
本気なら横断幕より、JR西日本の株主総会に行くべきです
「亀岡市、JR西に株主提案」
京都新聞に掲載された記事を見て、私は正直、かなり驚きました。

亀岡市がJR西日本の株主として、株主総会で北陸新幹線に関する株主提案を行ったという内容です。
提案そのものは否決されたようですが、私はここに大きな意味があると思います。
なぜなら亀岡市は、単に「新幹線を通してください」と言っているだけではないからです。
実際にJR西日本の株式を保有し、株主という立場で、JR西日本の経営陣に対して正式に意見を届けている。
これは、かなり本気の行動です。
亀岡市は“やってます感”ではなく、実際に動いている
新幹線誘致というと、多くの自治体では、
横断幕を出す
ポスターを貼る
地元向けの決起大会をする
期成同盟会で要望書を出す
こうした活動が中心になりがちです。
もちろん、地元の機運を高めることも大切です。
しかし、本当に新幹線を動かす相手は誰なのか。
それは、地元住民だけではありません。
国土交通省
与党整備新幹線関係の議員
京都府
関係自治体
そしてJR西日本です。
つまり、本気でルートを実現したいなら、地元に向けて「頑張っています」と見せるだけでは足りません。
実際に決定権や影響力を持つ相手に、どう届けるかが重要です。
その意味で、亀岡市がJR西日本の株を保有し、株主総会で正式に提案したことは、非常に実務的な行動です。
株主総会は、企業に直接質問できる正式な場
株主総会は、単なる儀式ではありません。
株主であれば、企業の経営陣に対して質問することができます。
一定の株数を持てば、株主提案もできます。
これは環境NGOなどがよく使う手法です。
環境問題、脱炭素、人権問題、森林破壊、化石燃料、発電事業などについて、大企業の株を取得し、株主総会で質問する。
資金力のあるNGOであれば、さらに株を集めて株主提案まで行う。
これは世界的にも一般的な活動手法です。
つまり、企業に対して本気で意見を届けたいなら、外から抗議するだけではなく、株主という立場を使って中に入り、正式な場で質問するという方法があるのです。
私も日立造船の株を自腹で買い、株主総会で質問しました
これは私自身も経験があります。
かつて舞鶴市で計画されていたパーム油火力発電所問題で、私は日立造船の株を自腹で購入しました。
そして、株主として日立造船の株主総会に出席し、舞鶴市のパーム油火力発電所について質問しました。
その結果、日立造船は舞鶴市のパーム油火力発電所から正式に撤退することを表明しました。
もちろん、私一人の力だけで全てが動いたとは言いません。
地域の反対運動、環境問題への批判、社会的な流れ、さまざまな要因があったと思います。
しかし、株主総会という正式な場で質問したことで、企業から公式な回答を引き出すことができた。
これは事実です。
だから私は、株主総会で質問することに意味があると実感しています。
机上の空論ではありません。
実際にやったことがあります。
JR西日本に質問するだけなら、100株でも可能です
JR西日本に株主提案をするには、一定以上の株数が必要です。
一般的には、300個以上の議決権、つまりJR西日本の場合であれば、おおむね3万株程度が目安になります。
現在の株価水準で考えると、かなり大きな金額になります。
しかし、株主総会に出席して質問するだけなら、基本的には100株から可能です。
JR西日本は100株単位の会社ですので、100株を保有すれば株主総会に出席し、質問する道が開けます。
株価にもよりますが、以前の株価水準で考えれば、おおむね26万円前後です。
つまり、舞鶴ルートを本気で推進している人たちが、それぞれ自腹で約26万円前後を出せば、JR西日本の株主総会に出席し、直接質問することができるのです。
これは、十分に現実的な要望活動ではないでしょうか。
本気なら、横断幕より100株
舞鶴市内では、新幹線誘致の横断幕やポスターを見かけることがあります。
しかし、それを見ていつも思います。
その横断幕は、誰に向けているのでしょうか。
地元住民に向けて、
「私たちは新幹線誘致を頑張っています」
と見せるためでしょうか。
それとも、本当に国やJR西日本に届く活動なのでしょうか。
本気で舞鶴ルートを実現したいなら、地元向けのPRだけでは弱いです。
JR西日本に聞くべきです。
株主総会で質問すべきです。
たとえば、こういう質問ができます。
「JR西日本として、舞鶴ルートについて検討の余地はあるのか」
「山陰新幹線・舞鶴ルートが実現した場合、JR西日本にとって経営上のメリットと課題は何か」
「北近畿・日本海側の鉄道ネットワーク強化について、JR西日本はどのような考えを持っているのか」
「舞鶴市や京都府北部の自治体と、鉄道網強化について協議する意思はあるのか」
こうした質問を株主総会という正式な場で行えば、少なくともJR西日本の経営陣から公式な回答を引き出せる可能性があります。
横断幕より、はるかに実務的です。
ポスターより、はるかに直接的です。
地元向けの“やってます感”より、JRに届く行動です。
舞鶴市も沿線自治体としてJR西日本株を保有してよいのではないか
さらに言えば、舞鶴市そのものがJR西日本の株式を保有することも、検討に値すると思います。
舞鶴市にはJRの駅があります。
東舞鶴駅
西舞鶴駅
松尾寺駅
JR西日本の鉄道網は、市民の通勤、通学、観光、地域経済、災害時の移動手段にも関わります。
つまり舞鶴市は、JR西日本の沿線自治体です。
沿線自治体として、JR西日本の株式を政策目的で保有し、株主として意見を届ける。
これは決しておかしな話ではありません。
約3万株を保有すれば、株主提案の最低ラインに届く可能性があります。
金額としては大きいですが、これは横断幕やイベントのように使えば消えるお金ではありません。
株式という資産として保有する形です。
もちろん、株価変動リスクはあります。
税金で株を買う以上、市民への説明責任も必要です。
しかし、在来線の維持、減便対策、駅周辺整備、観光振興、災害時の交通確保、新幹線ルートに関する意見表明など、目的を明確にすれば、公共交通政策の一環として十分に議論できるはずです。
亀岡市は、実際にそれをやっています。
だから舞鶴市も、本気で鉄道政策や新幹線誘致を語るなら、亀岡市の行動から学ぶべきです。
亀岡市を見習うべきは、舞鶴ルート推進者です
今回の亀岡市の行動は、舞鶴ルート推進者にとって非常に大きなヒントです。
新幹線誘致を本気でやるなら、地元で盛り上がっているだけでは足りません。
国に行く。
JR西日本に行く。
株主総会で質問する。
必要なら株式を保有する。
沿線自治体として正式な立場を作る。
そこまでやって、初めて「本気の誘致活動」と言えるのではないでしょうか。
市民に横断幕を見せるだけでは、新幹線は来ません。
地元の小学校や道路沿いにポスターを貼っても、JR西日本の経営判断は変わりません。
本気なら、JR西日本の経営陣に直接聞くべきです。
本気なら、株主総会に行くべきです。
本気なら、自腹でも株を買うべきです。
本気度は、行動に出ます
私は舞鶴市のパーム油火力発電所問題で、日立造船の株を自腹で購入し、株主総会に出席しました。
環境NGOも、大企業に対して同じような手法を使っています。
亀岡市も、JR西日本の株主として株主提案まで行いました。
では、舞鶴ルートを推進している人たちは、何をしているのでしょうか。
横断幕ですか。
ポスターですか。
地元向けのPRですか。
それも否定はしません。
しかし、本気で舞鶴ルートを実現したいなら、亀岡市を見習うべきです。
本気なら、横断幕より株主総会。
本気なら、ポスターよりJRへの直接質問。
本気なら、市民向けの“やってます感”ではなく、JRに届く行動をすべきです。
北陸新幹線・舞鶴ルート推進者は、亀岡市を見習え。
私はそう思います。

