
AIデータセンターは、
電気を「少し多めに使う施設」ではありません。
電力が前提のインフラ施設です。
ここで見落とされがちなのが、
施設内部の電気代だけでなく、
送電インフラの問題です。
① データセンターは“電気を作る”のではなく“使う”
まず確認ですが、
データセンターは電気を生みません。
大量に消費します。
仮に20MW規模であれば、
- 一般家庭数万世帯分に相当
という水準になります。
これを安定供給するには、
- 変電所容量
- 高圧受電設備
- 送電線容量
が十分である必要があります。
② 既存の送電網で足りるのか?
重要なのはここです。
- 平工業団地に現在どの程度の受電余力があるのか?
- 新たな特別高圧線が必要なのか?
- 変電所増強が必要なのか?
もし既存容量で足りない場合、
送電インフラの増強が必要になります。
③ 誰が負担するのか?
これが最大の論点です。
送電網増強には、
- 変電所増設
- 送電線新設
- 鉄塔建設
- 地中化工事
などが伴います。
費用は場合によっては数十億円規模になることもあります。
ここで問題になるのは、
▪ 事業者負担か
▪ 電力会社負担か
▪ 自治体負担か
▪ 電気料金に転嫁されるのか
という点です。
④ 電力会社が負担しても「無料」ではない
仮に電力会社がインフラ増強を行うとしても、
その原資は電気料金です。
つまり、
- 大口需要のための増強
- 地域全体で負担
という構図になり得ます。
これは米国でも問題になっている論点です。
⑤ 電源立地地域だから安心、とは限らない
舞鶴は電源立地地域です。
しかし、
- 発電所があること
- 送電容量が十分であること
は別問題です。
発電所があっても、
送電経路がボトルネックになる
ケースは珍しくありません。
⑥ 拡張リスク
データセンターは段階的に拡張するケースが多いです。
最初は10MWでも、
- 3年後に20MW
- 5年後に40MW
という拡張もあり得ます。
送電網は一度整備すると、
その後の増強も必要になる可能性
があります。
⑦ 災害時リスク
データセンターは停電を嫌います。
そのため、
- 二重化送電
- 非常用発電機
- 蓄電設備
を持ちます。
しかし大規模災害時に、
- 地域住民より優先供給されるのか?
- それとも同等か?
という倫理的・政策的論点も生まれます。
⑧ 問うべきポイント
市や電力会社に確認すべき点は明確です。
- 現在の受電容量と余力
- 送電線増強の必要性
- 増強費用の負担者
- 電気料金への影響
- 将来拡張時の扱い
まとめ
電気代補填の議論は重要ですが、
それ以前に、
送電インフラの整備コストという別の論点があります。
データセンターは、
- 電力を大量消費する
- 水を一定量使う
- 24時間稼働する
という三つの特性を持つ施設です。
歓迎するなら、
そのインフラ負担を誰がどう背負うのか
を明確にする必要があります。

