
最近は行政に厳しい意見を述べることが多い私ですが、
今回はあえて「ほめます」。
本当に、舞鶴市農林課の皆さん、よくやっています。
🐻 情報公開請求から見えた誠実な行政姿勢
8月に提出した「有害鳥獣(クマ・サル・イノシシ等)への対応状況」に関する情報公開請求。
これに対して舞鶴市は、約1か月半後の9月22日付で詳細な資料を開示しました。
開示された資料はなんと275ページに及ぶ精密な内容で、
市内でのクマ・サル・イノシシ・シカなどの出没情報が年度別に整理され、
「通報受付日・場所・対応内容・現地確認・関係機関との連携・捕獲措置」まで記録。
その徹底ぶりに、舞鶴市の危機管理能力と情報整理力の高さを感じました。
しかも個人情報部分のみを的確に伏せた“部分開示”で、
情報公開条例の趣旨を正しく理解した、まさに模範的対応でした。
📊 クマ出没データの充実ぶり
資料では、各出没事例に緯度・経度まで明記され、
「どの地点で・いつ・どのような状況で・その後どう動いたか」が明確に記されています。
この情報を地図化すれば、
出没傾向・移動ルート・季節パターンが一目で分かるレベルの精度。
単なる報告ではなく、“安全のための知見”として活用できるデータでした。
✉️ その後の問い合わせと、まさかの“神対応”
内容確認のため、私は11月に農林課へ問い合わせを行いました。
要旨は次のとおりです。
「罠設置後に何頭捕獲できたか」
「捕獲後はどのように処理しているか」
「捕獲が難しい理由や、今後の対策は?」
通常であれば「改めて開示請求を」と返されてもおかしくない内容です。
しかし――農林課は簡潔で誠実な文面で、すべてに回答してくれました。
🧾 回答の概要(令和7年11月6日付)
◆クマ用罠の設置と捕獲実績
| 年度 | 設置件数 | 捕獲頭数 |
|---|---|---|
| 令和7年度(4〜10月) | 10件 | 1頭 |
| 令和6年度 | 12件 | 7頭 |
| 令和5年度 | 5件 | 2頭 |
| 令和4年度 | 10件 | 1頭 |
| 令和3年度 | 4件 | 1頭 |
捕獲後は、中丹三市(舞鶴・綾部・福知山)共同運営の焼却施設で処理とのこと。
🗣 クマ捕獲の難しさと今後の対策
「自然の餌に比べて罠の餌は警戒されるため成功率が低い」
「罠や猟師の不足は現状ではなく、体制は維持されている」
「免許・銃器取得への補助制度で体制強化を継続中」
さらに、捕獲情報を大々的に発信しない理由についてはこう述べています。
「捕獲のニュースについては、安心していただくべき地域住民にお伝えさせていただくところにとどめております。」
この言葉には、“パフォーマンスではなく、地域の安心を第一に”という行政の哲学が表れています。
情報を“出す・出さない”ではなく、“どう伝えるか”に心を配る――まさに誠実な行政対応です。
🌲 市民と行政がつながる瞬間
今回の一連のやり取りで実感したのは、
**「市民が正しく質問し、行政が正しく答える」**という当たり前の関係が、
どれほど信頼を生み出すかということです。
舞鶴市農林課は、
机上対応ではなく現場目線で市民に説明する姿勢を持っていました。
批判するより先に、こういう誠実な対応をしっかり称えたい。
💬 結びに
舞鶴市の有害鳥獣対策は、
データでも現場でも“真剣に取り組んでいる”ことが伝わります。
クマは出ても、舞鶴市は逃げない。
この一言に尽きます。
市民と行政が信頼でつながる街――
その姿勢に、心から拍手を送りたいと思います。

