
静かに進む選挙区再編、その先にある舞鶴と京都府北部の現実
「京都5区が消えるかもしれない」
これまでこの言葉は、どこか“将来の不安”として語られてきました。
しかし今、その危機は一気に現実味を帯び始めています。
きっかけとなったのが、
衆議院京都4区選出・北神圭朗氏の自民党入りです。
新聞が伝えた「北神氏、自民で出馬へ」
新聞各紙は、次のように報じました。
衆院京都4区の無所属・北神圭朗議員(58)が、
次期衆院選で自民党から出馬する方向で最終調整に入った。
北神氏はこれまで無所属で当選を重ねてきたが、
自民側から入党の打診を受け続けていたという。
さらに記事では、
- 自民党公認となる見通し
- 京都4区の“与党現職”になる可能性
- 5期目のベテラン議員であること
が強調されています。
この一報は、単なる「所属政党の変更」ではありません。
京都の選挙区地図そのものを揺るがすニュースです。
自民党入りが意味する“決定的な変化”
北神氏が自民党に入ることで、何が変わるのか。
それは――
京都4区が、明確な「自民党現職区」になる
という点です。
自民党には、選挙における絶対的な原則があります。
- 現職議員を最優先で守る
- 現職がいる選挙区には原則対抗馬を立てない
つまり北神氏は、
「追われる側」から
「守られる側」へと立場を変えた
ということになります。
ここで浮上する「京都5区消滅」の現実
現在、国政では
- 議員定数削減
- 1票の格差是正
- 選挙区再編
が同時に議論されています。
その中で京都5区は、
- 有権者数が全国でも下位水準
- 1票の格差ワーストクラス
- 人口減少が続く地域
という理由から、再編対象の最有力候補と見られてきました。
そしてもし――
- 京都4区と5区が統合される
- 議席が1つになる
という事態になれば、どうなるか。
自民党の判断は、極めて現実的だ
統合選挙区で自民党が立てられる候補は、当然1人です。
そのとき党本部が見るのは、
- 現職かどうか
- 勝てるかどうか
- 組織が整っているか
この3点です。
ここで冷静に見れば、
- 京都4区:自民党現職(北神氏)
- 京都5区:自民党現職(本田太郎氏)人口が少なく、選挙区自体が消える可能性
どちらが優先されるかは、火を見るより明らかです。
結果として、
京都5区側の自民党候補者は、
「調整」「撤退」「比例へ」という扱いになりやすくなる
いわゆる“貧乏くじ”を引かされる構図が、現実味を帯びてきます。
これは「候補者の問題」ではない
重要なのは、ここです。
この問題は、
- 誰が良い
- 誰が悪い
という話ではありません。
制度と政党の論理が、京都府北部を後回しにする構造が、はっきり見えてきたという話です。
北神氏の自民党入りは、
- 京都4区の地位を強固にし
- 統合後の主導権を都市部側に固定し
- 京都5区を「整理対象」に押し出した
その象徴的な出来事だと言えます。
京都5区が消えた先にあるもの
もし京都5区が消えれば、
- 舞鶴
- 福知山
- 宮津
- 京丹後
といった京都府北部は、
自分たちの選挙区を持たない地域
になります。
選挙で勝つために優先されるのは、人口の多い都市部。
北部の課題は、どうしても後回しになります。
これは単なる不安ではありません。
全国の合区・再編選挙区で、すでに起きてきた現実です。
静かに進む「地方切り捨て」
国はこれを、
- 合理化
- 格差是正
- 政治改革
という言葉で説明するでしょう。
しかし実態は、
声の小さい地域から、政治の席を一つずつ失っていく過程
ではないでしょうか。
京都5区の問題は、
舞鶴や北部だけの話ではありません。
これは、
「地方はどこまで政治の中心から外されていくのか」
という、日本全体の問題でもあります。
京都5区は“本田太郎氏の地盤”だが、それでも次は安泰ではない
京都5区は現在、
自民党・現職の本田太郎氏の地盤であることは間違いありません。
長年にわたり北部を歩き、
舞鶴を含む地域に根を張ってきた現職議員です。
しかし、ここで見落としてはならない現実があります。
「地盤がある」ことと
「次も出られる」ことは、まったく別の話だということです。
次の衆議院選挙が“最後の分かれ道”になる理由
もし次の衆議院選挙で、
- 本田太郎氏が圧倒的な勝利を収める
- 一方で京都4区の北神氏が苦戦、あるいは敗戦する
この構図がはっきり示されれば、状況は一変します。
党本部はこう判断します。
「京都府北部は、本田太郎でなければ勝てない」
「次の再編後も、この地域は彼で行くべきだ」
この評価が出て初めて、
本田太郎氏は“次の選挙区再編後”にも残る候補者になります。
逆に言えば、これが無ければ“次はない”
しかし逆の結果になった場合はどうでしょうか。
- 本田太郎氏が接戦・辛勝
- 北神氏が安定して当選
この結果になれば、党の判断は冷酷です。
「4区の現職は安定している」
「5区は人口も少なく、再編対象だ」
「統合後は4区側を優先する」
つまり、
本田太郎氏がどれほど地域に尽くしてきたかは、
判断材料として後回しにされる
という現実が待っています。
これが、自民党という組織の論理です。
なぜ「圧倒的勝利」が必要なのか
「勝てばいい」では足りません。
党が見るのは、
- 得票率
- 得票差
- 勝ち方
です。
僅差の勝利では、
「次も勝てるか分からない」
という評価になります。
だからこそ必要なのは、
誰が見ても明らかな“圧倒的勝利”
です。
それがなければ、
- 統合選挙区での主導権
- 公認の優先順位
- 将来の出馬の可否
すべてが不利になります。
この視点を忘れてはならない
京都5区が自民党の地盤であることは事実です。
しかし今、国政の議論は
- 議員定数削減
- 選挙区再編
- 1票の格差是正
という大きな流れの中にあります。
この流れの中では、
「今、当選しているか」より
「次も勝てると証明できるか」
が問われます。
そしてその証明は、
次の衆議院選挙の結果だけです。
京都5区の有権者に突きつけられている現実
次の衆議院選挙は、
- ただの一回の選挙ではありません。
- その先の「京都5区が残るかどうか」を左右します。
本田太郎氏が圧倒的に勝つのか。
それとも、北神氏が安定した強さを示すのか。
この差は、
京都府北部が、今後も“独立した選挙区として扱われるのか”、
それとも“整理される地域”になるのか
その分岐点になります。
おわりに
京都5区は、今も確かに本田太郎氏の地盤です。
しかし、次の衆議院選挙で
- 圧倒的勝利がなければ
- 北神氏の苦戦や敗戦がなければ
本田太郎氏の「次」は保証されない。
それが、いま北部が直面している政治の現実です。
この選挙は、
「誰を応援するか」ではなく、
京都5区という選挙区そのものを残せるかどうか
を問う選挙になるのかもしれません。
何も言わなければ、
この流れは「静かに」「粛々と」進みます。
京都5区が消える――
そのとき、舞鶴と京都府北部は、
本当に政治の中で声を上げ続けられるのでしょうか。
今、問われているのはそこです。


