― 情報公開で見えた実績と、25%減少が示す厳しい現実 ―

やばいぜ舞鶴のYouTubeライブ配信で、
「舞鶴カニのブランディングって、本当に価値があるの?」
そんな視聴者の率直な疑問が出ました。

舞鶴市は「舞鶴カニ」を地域ブランドとしてPRし、
イベントや広報、関連事業に公金を使っています。

では、そのブランディングは
実態に見合ったものなのか。
市民のお金を使うだけの合理性があるのか。

感想やイメージではなく、
事実と数字で検証するため
市民オンブズマンまいづるとして
舞鶴市に情報公開請求を行いました。

合わせて同じようなブランディングを実施している舞鶴茶についても調べました。


まず押さえるべき前提

カニ漁船は1年で25%減少している

舞鶴のカニ漁の基盤は、今どうなっているのか。

  • 令和6年度:操業するカニ漁船 4隻
  • 令和7年度:操業するカニ漁船 3隻

わずか1隻の減少ですが、
割合にすると 25%減少 です。

カニ漁のように、
船の数がそのまま生産能力に直結する産業では、
これは極めて大きな変化です。


情報公開で明らかになった実績

※ これは「4隻体制」での数字である

今回の情報公開で、
舞鶴市内のカニの実績として、
次の数字が示されました。

  • 水揚げ量:14,442kg(約14.4トン)
  • 水揚げ高:49,508,070円(約4,950万円)

重要なのは、
この数字が 令和6年度・操業船4隻体制 での実績だという点です。

つまり、
条件が一番良かった年の最大値
と考えるべき数字です。


船が減れば、水揚げも減る

それがカニ漁の現実

カニ漁は、

  • 漁獲枠
  • 出漁日数
  • 船の能力

によって、水揚げ量の上限がほぼ決まります。

したがって、

操業船が4隻から3隻に減れば、
水揚げ量・水揚げ高も
原則として25%程度減少する

と考えるのが、
行政としても、政策評価としても常識です。


令和7年度の合理的な予測

令和6年度の実績を基に、
単純に25%減少すると仮定すれば、

  • 水揚げ量:
    約10.8トン
  • 水揚げ高:
    約3,700万円

程度が、令和7年度の一つの目安になります。

豊漁・不漁で上下はするにしても、
**「減る方向で見る」**のが普通です。


この規模で「ブランド」は成立するのか

ここで、冷静に考えてみてください。

  • 年間水揚げ量:最大でも約14トン
  • 今年はそれよりさらに減少見込み
  • 漁業者数は市が把握していない
  • 将来の増産計画も示されていない

これで、

  • 安定供給はできるのか
  • 市民や観光客が普通に手にできるのか
  • 継続的な評価が形成されるのか

ブランドとして成立しているとは言い難いのではないでしょうか。


全国統計と比べて見える現実

農林水産省の統計(令和4年)によると、

  • 全国のカニ漁獲量:約 19,700トン
  • 京都府全体:約 66トン(全国の0.3%)

舞鶴市の 14.4トン は、
全国的に見れば 極めて小規模です。

しかも、その舞鶴ですら、
今年は25%減少が見込まれる


数字はあるが、戦略が見えない舞鶴市

今回の情報公開で分かったのは、

  • 市は水揚げ量を把握している
  • 市は水揚げ高も把握している
  • しかし、それをどう維持し、どう伸ばすのかの説明はない

という事実です。

さらに、

  • 水揚げ金額は把握しているが非公開
  • 漁業者数は把握していない

この状態で、
ブランド施策の費用対効果をどう検証するのか。

市民には、その説明がなされていません。


本来あるべき順序が逆ではないか

本来、行政がやるべき順序は明確です。

  1. 漁業者を守る
  2. 船と担い手を維持する
  3. 水揚げ量を安定させる
  4. その先にブランドがある

しかし舞鶴市は、

実態が縮小している中で、
ブランドだけを前に出している

ように見えます。

それは、
産業振興ではなく、看板づくりではないでしょうか。


市民としての結論

令和6年度、
操業船4隻で水揚げ量14.4トン、約4,950万円。

そして令和7年度は、
操業船が3隻となり、
25%減少が見込まれる状況です。

この現実を前提にして、
「舞鶴カニのブランディング」は
本当に市民のための施策なのか。

市民には、
それを知り、問い、検証する権利があります。


やばいぜ舞鶴は、これからも数字で追及します

やばいぜ舞鶴/市民オンブズマンまいづるは、

  • ブランド事業にいくら税金が使われているのか
  • その金額は水揚げ規模に見合っているのか
  • 情報非公開は本当に正当なのか

を、引き続き追及していきます。

「やばい」と感じたら、
イメージではなく数字で確かめる。

それが、市民の側から行政を監視するということです。

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