
AIデータセンターを語る際、
電力ばかりが注目されがちですが、
実は「水」も重要な資源です。
サーバーは大量の熱を発します。
その熱を効率よく除去するために、冷却システムが必要になります。
① サーバー冷却には水が使われる
冷却方式にはいくつかあります。
- 空冷(大型ファン)
- チラー方式(冷水循環)
- 冷却塔を使う蒸発冷却
- 液浸冷却
このうち、
冷却塔を伴う方式では、相当量の水が蒸発します。
水は循環しますが、
蒸発分は常に補給が必要です。
大規模施設では、
1日あたり数百トン規模になるケースもあります。
② 平工業団地は埋立地
今回の立地である平工業団地は埋立地です。
つまり、
- 地下水利用は現実的ではない
- 井戸水依存は難しい
と考えられます。
となると、使用水は基本的に
上水道依存
になります。
③ 舞鶴は水が豊富…しかし絶対ではない
舞鶴市は由良川水系を持ち、
比較的水資源に恵まれている地域とされています。
しかし近年、
- 猛暑
- 少雨傾向
- 由良川の水位低下
が見られます。
過去には、
取水制限“直前”まで水位が下がった事例
もあります。
本格的な制限は発動していませんが、
気候変動リスクを考慮すれば、将来は保証できない
というのが現実です。
④ データセンターは「止められない施設」
仮に渇水状態になった場合、
- 一般家庭 → 節水要請
- 農業 → 取水制限
- 工場 → 生産調整
が起きます。
しかしデータセンターは、
24時間365日停止できない施設
です。
ここで重要なのは、
水制限時に優先供給されるのか?
それとも一般と同じ扱いなのか?
という公平性の問題です。
⑤ 水道インフラの問題
もう一つ、見逃せない点があります。
平工業団地はこれまで、
太い水道管が無いことが工場誘致の制約だった
という経緯があります。
仮にデータセンターが大量の水を必要とするなら、
- 大口径配水管の新設
- 増強工事
が必要になる可能性があります。
この場合、
その費用は誰が負担するのか?
が重要な論点になります。
- 市負担か
- 事業者負担か
- 補助金か
議論なしに進めるべきではありません。
⑥ 将来リスクという視点
水は電力と違い、
地域住民の生活と直結する資源
です。
今は問題なくても、
- 5年後
- 10年後
に気候条件が変われば、状況は変わります。
電力と同様に、
水も“変動リスク資源”
なのです。
⑦ 問うべきポイント
市や事業者に確認すべき点は明確です。
- 冷却方式は何か(空冷か、水冷か)
- 最大水使用量の見込み
- 渇水時の優先順位
- 水道管増強の有無と費用負担
- 排水処理計画
これらが示されて初めて、
水リスクを評価できます。
まとめ
データセンターは、
- 電気を大量に使う
- 水も一定量必要とする
施設です。
舞鶴の立地条件を考えれば、
電力リスクだけでなく、水リスクも同時に検証すべき
です。
歓迎するからこそ、
生活資源への影響を丁寧に確認する。
それが、地域と共存するための最低条件ではないでしょうか。

