最終更新日:2026年10月27日

49ページの開示資料。これで何を検証しろというのか?
舞鶴市内で発生した「いじめ重大事態」について調べるため、情報公開請求によって入手した行政文書を確認しました。
2026年9月18日付で舞鶴市教育委員会から開示された資料は、全部で49ページ。
ところが、驚いたことに、その大部分が黒塗りになっているのです。
特に、学校のいじめ防止対策委員会の記録は、何行にもわたって黒塗りが続き、会議で何が話し合われ、どのような判断が行われたのか、ほとんど確認できません。
これでは、何のための情報公開請求なのでしょうか?
私は、子どもたちの個人情報まで公開しろと言っているわけではありません。
被害児童生徒や関係者の氏名、学校名など、個人が特定される情報を黒塗りにすることは当然だと考えています。
しかし、いじめの具体的な内容や発生件数、その後の学校・教育委員会の対応まで分からなくなるほど黒塗りにする必要があるのでしょうか?
個人情報の保護を理由に、行政の対応まで見えなくなってしまう。
これでは、隠蔽体質を疑われても仕方がないと思います。
学校が何をしたのか。それこそ市民が知るべき情報ではないのか?
今回の資料には、小学校と中学校のいじめ事案に関する報告書が含まれています。
一部には、いじめによって相当期間の欠席に至った事案や、学校側が対応を振り返った記述も確認できます。
しかし、詳細な経過や関係者のやり取り、校内委員会の協議内容など、重要な部分が広範囲にわたって非公開となっています。
私が知りたいのは、誰が誰をいじめたのかという個人情報ではありません。
- どのようないじめが発生したのか。
- 何件の重大事態が発生しているのか。
- 学校はいつ、いじめを把握したのか。
- 被害児童生徒を守るため、どのような対応をしたのか。
- 教育委員会は適切に指導・監督したのか。
- その後、被害の解消や再発防止に向けて何をしたのか。
こうした情報です。
もちろん、いじめの具体的な内容によっては、それだけで当事者が特定される場合もあるでしょう。
その場合には、内容を要約したり、個人が特定されない表現に変更したりする方法があるはずです。
子どもを守るための黒塗りと、行政の責任が見えなくなる黒塗りは、まったく別の問題です。
いじめ重大事態の一覧すら作成していない?
さらに気になるのが、今回の資料に含まれていた「行政文書不存在決定通知書」です。
舞鶴市教育委員会は、いじめの重大事態として認定した事案の一覧と、重大事態に関する調査を行った事案の一覧について、事務処理上作成する必要がなく、公文書として管理していないという理由で、文書不存在としています。
これは非常に気になる回答です。
個々の事案の報告書が存在する一方で、それらをまとめた一覧は存在しないというのです。
もちろん、一覧表が存在しないことと、教育委員会が発生件数を把握していないことは同じではありません。
しかし、重大事態が何件あり、どの事案について調査が実施され、どのような対応が取られたのか。
教育委員会は、それをどのように管理しているのでしょうか?
重大事態の全体像を把握し、再発防止に生かす仕組みがあるのか、説明していただきたいものです。
舞鶴市の情報公開制度は「原則公開」のはず!
舞鶴市は、情報公開制度について、市民の知る権利を尊重し、行政の説明責任を果たすための制度だと説明しています。
また、情報公開条例では原則公開を掲げ、非公開情報を除いた部分について開示する仕組みも定めています。
一方、文部科学省の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」では、調査報告書の公表について、被害児童生徒や保護者の意向、児童生徒への影響などを踏まえ、適切に判断することとしています。
つまり、すべてを無条件に公開しなければならないわけではありません。
それでも、個人情報の保護と行政の説明責任を両立させる努力は必要なはずです。
今回の黒塗りについても、どの部分を、どのような理由で非公開と判断したのか。
個人を特定しない形で開示できる部分はなかったのか。
舞鶴市教育委員会には、具体的に説明していただきたいと思います。
本当に守るべきものは何なのか?
いじめ重大事態の調査は、報告書を作成すれば終わりではありません。
被害を受けた子どもを守り、何が問題だったのかを明らかにして、二度と同じことが起こらないようにするためのものです。
それなのに、行政文書を開示しても肝心な対応経過が確認できなければ、学校や教育委員会の対応が適切だったのか、市民が検証することは困難です。
今回の黒塗りがすべて不当だと断定するつもりはありません。
しかし、これほど広範囲の情報を非公開とするのであれば、それに見合う説明が必要ではないでしょうか。
情報公開請求をしても、知りたいことが分からない。そんな情報公開制度でよいのでしょうか?
守るべきものは、教育委員会の面子でも学校の評判でもありません。
子どもたちの命と尊厳です。
そして、いじめに対して行政がどのように行動したのか、市民が検証できる仕組みです。
舞鶴市教育委員会には、今回の非公開判断について再検討し、個人情報を保護したうえで、いじめの発生状況や対応経過、再発防止策を説明するよう求めたいと思います。
子どもたちを守るために、教育行政の透明性が必要なのです。
やばいぜ舞鶴!


