――地方選挙は、ここまで追い込まれている

京都5区。
福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町を含む、広大な選挙区です。

今回の衆議院選挙、この京都5区の構図は非常にシンプルでした。

共産党 vs 現職自民党

それ以外の選択肢が、存在しないのです。


京都5区の候補者

京都5区に立候補しているのは、次の2人のみです。

  • 本田太郎
     52歳/自民党/前職・当選3回
     党国防部会長、〈元〉防衛副大臣・外務政務官。弁護士で東大大学院修了という、いわゆる中央エリート型の政治家です。
  • 山内健
     58歳/共産党/新人
     党地区委員長、〈元〉党京都府委員。同志社大学出身。

選挙としては成立しています。
しかし、有権者にとって「選べている」と言える状況でしょうか。


京都4区も、同じ構図

お隣の京都4区も、状況はほぼ同じです。

京都市右京区・西京区、亀岡市、南丹市、京丹波町を含む京都4区も、

  • 北神圭朗(自民・前職5回)
  • 吉田幸一(共産・新人)

という、共産党 vs 現職自民党の一騎打ち。

京都4区・5区ともに、
自由民主党 と 日本共産党 だけが残った選挙区になっています。


かつては、選択肢があった

少し前までは違いました。

京都5区にも、

  • 日本維新の会
  • 立憲民主党

などが候補者を立て、少なくとも**「比較する選択肢」**は存在していました。

ところが今回は、それが消えました。

なぜなのか。


見えてくる「合区」という影

背景にあるのは、定数削減による選挙区再編です。

国政では今後、
京都4区と京都5区が合区になる可能性が高い
と見られています。

この場合、人口規模の大きい京都4区に、京都5区が吸収される形になるでしょう。

そうなれば――

  • いずれ消える可能性が高い京都5区に
  • わざわざ候補者を立て
  • 人・金・組織を投入する

その戦略的メリットは極めて小さい

政党がそう判断したとしても、不思議ではありません。


しかし、その結果起きていること

その「合理的判断」の結果、地方で何が起きているのか。

  • 候補者が減る
  • 政策論争が単純化する
  • 有権者は「選べない選挙」に直面する

これは単なる政党戦略の話ではありません。
民主主義の足腰が、地方から静かに削られているという現実です。


選択肢を失う地方、どうなるのか

「どうせ決まっている」
「入れても変わらない」

そう感じる有権者が増えれば、投票率は下がります。
投票率が下がれば、ますます組織票が強くなり、固定化が進みます。

この悪循環の先にあるのは、
選挙はあるが、民意が反映されにくい政治です。

京都5区で起きていることは、決して特別な話ではありません。
これは、全国の地方が直面しつつある未来の縮図です。


最大の争点は「選択肢がないこと」

皮肉な話ですが、今回の京都5区の選挙で、
最も重い争点は政策でも人物でもなく、

「選択肢が奪われていること」そのものではないでしょうか。

地方は、このまま黙って縮んでいくのか。
それとも、「選べる政治」を取り戻そうと声を上げるのか。

京都5区の選挙は、
私たちにその問いを突きつけています。

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