
最悪の無駄遣い。
舞鶴市はSNS映えのための1,700万円の場所をつくるための“丸投げ業者”を募集しています。
舞鶴市が整備しようとしているのは、舞鶴ふるるファームから冠島を望む「展望デッキ兼イートインスペース」です。
事業費の上限は、税込み1,700万円。
しかも、舞鶴市が設計して工事だけを発注するのではありません。
民間業者に、コンセプトづくり、デザイン、設計、資材調達、施工、維持管理方法の提案まで一括して求めています。
行政は「民間のノウハウを活用した設計・施工一括発注」と説明するのでしょう。
しかし、市民の感覚で言えば、
「SNS映えする場所を1,700万円以内で考えて、設計して、造ってください」
という“ほぼ丸投げ”の事業です。
発想が少なくとも5年遅い
そもそも、「映える場所を造れば、来場者が写真を撮ってSNSで拡散してくれる」という発想自体が、少なくとも5年は遅れています。
全国各地には、すでに無数の映えスポットがあります。
今の時代、きれいな展望デッキを造っただけで、遠方から観光客が押し寄せるほど甘くありません。
求められているのは、単なる写真撮影用の設備ではなく、
- そこでしかできない体験
- わざわざ足を運びたくなる理由
- 動画で紹介したくなる物語や驚き
- 飲食や農産物の購入につながる仕組み
- 何度も訪れたくなる魅力
です。
写真を一枚撮って終わる場所に1,700万円。
流行を追いかける行政は、市民の税金を使って最後尾を走っています。
来場者や売上の目標が見えない
舞鶴市は、ふるるファームについて「市街地から遠く、認知度が低い」という課題を挙げています。
しかし、その解決策が「SNS映えする展望デッキ」では、あまりにも短絡的です。
公開されている資料からは、次のような具体的な成果目標が見えてきません。
- 年間来場者を何人増やすのか
- 売上をいくら増やすのか
- SNS投稿を何件見込むのか
- 1,700万円を何年で回収するのか
- 完成後の維持管理費はいくらか
- 将来の修繕費を誰が負担するのか
SNS映えは、本来、集客や売上を増やすための「手段」です。
ところが今回の事業は、「映える場所を造ること」自体が目的になっているように見えます。
これでは政策ではなく、1,700万円の高額な写真撮影セットです。
価格より「フォトジェニック」を重視
事業者を選ぶ評価基準にも疑問があります。
100点満点のうち、価格の評価はわずか10点です。
一方、「フォトジェニックなデザイン」は25点。単独項目として最も高い配点です。
仮に最低提案価格が1,500万円で、別の事業者が上限の1,700万円を提案しても、価格点の差は約1点しかありません。
200万円高くても、デザインの主観的な評価で簡単に逆転できます。
税金をどれだけ効果的に使うかより、「いかに映えるか」が重視される審査になっています。
市内業者中心の条件を外して再募集
さらに、この事業は「再募集」です。
当初の募集では、元請となる建設業者に「舞鶴市の工事指名登録業者」であることを求めていました。
ところが再募集では、その条件が外され、市外企業も元請として参加できる内容に変更されました。
しかし舞鶴市は、次の点を詳しく説明していません。
- 最初の募集に何社が参加したのか
- 応募がなかったのか
- 応募者が途中で辞退したのか
- なぜ再募集になったのか
- なぜ市内登録業者を前提とする条件を外したのか
市外企業が受注すれば、1,700万円の相当部分が舞鶴市外へ流れる可能性があります。
それにもかかわらず、評価基準には、市内業者への発注、市内雇用、市内産材の使用、税金の市内還流といった項目がありません。
1,700万円を使う優先順位なのか
舞鶴市では、道路、上下水道、公共施設などの老朽化が進んでいます。
1,700万円あれば、市内業者に小規模な道路補修や施設修繕を数多く発注できます。
市民の安全を守り、市内企業の仕事を増やし、税金を市内で循環させることもできます。
それでも舞鶴市は、成果目標や投資回収の見通しが不明確な「SNS映えスポット」を優先しようとしています。
映える場所を造る前に、市民の暮らしを立て直すべきです。
写真の中だけきれいな舞鶴を造っても、現実の舞鶴は良くなりません。
ふるるファームの活性化には反対していない
私は、ふるるファームの活性化そのものに反対しているわけではありません。
問題にしているのは、1,700万円を投じる根拠と具体的な成果目標が見えないことです。
舞鶴市は、少なくとも次の点を市民に説明すべきです。
- 再募集になった正式な理由
- 応募条件を変更した理由
- 事業費1,700万円の積算根拠
- 来場者数と売上の具体的な目標
- 完成後の維持管理費と修繕費
- 市内経済に還元される金額
「SNS映え」という耳触りのよい言葉で、1,700万円もの支出を正当化してはいけません。
映えるかどうかより、役に立つかどうか。
話題になるかどうかより、市民の暮らしや地域経済に効果があるかどうか。
市民の税金は、行政の流行遅れの思いつきを形にするためのお金ではありません。
この1,700万円は、本当に舞鶴市の未来に必要な支出なのか。
徹底的に調査します。


