
「京都5区が消えるかもしれない」
この言葉は、もはや危機感を煽るための表現ではありません。
総務省の出した公式データが、京都5区が“制度的に切られやすい位置”にあることをはっきり示しています。
数字で見る現実:京都5区は全国下位クラス
令和5年9月1日現在の
選挙人名簿+在外選挙人名簿登録者数によると、衆議院小選挙区の全国平均は
約36万2,000人
です 京都5区消滅。
では京都5区はどうか。
- 京都5区:232,665人
- 全国平均の 約64%
- 事実上の ワースト3水準
これは、単なる「地方だから少ない」という話ではありません。
制度上、真っ先に是正対象にされる水準です。
1票の格差は「2倍超」目前
同じデータで見ると、
- 最大区(約46万人規模)
- 最小区(約22万人規模)
の差は 約2.03倍 に達しています 京都5区消滅。
最高裁がこれまで示してきた基準では、
- 2倍超:違憲状態
- 3倍前後:違憲
つまり京都5区は、
「次の区割り見直しで必ず俎上に載る側」
にあることが、数字ではっきりしています。
京都府内で見ても、5区だけが突出して少ない
京都府内6選挙区の登録者数を並べると、構造的な歪みが見えます。
- 京都1区:約38.9万人
- 京都4区:約39.2万人
- 京都6区:約45.8万人
- 京都5区:約23.3万人
府内で見ても、
京都5区だけが明らかに人口規模から外れているのです 京都5区消滅。
この状態を国が「放置」できるか。
答えは、ほぼ NO です。
現実的な再編シナリオ:4区の市内票を削って統合
制度的に最も現実味があるのは、
- 京都4区の京都市内人口を一部切り出し
- 人口規模を調整した上で
- 京都5区を4区に統合する
という形です。
これは、
- 合区という言葉を使わずに済む
- 人口バランスを説明しやすい
- 「1票の格差是正」という建前を守れる
官僚・与党にとって最も扱いやすい案です。
しかし、その先にあるのは「北部が勝てない選挙区」
問題は、その先です。
新しい選挙区は、
- 京都市周辺の都市部
- 舞鶴・福知山・宮津・京丹後などの広域地方
を抱える、巨大で不均質な選挙区になります。
選挙で何が重視されるかは明白です。
- 人口の多い地域
- 票が読める都市部
- メディア露出の多いエリア
結果として、
舞鶴や京都府北部の課題は、選挙で勝ちにくいテーマになる
これは政治家の資質の問題ではありません。
制度がそうさせるのです。
データが示すもう一つの現実:減り続ける地方
全国の選挙人名簿登録者数は、前年比で
- 約51万人減少(▲0.49%)
その中でも、地方圏の減少率は都市部より明確に高くなっています 京都5区消滅。
つまり、
- 人口が減る
- 有権者が減る
- 議席が削られる
という負のスパイラルが、制度上も進行しているのです。
これは格差是正ではない。代表制の間引きだ
「1票の格差是正」という言葉は美しく聞こえます。
しかし実態は、
- 格差是正の名の下に
- 人口の少ない地域の議席を削り
- 結果として地方の声を薄める
これは本当に民主主義でしょうか。
私は、こう言わざるを得ません。
これは改革ではない。
静かに、確実に進む“地方の切り捨て”だ。
舞鶴市の未来は、何もしなければ確実に暗くなる
数字は嘘をつきません。
- 京都5区は制度的に不利
- 再編の可能性は現実的
- 影響を最も受けるのは舞鶴と京都府北部
この流れに対し、
- 知らない
- 関係ない
- 決まってから考える
では、間に合いません。
おわりに
京都5区の問題は、選挙区の話にとどまりません。
それは、
舞鶴が、この国の政治で
どこに位置づけられるのか
という、極めて根源的な問いです。
声を上げなければ、
数字だけで「整理」されます。
舞鶴市の未来を暗くしないために、
いま、この問題を直視する必要があります。

