
舞鶴市・公的4病院統廃合計画が直視すべき現実
2026年1月29日、京都新聞で
京都府北部の基幹病院である福知山市民病院の経営が厳しい状況にある
ことが報じられました。
記事では、診療報酬の改定が人件費や医療材料費、光熱費の上昇に追いつかず、
高度な急性期医療や救急医療を担う公立病院ほど、構造的に赤字に陥りやすい
という現実が、病院長の言葉として明確に語られています。
福知山市民病院は、
京都府北部医療の中核を担う、いわば「最後の砦」です。
その病院ですら経営が苦しいと公に認めざるを得ない――
この事実は、地方の公的医療が置かれている現状を象徴しています。
この報道は、単なる一病院の経営問題ではありません。
地方において、公的医療を維持すること自体が、制度的に極めて困難になっている
という警告です。
そして今、舞鶴市では
公的4病院の統廃合・再編計画が進められようとしています。
統廃合は「経営改善策」ではない
統廃合はしばしば、
「効率化」「無駄の削減」「経営改善」
といった言葉で説明されます。
しかし、福知山市民病院の記事が示している現実は、その逆です。
- 救急機能の集約
- 急性期医療の強化
- 24時間365日の医療体制
- 医師・看護師の確保
- 医療安全体制の維持
これらを本気で実現すれば、
人件費や固定費は確実に増加します。
診療報酬制度が大きく変わらない限り、
再編・統廃合は
黒字化への道ではなく、赤字を拡大させる政策です。
舞鶴市の統廃合議論に欠けているもの
にもかかわらず、舞鶴市の公的4病院再編をめぐる議論では、
- 再編後、年間いくらの赤字が発生するのか
- その赤字を、どの財源で、どれくらいの期間支えるのか
- 市の財政全体に、どのような影響が及ぶのか
といった、最も重要な財政的議論がほとんど行われていません。
これは極めて不誠実です。
福知山市民病院の記事が突きつける問い
2026年1月29日の報道は、
舞鶴市に対し、次の問いを突きつけています。
「基幹病院ですら赤字になる制度の中で、
舞鶴市は統廃合後に生じる巨大な赤字を引き受ける覚悟があるのか」
公的4病院の再編とは、
単なる施設整理や効率化ではありません。
それは、
- 毎年、数億円規模の赤字を
- 長期間にわたって
- 市の一般財源で支え続ける可能性を受け入れる
という、極めて重い政策判断です。
結論:再編を語る前に、数字を示せ
舞鶴市が今、まず行うべきことは
「病院をどう統合するか」ではありません。
- 想定される赤字額
- 財政への影響
- 市民負担の可能性
これらを具体的な数字で示し、市民に説明することです。
福知山市民病院の経営難を伝えるこの記事は、
舞鶴市の医療再編議論に対し、現実を直視せよと迫る警鐘です。
この警鐘を無視したまま進める統廃合は、
医療を守るどころか、
舞鶴市の医療と財政を同時に壊す結果を招きかねません。
いま問われているのは、
統廃合そのものではなく、
その結果を引き受ける覚悟があるのかどうかです。

