内部犯行疑惑と杜撰な調査対応を追う


1. 事件の概要

2021年7月、舞鶴市東消防署で発生した「金庫の紛失」事件。
現金約35万円、複数の予備鍵、カード類が入った手提げ金庫が庁舎内から消失しました。
市民オンブズマンまいづる(森本隆)が2025年7月24日に行った情報公開請求に対し、舞鶴市が開示した文書と「不存在」回答をもとに、この事件の全貌と問題点を検証します。


2. 情報公開請求の内容(原文引用)

令和3年7月21日に発表された「東消防署における金庫の紛失」事案について、事件の発生経緯、対応、調査、職員処分、再発防止策等の全容を明らかにするため、関係文書の公開を求めます。
【請求内容】庁内報告書、内部調査報告書、事実確認書、被害届写し、金庫仕様・保管方法マニュアル、関係職員名、聞き取り記録、市の対応記録、再発防止策、他消防署調査、人事措置記録、警察からの通知、事件総括、内部調査会議記録


3. 舞鶴市の回答と開示文書

(1)不存在決定の内容

  • 被害届は受理されず、口頭相談として届け出。
  • 金庫保管マニュアル不存在。
  • 職員への聞き取り記録は警察へ提出済みで市に不存在。
  • 対応記録未作成。
  • 他消防署の実態調査未実施。
  • 人事措置なし。
  • 警察からの通知なし。
  • 総括報告未作成。
  • 内部調査会議未実施

(2)開示された文書

  • ほう・れん・そう票(令和3年7月21日付)
  • 舞鶴市News Release(同日)
  • 市議会議長報告(令和4年2月17日)

市議会議長報告の概要

  • 発生日時:2021年7月20日13時40分頃
  • 発生場所:東消防署2階事務室
  • 紛失物:手提げ金庫(現金353,000円、予備鍵数本、カード類)
  • 状況:施錠された保管庫から消失、警察捜査中
  • 再発防止策:現金管理廃止、施錠強化、管理職による鍵管理など

4. 問題点の整理

4-1. 被害届未受理の不可解さ

「盗難の可能性がある」としていながら、正式な被害届を出さず「口頭相談」にとどめた理由が不明。

4-2. 内部調査記録の不存在

警察に提出したため市には残っていないと説明。しかし本来は写しを保管し、市独自の調査資料とすべき。

4-3. 独自調査・原因究明を放棄

他消防署の管理実態調査も未実施、内部調査会議も開かれず。原因究明より形式的な対応に終始。

4-4. 市民への説明責任を果たしていない

事件から4年経過しても総括・最終報告なし。情報公開請求がなければ事実は埋もれていた可能性大。

4-5. 責任追及の欠如

管理責任者や関係者への懲戒処分なし。危機管理体制に重大な欠陥。


5. 市民目線での結論

この事件は「金庫が消えた」という重大な庁舎内不祥事にもかかわらず、
市が主体的な調査も責任追及も行わず、説明責任を果たしていないことが最大の問題です。

形式的な「再発防止策」の羅列では市民の信頼回復は不可能であり、
むしろ「内部犯行の可能性を曖昧にしたまま幕引きしたのではないか」という疑念を深めています。


6. 今後の必要な対応

  • 被害届未受理の経緯説明と、改めて正式な届け出の検討
  • 内部調査記録の復元・保管体制の構築
  • 他消防署含む現金管理体制の全市的点検
  • 市民向けの事件総括と説明会開催

📌 本件は、引き続き調査を継続します。
舞鶴市の危機管理のあり方が根本から問われる問題であり、市民の知る権利のために追跡します。

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