
― 舞鶴市民に関係するポイント整理 ―
防衛省は令和8年度の概算要求(新年度予算案)を公表しました。
今回の予算は、日本の安全保障環境の変化を踏まえ、
「防衛力の抜本的強化」を継続する内容となっています。
舞鶴は海上自衛隊の拠点都市であるため、
この予算は間接的・直接的の両面で影響が考えられます。
以下、舞鶴市民の視点で整理します。
1. 今回の予算の主な特徴
① 長射程ミサイルの整備
敵の射程圏外から攻撃可能な装備(いわゆるスタンド・オフ能力)の強化。
→ 抑止力強化を目的としています。
② 無人機(ドローン)戦力の拡充
無人航空機・無人水上艇などの取得を拡大。
→ 人的負担軽減と戦力効率化が狙い。
③ サイバー・宇宙分野の強化
防衛クラウド整備、サイバー防護、宇宙領域対応の拡充。
→ 現代戦のデジタル化への対応。
④ 装備維持費の増額
既存の艦艇・航空機を安定的に運用するための整備費増加。
2. 舞鶴への影響
(1)海上自衛隊舞鶴基地
舞鶴は日本海側の主要基地です。
装備維持費の増額は、
- 艦艇整備業務の安定化
- 補給・弾薬体制の強化
につながる可能性があります。
→ 地域経済には一定のプラス要素。
(2)港湾の役割
有事を想定した輸送体制の強化が進められています。
舞鶴港は大型港湾であり、
- 補給拠点としての機能強化
- 物流インフラの活用
などの可能性があります。
(3)自衛官の処遇改善
防衛省は人材確保を課題としています。
今回の予算では、
- 生活環境改善
- 女性隊員への設備整備
- 勤務環境の改善
などが盛り込まれています。
舞鶴は自衛官とその家族が多い地域です。
→ 住宅や生活環境改善は地域経済にも波及します。
(4)防衛産業
防衛生産基盤強化予算が計上されています。
舞鶴には造船関連企業があり、
艦艇需要の増加があれば間接的影響も考えられます。
3. 市民として考えるべき論点
防衛予算増額は、
- 地域経済への一定の影響
- 基地機能の強化
につながります。
一方で、
- 有事時のリスク評価
- 国民保護計画(避難計画)の実効性
- 港湾の軍民利用の在り方
といった議論も必要になります。
4. まとめ
今回の概算要求は、
「安全保障環境の変化に対応するための防衛力強化」
を目的とした内容です。
舞鶴は防衛拠点都市であるため、
✔ 経済的影響
✔ 基地機能強化
✔ 市民生活への間接的影響
が想定されます。
■ 南西強化という現実
今回の予算の重点は、
- 南西地域の体制強化(第15旅団の第15師団化)
- 台湾有事を想定した即応能力の向上
に置かれています。
そのため、戦略上の重心は沖縄・九州方面にあります。
一方、舞鶴を含む日本海側は、
抑止・監視・後方支援の役割を担う地域
として位置づけられています。
具体的には、
- ロシア極東艦隊や北朝鮮動向の監視
- 日本海の制海・対潜水艦作戦
- 有事時の補給・展開支援
といった任務が中心になります。
つまり、
南西が「即応・前方展開」の最前線であるのに対し、
日本海側は「全体を支える基盤的機能」を担う構造です。
そのため、
- 予算配分の優先順位は南西が上位
- 舞鶴への大規模な新規集中投資は限定的
と考えられます。
一方で、
現時点で舞鶴の防衛上の危機が急激に高まっているとは言いにくい
というのも冷静な見方です。
重要なのは、賛否ではなく、
情報を把握し、地域として冷静に議論すること
です。

