舞鶴市が、日本遺産認定10周年事業として観光施設を巡る無料周遊バスの運行を始めるそうです。

舞鶴赤れんがパーク、引揚記念館、海軍記念館、東郷邸、八島商店街などを巡回し、観光客の移動を支援するという内容です。

まず最初に言っておきます。

私は、

「観光客の移動手段を充実させること自体は理解できます」

舞鶴は観光施設が点在しており、車がない観光客にとって移動は確かに不便です。

しかし、ここで一つ疑問があります。


■ 無料バス利用者は本当にお金を使うのか?

行政はよく、「観光客を増やす」という話をします。

しかし本当に重要なのは、観光客の人数ではありません。

地域にどれだけお金が落ちたかです。

極端な話、1万人が来ても全員が何も買わなければ地域経済への効果はほとんどありません。

逆に100人でも、食事をして、お土産を買い、宿泊してくれれば大きな経済効果になります。


■ 利用者数と経済効果は別問題

無料バスが走れば利用者は増えるでしょう。

当然です。

無料だからです。

しかし、

利用者が増えることと、

地域消費が増えることは別問題です。

例えば、

  • 赤れんがパークを見る
  • 引揚記念館を見る
  • 海軍記念館を見る
  • バスで駅へ戻る

これだけなら、

地域に落ちるお金はほとんどありません。

移動しただけです。


■ 舞鶴で実際にお金を使う場所は限られている

今回のルートを見ると、

多くは歴史施設や見学施設です。

実際に消費が期待できる場所は、

  • 赤れんがパーク
  • 東舞鶴駅周辺
  • 八島商店街周辺

程度でしょう。

しかし、

停留所を設置しただけで商店街が賑わうのでしょうか。

観光客が降りて、

歩きたくなる。

買いたくなる。

食べたくなる。

そうした魅力がなければ、

そのまま次のバスに乗るだけです。


■ 本当に測るべき数字は何か

行政が公表すべきなのは、バス利用者数ではありません。

本来見るべきなのは、

  • 利用者数
  • 市外客割合
  • 商店街来訪者数
  • 飲食店利用数
  • 土産物売上
  • 観光客一人当たり消費額

です。

例えば、年間500万円かけて運行したとして、地域消費が100万円しか増えなければ赤字です。

逆に、500万円の事業費で5,000万円の消費が生まれるなら成功です。

大切なのは、利用者数ではなく費用対効果です。


■ ファクトとオピニオンを分けて考えたい

ファクト(事実)

舞鶴市は観光施設を巡る無料周遊バスを運行する。

目的は観光客の利便性向上と回遊促進である。


分析

無料バスによって移動は便利になる。

しかし移動が便利になることと消費が増えることは別問題である。


オピニオン(意見)

私は、「無料バス利用者が本当に消費するのか」

ここを検証しないまま事業を続けるべきではないと思います。

税金を使う以上、「何人乗ったか」ではなく、

「地域にいくらお金が落ちたのか」

を市民に示すべきです。

もし効果が小さいのであれば、その予算を別の観光施策や地域経済対策に回す選択肢もあります。

観光政策は、やった感を競うものではありません。

地域経済を豊かにするために行うものです。

だからこそ、無料バスが本当に舞鶴の経済に貢献しているのか。

その検証を行政には求めたいと思います。

昭和の観光バスは「消費導線」まで設計されていた

ここで思い出したいのが、昭和の観光バスです。

昔の団体旅行では、

  • 観光地を見る
  • ドライブインに立ち寄る
  • 土産物店に立ち寄る
  • 食事をする

という流れが当たり前でした。

今から考えると少々強引な面もありましたが、観光バスが成立していたのは理由があります。

それは、

観光客にお金を使ってもらう仕組みが最初から組み込まれていたからです。

観光地を見せるだけではありません。

食事をする。

お土産を買う。

地域でお金を落としてもらう。

そうした消費まで含めて観光事業として成立していました。


今回の周遊バスは消費導線が見えない

一方、今回の舞鶴の無料周遊バスを見ると、

  • 引揚記念館
  • 海軍記念館
  • 東郷邸
  • 赤れんが博物館

など、歴史的価値の高い施設を巡る内容になっています。

しかし、

観光客がその後どこでお金を使うのか。

その導線が見えてきません。

もちろん赤れんがパークや駅周辺では一定の消費が期待できます。

しかし、停留所を設置しただけで商店街の利用が増えるとは限りません。

観光客が降りて、

「ここで食べたい」

「ここで買いたい」

と思える仕組みがなければ、そのまま次のバスに乗るだけです。


利用者数ではなく消費額を測るべき

行政は事業を始めると、

「何人利用したか」

を成果として発表しがちです。

しかし本当に重要なのは、

何人乗ったかではなく、いくらお金が地域に落ちたかです。

例えば、

年間500万円かけて運行しても、

地域消費が100万円しか増えなければ意味がありません。

逆に500万円の事業費で5,000万円の消費が生まれるなら成功です。

評価すべきなのは利用者数ではなく費用対効果です。


私の意見

私は、今回の無料周遊バスを頭ごなしに否定するつもりはありません。

舞鶴の二次交通対策として一定の意味はあるでしょう。

しかし、

「無料バスを走らせれば観光振興になる」

という考え方には疑問があります。

昭和の観光バスが成立していたのは、観光客を運ぶだけではなく、消費まで設計していたからです。

今回の事業も、

  • 利用者数
  • 市外客割合
  • 商店街来訪者数
  • 飲食店利用数
  • 土産物売上
  • 観光客一人当たり消費額

こうした数字を継続的に検証するべきだと思います。

観光客を運ぶだけでは地域は豊かになりません。

観光客がお金を使う仕組みまで設計して初めて観光政策です。

無料バスが何人を運んだのかではなく、

そのバスが地域にいくらお金を落としたのか。

そこを市民に説明できて初めて、税金を使う意味があるのではないでしょうか。

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