不要な支出”を見直す
今回は、舞鶴市の財政を健全化し、必要な公共サービスを市民に安定的に提供するための具体的な予算改革の提案として、元明石市長・泉房穂(いずみ・ふさほ)氏が明石市で実践した「明石市式の事業仕分け政策」を舞鶴市でも導入すべきだという考えをお伝えします。
■ 1. なぜ今、明石市式なのか
泉氏が市長を務めた明石市では、市民負担を増やすことなく、予算の中身を徹底的に見直すことで、こども関連予算を125億円から297億円へと2.4倍(+172億円)に増額しました。
この成果は、増税によるものではありません。
「限られた財源を何に優先して使うか」という政治の本質に正面から向き合い、不要・不急な支出を削減して、必要な支出に回しただけなのです。
舞鶴市の財政も同様に、予算の使い方を変えるだけで市民サービスの向上は実現可能です。私たちには「やり方」が必要なのではなく、「覚悟と実行力」が必要なのです。
■ 2. 事業仕分けの考え方(4分類)
明石市式では、すべての事業・予算を以下の4分類に仕分けします。
区分 | 内容 | 対応方針 |
---|---|---|
① Must(必須) | 市民の命や生活に直結する不可欠な事業 | 削減せず最優先で予算を確保 |
② Better(望ましい) | あれば便利だが、緊急性・費用対効果に疑問がある事業 | 効果に応じて厳選・縮小 |
③ May(どちらでも) | あってもなくても困らない事業 | 段階的に縮小・統廃合の対象 |
④ Don’t(不当) | 明らかに不要・不透明・効果が見えない支出 | 直ちに廃止 |
Must(必須)の例:
- 教育、福祉、医療
- 災害対応、防災・救急体制
- 道路、水道、上下水など基礎インフラ
- 社会的弱者を守る支援施策
これらは市民の生活の根幹であり、財政難であっても絶対に守らなければならない柱です。
Better(望ましい)の例:
- 必要性があいまいな建物の装飾や過剰なデザイン改修
- 効果が不明瞭な大規模イベント
- 拡張的な広告・広報施策
“見栄え”より“実用性”、豪華さより“必要性”を重視すべきです。
May(どちらでも)の例:
- 市庁舎の一部内装改修
- 職員研修や海外視察の一部
- 不透明な補助金(交付先・効果が検証されていない文化行事など)
この層にこそ、多くの予算が眠っていると私は考えます。
Don't(不当)の例:
- 効果が見えない外部コンサル契約
- 不透明な随意契約や癒着の疑いがある委託事業
- 接待や市政と直接関係のない飲食・交際費
“もったいない”ではなく、“やめなければならない”領域です。
■ 3. 舞鶴市における導入意義
① 財源の再構成
不要・不急な事業の削減によって生まれた財源を、医療や福祉、教育、子育てといった本当に必要な分野に再配分します。
② 行政の効率化と透明性の向上
例えば、庁内の事務作業や外部委託の再検証を通じて、人件費・管理費の見直しを進めることが可能です。
③ 公共事業の再優先順位化
景気対策という名目で続けられるインフラ整備の中には、優先順位が疑問視される事業も少なくありません。まずは生活に密着した道路や施設の修繕を優先すべきです。
■ 4. 明石市式による「市民の信頼回復」
泉元市長の明石市では、これらの改革により、以下の成果が実現されました。
- 子育て支援日本一の評価
- 財政黒字の維持
- 市民満足度の向上
- 議会改革と住民参加の促進
舞鶴市もまた、同様に**“市民のために税金が使われている”という実感を取り戻す改革**をすべきときです。
■ 5. 今後の展開と市民の皆さまへ
今後、私は舞鶴市の令和◯年度予算案をこの明石市式4分類に基づいて具体的に仕分けし、提案書として発表していきます。
特に、以下の視点を重視していきます。
- 「Don’t」は全廃。ただし、単体ではなく事業の一部に潜んでいる場合も見逃さない。
- 「May」の扱いが最大の鍵。ここを民間委託や市民協働、ICTの活用、内製化により最適化する。
- 民間の知恵を活用し、市民との協働によって“コスト削減以上の価値”を生み出す。
明石市では子育てに財源を、舞鶴では医療や福祉に。何を守り、何を見直すか。それこそが「政治の選択」です。
【結びに】
市民参加型のインフラ点検活動と同様、
この「明石市式・事業仕分け」は、市民の目線に立った改革であり、政治家が“見せかけの改革”ではなく“実態の見直し”に取り組むための具体策です。
これからも、私は舞鶴の予算が「見える」「納得できる」「希望を生む」ものとなるよう努力してまいります。
次回のブログでは、実際に本年度予算をこの方式に基づき分類・分析し、皆さまに共有したいと考えております。
「税金の使い道」を、市民とともに考える政治へ。
今こそ、舞鶴の未来をつくる第一歩を踏み出しましょう。