最終更新日:2026年10月21日

2026年10月17日の京都新聞に、またまた気になる記事が掲載されました。
見出しは「赤れんが倉庫に分館計画」。
舞鶴市は、現在の赤れんが博物館が入っている赤れんが1号棟を図書館の分館に転用し、博物館を修復工事中の6号棟へ移転させる案を検討しているそうです。
この記事を読んで、私は思わず首をかしげました。
いったい舞鶴市は、何がしたいのでしょうか?
多額の税金を投入して赤れんが倉庫を修復する。そして今度は、そこへ既存の博物館を移転させるという。
私には、どうにも行き当たりばったりの行政運営に見えてしまいます。
約13億円規模の赤れんが6号棟保存修理工事
舞鶴市では、国の重要文化財に指定されている赤れんが6号棟の保存修理工事を進めています。
工事期間は2025年9月から2028年3月までの予定です。
公開されている入札結果では、6号棟の保存修理工事は2件合わせて約13億円規模になります。
もちろん、国の重要文化財ですから、歴史的建造物を保存すること自体に反対するつもりはありません。
舞鶴の赤れんが倉庫は、貴重な歴史遺産です。
しかし、私が問題にしているのは、巨額の税金を使って修復した後、その施設をどう活用するのかというビジョンが市民に十分伝わっていないことです。
修復することが目的になっていないでしょうか?
修復した後、どのように活用し、誰が利用し、どんな効果を生み出すのか。
そこまで説明してこそ、税金を投入する意味があるはずです。
使い道がないから博物館を移すのか?
舞鶴市は以前から赤れんがパークの再整備や民間活力の導入を進めてきました。
2023年には、未活用だった6~8号棟の保存・活用について市民との対話集会も開催しています。
では、その後、どのような活用方針が決まったのでしょうか?
民間事業者による活用は、どこまで具体化したのでしょうか?
そして、いつから赤れんが博物館を6号棟へ移転させる話になったのでしょうか?
もし、当初想定していた活用方法が実現せず、修復後の使い道として博物館の移転案が浮上したのであれば、計画の進め方に大きな疑問が残ります。
もちろん、現段階では「使い道がなかったから博物館を移す」と決まったわけではありません。
しかし、だからこそ、舞鶴市には経緯を説明していただきたいのです。
約13億円規模の修復工事を進める段階で、完成後の活用計画はどうなっていたのか?
これが私の一番知りたいことです。
1号棟を空けるために6号棟へ移転?まるで玉突き人事!
今回の新聞報道では、赤れんが1号棟を図書館の分館にして、現在そこにある赤れんが博物館を6号棟へ移転する案が紹介されています。
つまり、
- 1号棟を図書館にしたい
- そのためには赤れんが博物館を移さなければならない
- そこで修復中の6号棟へ移転させる
こういう玉突き移転にも見えるわけです。
では、赤れんが博物館を移転させる必要性は、どこにあるのでしょうか?
博物館の展示内容が充実するのでしょうか?
来館者が増えるのでしょうか?
それとも単に、図書館の場所を確保するためなのでしょうか?
図書館のために博物館を動かすというのであれば、博物館の存在意義や利用者のことも十分に考えなければなりません。
施設の空き具合で公共施設の配置を決めているのだとしたら、それこそ本末転倒です。
修復費だけでは終わらない!さらに税金が必要では?
私がもう一つ心配しているのが、お金の問題です。
6号棟の修復工事に約13億円規模。
しかし、博物館を移転させるとなれば、それだけで済むのでしょうか?
展示設備、空調、収蔵設備、内装工事、展示物の移設など、新たな費用が発生する可能性があります。
さらに、空いた1号棟を図書館の分館として利用するなら、今度は図書館用の改修費用も必要になるでしょう。
つまり、6号棟の修復費用に加え、博物館の移転費用と1号棟の図書館転用費用まで発生する可能性があるということです。
それぞれいくら必要なのか。
総額ではいくらになるのか。
維持管理費はどう変わるのか。
こうした金額が明らかにならないまま話が進んでいくことには、私は納得できません。
中央図書館も迷走、今度は赤れんが博物館?
舞鶴市では、新たな中央図書館の建設計画も進められています。
しかし、2026年9月には建設工事の入札で参加3者がすべて辞退し、入札不調となりました。
市は建設費の積算をやり直す方針です。
私は以前から、巨額の税金を投入する中央図書館の新築計画には慎重な検証が必要だと主張してきました。
そして今回、新たに赤れんが倉庫を使った図書館分館の構想が浮上しました。
中央図書館だけでなく、既存の博物館まで巻き込んだ施設再編です。
いったい舞鶴市は、図書館行政をどこへ向かわせようとしているのでしょうか?
建物を新しくすること、立派にすること、歴史的な建物を修復すること。
それらは手段であって、目的ではありません。
大切なのは、市民にとって本当に必要な施設やサービスを、無理のない財政負担で提供することではないでしょうか。
町並みは守る、小学校はなくす。そして赤れんがは修復して玉突き移転?
先日、私は吉原地区の重要伝統的建造物群保存地区の問題について、「町並みは守る、小学校はなくす!」という記事を書きました。
歴史や文化を守ることは大切です。
しかし、そのためにどれだけの費用が必要なのか、誰が負担するのか、将来にわたって維持できるのかという視点も欠かせません。
今回の赤れんが6号棟にも、同じ疑問を感じます。
建物を守ることばかりが先行して、その後の活用方法や財政負担について、市民に十分な説明がなされているのでしょうか?
舞鶴市の公共施設政策には、長期的な視点と一貫した考え方が必要です。
鴨田市政に聞きたいこと
今回の赤れんが博物館移転構想について、私は次の点を明らかにしてほしいと思っています。
- 6号棟の保存修理工事を決めた時点で、完成後の具体的な活用計画は何だったのか?
- 民間活力を利用した6号棟の活用について、これまでどのような検討が行われてきたのか?
- 赤れんが博物館の6号棟への移転は、いつ、誰が、どのような理由で提案したのか?
- 博物館の移転費用と1号棟の図書館改修費用は、それぞれいくら必要なのか?
- 移転によって市民サービスや観光振興にどのような効果が生まれるのか?
これらは、税金を使う以上、当然説明されるべき内容だと思います。
まとめ|税金を使う前に、将来のビジョンを示してほしい
私は赤れんが倉庫を守ることに反対しているわけではありません。
赤れんが博物館や図書館の存在を否定しているわけでもありません。
問題は、巨額の税金を投入する事業に、将来を見据えた合理的な計画と説明があるのかということです。
修復してから使い道を考える。
施設を空けるために、別の施設を移転させる。
もし、そんな行政運営になっているのなら、行き当たりばったりと言われても仕方がないのではないでしょうか。
舞鶴市には、限られた財源の中で優先しなければならない課題が山ほどあります。
道路、上下水道、防災対策、高齢者の暮らし、そして老朽化した公共施設。
税金は無限にあるわけではありません。
建物を残すことだけで満足するのではなく、残した建物をどう生かし、将来の市民負担をどう抑えるのか。
そこまで考えるのが、本来の行政の仕事ではないでしょうか。
鴨田市政には、建物の修復や施設の移転を決める前に、舞鶴の将来をどうするのかという明確なビジョンを示していただきたい。
行き当たりばったりの公共施設整備に、これ以上、市民の税金を使い続けてよいのでしょうか?
やばいぜ舞鶴!

