
舞鶴市立中央図書館新築工事の入札が始まりました。
今回公告された建築工事の予定価格は、税込21億3,620万円です。
しかし、この金額で業者が応札するのか。そして、落札されたとしても、本当にその金額で完成するのか。
今回の記事では、中央図書館工事の「入札不調」と「工事費増額」の可能性に絞って検証します。
・中央図書館建築工事の予定価格は税込21億3,620万円
・資材費や人件費の高騰、厳しい施工条件などにより、入札不調となる可能性がある
・不調になれば、予定価格や設計、工期、入札条件が見直される可能性がある
・落札後も物価上昇、設計変更、現場条件の相違などによる増額が認められている
・総事業費約48億円が最終的な上限額とは限らない
・落札価格だけでなく、その後の変更契約を継続的に監視する必要がある
入札不調となる可能性
今回の建築工事では、3社による特定建設工事共同企業体、いわゆるJVを結成する必要があります。
そのうち2社は、舞鶴市内の建築一式工事A等級業者でなければなりません。
さらに、構成企業は別のJVに重複参加できないため、結成できるJVの数も限られます。
入札不調には、大きく二つのケースが考えられます。
条件を満たすJVが集まらない
1つ目は、入札条件を満たすJVが結成できず、参加者が集まらないケースです。
市内A等級業者2社の確保が必要であり、代表企業との出資比率や施工分担などの調整も必要になります。
JVを組むだけでも簡単ではありません。
予定価格では工事できない
2つ目は、業者が実際に積算した結果、予定価格では施工できず、すべての入札額が予定価格を上回るケースです。
現在は、建築資材費や人件費が上昇しています。
さらに、建設予定地はJR線路や駅舎、住宅地に近く、安全対策や騒音・振動対策にも費用がかかると考えられます。
業者がリスクを含めて積算した結果、税込21億3,620万円では請け負えないと判断する可能性は否定できません。
入札不調になれば何が起きるのか
入札が不調になった場合、舞鶴市はその原因を検証しなければなりません。
考えられる対応は、次のとおりです。
・予定価格の引き上げ
・設計内容や仕様の見直し
・工期の延長
・JV要件や入札条件の見直し
・工事の分割方法の変更
・再入札の実施
特に問題となるのは、予定価格の引き上げです。
業者が「この金額では施工できない」と判断した場合、舞鶴市が工事費を増額して再入札する可能性があります。
再入札になれば、開館時期が遅れる可能性もあります。
落札しても工事費は増額できる
仮に予定価格内で落札されたとしても、それで工事費が確定するわけではありません。
舞鶴市の工事請負契約約款には、契約後に請負代金を変更できる規定があります。
主な増額要因は次のとおりです。
・設計図書の誤りや記載漏れ
・設計と実際の現場条件の相違
・舞鶴市による設計や工事内容の変更
・工事中止に伴う追加費用
・資材価格や人件費の上昇
・主要資材の著しい価格変動
・急激なインフレ
つまり、契約後に予期していなかった事情が発生すれば、工期や工事費を変更できる仕組みになっています。
物価上昇による増額もあり得る
舞鶴市の工事請負契約約款では、契約締結から12か月が経過した後、賃金や物価の変動によって請負代金が不適当となった場合、発注者と受注者の双方から変更を請求できます。
また、主要な工事材料の価格が著しく変動した場合などには、12か月を待たずに変更対象となる可能性もあります。
今回の工期は、本契約成立の翌日から令和10年4月10日までです。
長期間にわたる工事である以上、工事中に資材価格や人件費が上昇し、契約金額が増額される可能性があります。
21億3,620万円は最終価格ではない
ここで重要なのは、税込21億3,620万円という金額は予定価格であり、中央図書館建築工事の最終的な支払額ではないということです。
入札不調になれば、予定価格を引き上げて再入札する可能性があります。
予定価格内で落札されても、契約後の物価上昇や設計変更、追加工事によって増額される可能性があります。
つまり、
入札前に増額される可能性もあり、落札後に増額される可能性もある。
ということです。
落札価格が最終価格ではなく、事実上の「スタート価格」になる可能性もあります。
総事業費約48億円は上限なのか
舞鶴市は、中央図書館整備の総事業費を約48億円と説明しています。
しかし、建築工事の入札不調や再入札、物価スライド、設計変更、追加工事が発生すれば、総事業費がさらに増える可能性があります。
そのため、市民に対しては「現在の見込み額」だけでなく、次の点も明らかにする必要があります。
・入札不調となった場合の対応
・予定価格を増額する場合の判断基準
・物価上昇分として見込んでいる予備費
・追加工事を認める手続き
・変更契約の内容と増額理由
・最終的な総事業費
落札額ではなく最終支払額を監視する
中央図書館工事で確認すべきなのは、入札時の落札額だけではありません。
その後、何回変更契約が行われたのか。
工事費が、いつ、どのような理由で、いくら増額されたのか。
当初約48億円とされた総事業費が、最終的にいくらになったのか。
ここまで継続的に確認する必要があります。
「約48億円で建設します」と始めて、完成時にはさらに膨らんでいた――では済まされません。
入札不調となるのか。
予定価格内で落札されるのか。
そして、落札後に工事費はいくら増えるのか。
私は、中央図書館の入札結果だけでなく、その後の変更契約と最終的な総事業費まで徹底的に調査していきます。


