※この記事は、2022年10月時点の多々見市政の方針や事業について、当時公表されていた情報をもとに、森本たかしの考えを述べたものです。現在の市政や最新の財政状況を評価した記事ではありません。
この記事の要約
多々見市政は「稼げる行政」「株式会社舞鶴市役所」を掲げていました。
しかし、行政の第一の役割は、自ら商売をして利益を上げることではありません。
福祉、教育、防災、道路、上下水道など、市民の暮らしに欠かせない公共サービスを安定して提供することです。
観光や商業などの稼ぐ分野は、原則として民間事業者が担う。行政は、公平な競争環境を整え、市内事業者が力を発揮できるよう支える。
そして、人口と税収に見合わない大型事業や過剰な投資を見直し、市民生活に必要な事業へ税金を振り向ける。
私は、これが舞鶴市を立て直すための基本だと考えています。
「批判ばかり」という意見に対する私の答え
私の発信について、一部の方から個別に、
「批判ばかりではなく、具体的な対案を示すべきだ」
「舞鶴市を発展させようと頑張っている人の足を引っ張っているのではないか」
「観光で稼がずに、舞鶴市はどうやって税収を増やすのか」
といったご意見をいただくことがあります。
※これは世論調査やアンケートの結果ではなく、私が活動する中で一部の方から直接聞いた意見です。舞鶴市民全体の評価を示すものではありません。
私はこれまでも改善案を示してきたつもりですが、改めて私の考えを明確にお伝えします。
私が問題だと考えているのは、多々見市政が掲げてきた「稼げる行政」「株式会社舞鶴市役所」という考え方です。
行政の目的は、利益を上げることではない
行政が自主財源を増やそうと努力すること自体は否定しません。
しかし、「稼ぐこと」が行政の中心的な目的になれば、本来優先すべき仕事が後回しになるおそれがあります。
行政の役割は、市民の安心と安全を守り、福祉、教育、防災、道路、上下水道など、暮らしに欠かせない公共サービスを安定して提供することです。
自然や景観を守ること、社会的に弱い立場の人を支えること、公平なルールを整えることも行政の重要な役割です。
これらは、採算性だけでは判断できません。
利益が出なくても、市民生活に必要だから行政が担わなければならない仕事があります。
その一方で、利益を上げられる可能性のある事業は、本来、民間事業者が創意工夫と責任をもって行う分野です。
行政が「稼ぐこと」に力を入れすぎれば、行政本来の仕事がおろそかになるだけでなく、民間事業者の仕事を奪うことにもなりかねません。
商売で稼ぐのは、市民と市内事業者です
では、舞鶴市で誰が稼ぐのか。
私は、舞鶴市で商売をして稼ぐ主役は、市民と市内事業者だと考えています。
行政が自ら商売に乗り出すのではなく、市民や事業者が挑戦できる環境を整える。
特定の事業者だけに機会が偏らないよう、公平な競争環境をつくる。
市内で仕事とお金が循環するよう、地元企業への発注や地域内調達を増やす。
不要な規制や手続きを見直し、民間投資を呼び込みやすくする。
それが行政に求められる役割ではないでしょうか。
私は市民や市内事業者の力を信じています。
行政は主役になるのではなく、民間の挑戦を支える土台に徹するべきです。
税収が減少するなら、支出の優先順位を見直す
人口が減少すれば、将来的に税収が減少する可能性があります。
だからといって、税金を使って次々と新しい事業を始めればよいとは限りません。
まず必要なのは、現在の人口と財政規模に合わせて、支出の優先順位を見直すことです。
道路や上下水道の維持、福祉、教育、防災など、市民生活に欠かせない事業を優先する。
効果の分からない事業、民間で実施できる事業、維持管理費が将来の負担になる施設は、必要性を厳しく検証する。
税収が限られているからこそ、何に使い、何を見送るのかを明確にしなければなりません。
「将来のための投資」という言葉を使えば、どのような事業でも正当化できてしまいます。
大切なのは、投資額に見合う効果が本当に得られるのか、市民生活の向上につながるのか、ほかに優先すべき事業はないのかを検証することです。
「まなびあむ」の整備から考える行政の役割
2021年に完成した「まなびあむ」には、公民館機能のほか、カフェ、野菜などの販売、宿泊に関する機能が設けられました。
地域交流や学習の拠点として公民館を整備することには、公共的な意味があります。
一方で、カフェや物販、宿泊などの機能まで行政が税金で整備する必要があったのかについては、検証が必要です。
これらは、民間事業者でも取り組める分野です。
行政が税金を使って施設を整備し、民間と競合するサービスを提供すれば、周辺で新たに事業を始めようとする人の参入を難しくする可能性があります。
民間事業者が施設を開設すれば、物件の仲介、改修工事、設備、仕入れ、雇用などを通じて、市内のさまざまな事業者に仕事とお金が回ります。
行政がすべてを抱え込むのではなく、公共施設に本当に必要な機能を絞り、民間でできることは民間に任せる。
そのほうが、市内に新しい事業と雇用が生まれやすくなると考えます。
公共投資が民間事業の芽を摘んではならない
赤れんがパークのコワーキングスペースについても、同じ視点から考える必要があります。
コワーキングスペースそのものを否定しているわけではありません。
問題は、なぜ行政が税金を使って整備する必要があるのか、民間で実施する方法はなかったのか、周辺事業者との公平な競争が保たれているのかという点です。
赤れんがパークの再整備についても、物販、飲食、土産物、クラフトビールなど、民間が担える事業が含まれています。
公共施設として整備するのであれば、
- なぜ行政が担う必要があるのか
- 民間事業者との役割分担はどうなっているのか
- 市内の既存店舗にどのような影響があるのか
- 観光客を施設内に囲い込まず、市内全体へ回遊させられるのか
- 投資額に見合う経済効果が得られるのか
こうした点を具体的に説明しなければなりません。
行政の投資が、周辺の民間事業者を弱らせたり、新規参入の芽を摘んだりするのであれば、地域活性化とは逆の結果になります。
適切な競争が、街に活力を生む
商業や観光を発展させるためには、公平で適切な競争が必要です。
複数の事業者が、サービス、品質、価格、企画力を競い合う。
その競争によって新しい商品やサービスが生まれ、街の魅力が高まります。
行政と関係の深い一部の事業者だけに機会が偏っていると受け取られるような仕組みでは、ほかの事業者は安心して投資できません。
大切なのは、誰でも公平に参入でき、努力や工夫が正当に評価される市場をつくることです。
行政は特定の事業者を選んで街づくりを任せるのではなく、多くの事業者が挑戦できる土台を整えるべきです。
舞鶴市に必要なのは「身の丈に合った市政」です
市民の暮らしでは、収入が減れば、支出を見直し、優先順位を考えます。
自治体財政と家計は同じではありませんが、使える財源に限りがある以上、優先順位をつける必要がある点は共通しています。
人口が減少しているにもかかわらず、将来の維持管理費まで伴う大型施設を次々と整備すれば、市民生活に必要な予算が圧迫されます。
立派な施設を造ることよりも、今ある道路、上下水道、公共施設を安全に維持する。
新しい看板事業を始めることよりも、福祉、教育、防災など、暮らしを支える行政サービスを守る。
私は、この当たり前の市政運営を取り戻す必要があると考えています。
舞鶴には、立て直す力がある
舞鶴市には、海上自衛隊、海上保安庁、港湾、製造業、エネルギー関連産業など、比較的安定した雇用と産業の基盤があります。
決して、何もない街ではありません。
だからこそ、大きな夢を掲げて税金を投じ続けるのではなく、今ある強みを生かし、市内で仕事とお金が循環する仕組みをつくるべきです。
税金の無駄遣いを減らす。
市外へ流出している発注を見直す。
市内事業者が参加できる仕事を増やす。
道路や上下水道などの生活基盤を守る。
市民に必要な行政サービスへ予算を振り向ける。
こうした地道な改革を積み重ねることが、舞鶴市の再興につながります。
森本たかしなら、こう変える
私が目指すのは、行政が商売の主役になる舞鶴市ではありません。
市民と市内事業者が主役となり、行政がその活動を支える舞鶴市です。
そのために、私は次の改革を進めます。
- 効果の分からない事業や過大な公共投資を見直す
- 道路、上下水道、防災、福祉、教育を優先する
- 民間でできる事業は民間に任せる
- 市内事業者への発注を増やし、税金を市内で循環させる
- 公平な競争と新規参入ができる環境をつくる
- 事業の目的、費用、効果、責任の所在を市民に公開する
- 人口と財政規模に合った持続可能な市政へ転換する
舞鶴市を立て直すために必要なのは、行政が慣れない商売に手を広げることではありません。
行政として、当たり前のことを当たり前に行うことです。
贅沢と過剰投資を見直せば、舞鶴は立て直せる
これまでの過剰な投資によって生じた負担がある以上、立て直しには時間がかかります。
それでも、舞鶴市には再興する力があります。
贅沢な施設や効果の不明確な事業を見直す。
市民生活に必要な仕事を優先する。
民間事業者が力を発揮できる、公平な市場を取り戻す。
市民の税金を、市民の暮らしと舞鶴の将来のために使う。
私は、この基本を徹底すれば、舞鶴市は必ず立て直せると考えています。
行政が主役になるのではありません。
舞鶴市民と市内事業者が主役です。
市民の税金を守り、身の丈に合った市政を取り戻す。
それが、私の考える舞鶴再興への道です。


