
――「市民サービス向上」という言葉の裏側で起きていること
令和8年1月13日から、舞鶴市は、市役所の開庁時間と電話受付時間を変更します。
- 【変更前】8:30〜17:15
- 【変更後】9:00〜16:30
市はこれを
「質の高い・持続可能な行政サービスを目指して」
と説明しています。
https://www.city.maizuru.kyoto.jp/shisei/0000014304.html
しかし、市民の立場で冷静に考えると、
この変更が本当に“市民サービス向上”と言えるのか、大きな疑問があります。
変更前は「仕事を調整すれば行けた」
これまでの時間帯であれば、
- 出勤を少し遅らせる
- 退勤を少し早める
- 有給を使わず、1〜2時間の調整で対応
という形で、市役所に行くことができた市民は少なくありません。
特に、
- 非正規雇用
- 時給・日給制
- 子育て・介護と仕事を両立している世帯
にとっては、この「朝夕の時間」が命綱でした。
変更後は「半日休みが前提」になる
ところが、9:00〜16:30という時間帯は、
- 会社のコアタイムと完全に重なる
- 午前休・午後休は必須
- 場合によっては有給1日が必要
という時間帯です。
これは単なる不便ではありません。
はっきりとした「所得減」です。
行政手続きのために、賃金を失うという現実
市役所に行くために、
- 半日分の給料が減る
- 有給を消費せざるを得ない
そんな負担を、市民に当然のように強いる制度になっています。
特に影響を受けるのは、
もともと生活に余裕のない層です。
33%が生活困窮層の街で、これは妥当なのか
舞鶴市では、
低所得・非課税世帯が約33%にのぼります。
物価高、光熱費高騰、医療や教育の負担増。
ただでさえ生活が厳しい中で、
行政手続きをするなら、
収入が減ることを受け入れてください
と言われているようなものです。
これは本当に、市民の暮らしを支える行政の姿でしょうか。
「利用者が少ない時間帯」を切るという危うさ
市は、来庁者数調査を根拠に
「利用者が少ない朝夕の時間を短縮した」と説明しています。
しかし、利用者が少ない=重要でない、ではありません。
- その時間しか来られなかった人
- 生活を削って来ていた人
**“少数派だが、切実な市民”**が、そこにいました。
行政が守るべきなのは、
数の多い人だけでしょうか。
さらに深刻な問題:現場での混乱は想定済みだった
今回の変更について、市民への周知は十分とは言えません。
- 突然来庁して、16:30に玄関が施錠される
- 入れず、説明も受けられない
- 怒りや不満が現場職員に向かう
こうした混乱は、容易に予測できたはずです。
実際、現場で説明を担う職員からは、
悲痛な声も聞こえてきています。
決めたのは組織。
矢面に立つのは現場。
これは、市民にも職員にも不誠実なやり方です。
問われているのは「誰のための行政か」
この問題の本質は、単なる時間変更ではありません。
- 市民の生活にどんな影響が出るのか
- 所得が減る人は出ないのか
- その負担を、なぜ市民が背負うのか
そうした検証と配慮が、見当たらないことです。
おわりに
「市民サービス向上」という言葉は、とても便利です。
しかしその言葉の裏で、
- 市民の時間
- 市民の収入
- 市民の生活
が削られているのであれば、
それは本当に“向上”なのでしょうか。
行政の都合で、
市民に半日分の賃金を差し出させる制度を、
私たちは当然として受け入れていいのか。
今こそ、立ち止まって考える必要があると思います。


