
――統合されれば、本田太郎氏は北神けいろう氏に“勝負にならない”という現実
京都5区が消え、4区に統合される――
この議論で、どうしても避けて通れないのが 「誰が当選するのか」 という問題です。
きれいごとでは済みません。
選挙は制度であり、同時に数の論理です。
ここでは、
京都4区と5区のこれまでの当選構造を比較しながら、
なぜ 5区選出の本田太郎氏が、4区の北神けいろう氏に対して圧倒的に不利になるのか を整理します。
① そもそもの前提:選挙は「候補者の優劣」以前に「地盤の勝負」
まず大前提として、はっきりさせておきます。
これは
- 本田太郎氏の力量の問題ではありません
- 北神氏の個人能力の問題でもありません
選挙区の人口構成と票の密度の問題です。
② 京都5区の当選構造:広いが、票は薄い
京都5区(舞鶴・福知山・宮津・京丹後など)は、
- 面積が非常に広い
- 地域が分散している
- 人口が少なく、票が点在している
という特徴を持っています。
その結果、
- 一地域で大きく票を積み上げにくい
- 組織票も分散する
- 選挙は「積み上げ型」にならざるを得ない
👉 野党が組めば勝っても“薄氷の勝利”になりやすい
これが、5区の宿命です。
③ 京都4区の当選構造:狭く、票が固まる
一方、京都4区はどうか。
- 京都市内を含む人口密集地域
- 生活圏がコンパクト
- 組織票・固定票が集中しやすい
結果として、
- 短距離で大量の票を確保できる
- 選挙ごとの得票が安定しやすい
- 「負けにくい構造」を持つ
👉 勝ち方が安定している選挙区です。
北神さんは、まさにこの構造の中で勝ち上がってきた議員です。
④ もし4区+5区が統合されたら何が起きるか
仮に、
- 4区の京都市内の一部を削り
- 人口調整をしたうえで
- 5区を4区に統合した場合
新しい選挙区の重心は、どこに来るでしょうか。
答えは明確です。
👉 票の過半は、京都市側に残る
舞鶴や北部がどれだけ頑張っても、
- 人口密度
- 投票数
- 組織力
の面で、都市部が主戦場になります。
⑤ 本田太郎が「圧倒的に不利」になる理由
ここで冷酷な現実を整理します。
本田太郎氏の強み
- 北部では知名度が高い
- 地域密着型
しかし統合区では…
- 知名度は京都市では限定的
- 支持基盤が人口的に少数派
- 選挙戦の主戦場が“アウェー”になる
一方で北神氏は、
- 都市部に強固な基盤を持つ
- 組織票・固定票が厚い
- 新選挙区の人口重心と完全に一致
👉 勝負以前に、土俵が違う
これが「圧倒的に不利」と言わざるを得ない理由です。
⑥ これは個人の問題ではなく、制度の問題
重要なので繰り返します。
これは、
- 本田太郎が弱いからでも
- 北神さんが特別だからでもない
選挙区再編という制度が、そういう結果を生むという話です。
そしてその結果、
- 京都府北部選出の国会議員が事実上消える
- 北部の声は「都市部議員の兼務案件」になる
という事態が起きます。
⑦ 舞鶴にとって、これが何を意味するのか
国会議員がいても、
- 常に都市部の事情を優先せざるを得ない
- 北部は後回し
- 要望は「ついで扱い」
こうした状況になれば、
舞鶴は、国政において“自分の代弁者を失う”
ことになります。
結論:選挙区統合は「北部敗北」が最初から決まった制度
京都4区と5区の統合は、
- 数字上は合理的
- 制度上はきれい
- しかし結果は最初から見えている
北部の候補者は勝てない。
北部の声は薄まる。
だからこそ、この問題は
「どの議員が勝つか」ではなく
「舞鶴が、政治の舞台から消えるかどうか」
の問題なのです。

