
令和8年度予算において、中央図書館整備事業費として
債務負担行為33億円が計上されています。
また、令和8年度分として約9億円が予算化されています。
図書館整備は、まちの文化や学びを支える重要な事業です。
同時に、それは将来世代に長く影響を及ぼす長期的な財政判断でもあります。
だからこそ、いくつか確認すべき点があります。
■ 実施設計未確定の段階での予算設定
予算案公表時点で実施設計が完了していないとの説明があります。
実施設計は、仕様・数量・工事費を確定させる重要な段階です。
その前に33億円の債務負担行為を設定することについて、
- 最終設計確定後の金額との整合性はどう担保するのか
- 設計変更が生じた場合の対応はどうなるのか
丁寧な説明が求められます。
■ 33億円の内訳はどこまで示されているか
現在公表されているのは総額です。
しかし、
- 建築本体工事費
- 設備工事費
- 外構費
- 備品・書架整備費
- 物価変動への対応分
- 予備費
といった項目別の積算明細は、市民に分かりやすい形では示されていません。
また、建物以外にも関連経費が計上されています。
- 図書資料等充実経費 約5,500万円
- 図書館システム更新事業費 約4,100万円
- 図書館再編推進事業費 約1,100万円
図書館整備は、建物単体ではなく、
蔵書・システム・運営体制を含めた総合事業です。
その全体像が整理されているのかが重要です。
■ 物価高騰と入札不調リスク
現在、建設資材や労務単価は上昇傾向にあります。
全国的に公共工事の入札不調も発生しています。
- 物価変動はどこまで織り込まれているのか
- 予定価格は市場実勢に合っているのか
- 入札不調時の再試算や増額想定はあるのか
将来の財政負担に直結する部分であり、
リスク管理の説明が不可欠です。
■ ランニングコストという長期負担
建設費33億円に注目が集まりますが、
図書館は建てた後も継続的な費用がかかります。
仮に年間1億円規模の維持管理費が必要であれば、
30年間で約30億円となります。
建設費と合わせれば、
長期的には60億円規模の事業です。
建設費には補助金や起債が活用される可能性がありますが、
運営費については恒常的な補助制度は基本的にありません。
多くは一般財源からの支出となります。
■ 税収基盤と将来世代への影響
舞鶴市の人口は約73,000人。
非課税世帯が約33%を占めるとされています。
税収基盤が拡大している状況ではありません。
人口減少と高齢化が進む中で、
固定的な一般財源支出を増やすことが、
将来にわたり持続可能かどうか。
この視点は避けて通れません。
■ 求めたいこと
図書館整備の賛否を急ぐ前に、
- 総事業費の内訳
- 実施設計確定後の最終見込み額
- 物価・入札リスクへの対応方針
- 長期的なランニングコスト試算
これらを一体で示していただきたい。
図書館をつくること自体が問題なのではありません。
問題は、
将来世代に責任を持てるだけの説明が尽くされているかどうか
という点です。
丁寧な情報公開こそが、
成熟した議論の前提になると考えます。

