
舞鶴市は、開設20周年を迎えた舞鶴市農業公園「ふるるファーム」に、総額2,000万円をかけてビュースポットデッキやベンチ、アクアポニックス栽培ユニットを整備しようとしています。
辺地債や京都府支出金を活用するため、舞鶴市の直接負担は少ないと考えられます。しかし、市の負担が少なければ、必要性の低い事業に税金を使ってよいわけではありません。
開設から20年。目新しい設備を追加する前に、これまでの公費投入額や経営状況、農業振興への効果、施設そのものの存在意義を検証すべきです。
無駄、無駄、無駄。
今回のふるるファーム関連予算を調べれば調べるほど、私には、必要でもない設備に無理やり理由をつけて予算を付けているようにしか見えません。
舞鶴市は、舞鶴市農業公園の開設20周年を契機として、総額2,000万円を投じ、次の整備を計画しています。
- ビュースポットデッキの設計・設置
- 京都府内産木材を使用したベンチなどの製作
- アクアポニックス栽培ユニットの導入
舞鶴市は、これらによって農業と自然への親しみや学びを育む「さらなる体験価値」を提供すると説明しています。
しかし、言葉をきれいに飾れば、必要性まで生まれるわけではありません。
なぜ今、ふるるファームにアクアポニックスが必要なのでしょうか。
交流いちご園にアクアポニックスを導入
アクアポニックスとは、魚の養殖と水耕栽培を組み合わせた循環型農業です。
魚の排せつ物を微生物が植物の栄養分に変え、その栄養を植物が吸収することで水が浄化され、再び魚の水槽へ戻されます。
環境教育や農業体験の教材として、アクアポニックスそのものに一定の価値があることは否定しません。
しかし、今回問うているのは、
アクアポニックスが先進的かどうかではなく、ふるるファームに本当に必要なのか
ということです。
今回の計画では、交流いちご園のガラス温室にアクアポニックス栽培ユニットを導入するとされています。
ところが、少なくとも公開されている説明だけでは、具体的な運営計画や費用対効果が見えてきません。
導入後、誰が管理するのか
アクアポニックスは、設備を購入して設置すれば終わりではありません。
魚と植物という生き物を扱う以上、継続した管理が必要です。
舞鶴市は、少なくとも次の点を明らかにすべきです。
- どのような魚を飼育するのか
- どのような作物を栽培するのか
- 既存のいちご園とどのように連携させるのか
- 魚の飼育や水質管理を誰が担当するのか
- 担当者に必要な専門知識や技術はあるのか
- 年間の電気代、餌代、消耗品費はいくらか
- 設備の保守点検や修繕費はいくらか
- 夏と冬の水温管理をどうするのか
- 魚の病気や大量死にどう対応するのか
- 年間何人の見学者や体験参加者を見込むのか
- 収穫物や魚を販売して収益につなげるのか
- 何をもって事業の成功と判断するのか
こうした計画が曖昧なまま導入すれば、最初だけ話題になり、数年後には使われなくなる「行政あるある設備」になりかねません。
目新しい設備を造ることは簡単です。
難しいのは、継続して使い、成果を出し、維持費まで回収することです。
総額2,000万円の記念事業
今回の事業費は、アクアポニックスだけで2,000万円という意味ではありません。
総額2,000万円の中に、ビュースポットデッキ、ベンチ、アクアポニックス栽培ユニットが含まれています。
このうち、ビュースポットデッキ関連事業の委託上限額は税込み1,700万円です。
舞鶴市は、大浦地域の緑や田畑、海、冠島を望めるビュースポットデッキを整備し、「フォトジェニック」な魅力による情報発信を狙っています。
簡単に言えば、SNS映えを狙った展望デッキです。
そこに京都府内産木材のベンチと、循環型農業をうたうアクアポニックスを加え、全体を「さらなる体験価値」としてまとめています。
しかし、一つひとつを見ると、どれも今すぐ必要な設備とは思えません。
20周年だから何かを造る。
使える財源があるから予算を付ける。
「SNS映え」「循環型農業」「体験価値」という聞こえのよい言葉を並べる。
それで総額2,000万円です。
これは本当に、今の舞鶴市が優先して取り組むべき事業なのでしょうか。
「府のお金だから」は理由にならない
今回の事業には、辺地債や京都府支出金などが財源として使われています。
そのため、舞鶴市の直接的な持ち出しは、総事業費に比べて少ないと考えられます。
しかし、市の持ち出しが少ないからといって、必要性の乏しい事業に税金を使ってよいことにはなりません。
辺地債も、京都府支出金も、空から降ってくる無料のお金ではありません。
最終的には、国民や府民が負担する税金です。
財源の出どころが変わっても、無駄な事業が必要な事業に変身するわけではありません。
本来は、必要な事業が先にあり、その実現のために財源を探すべきです。
ところが行政では、ときどき順序が逆になります。
「使える補助制度がある」
「有利な起債が使える」
「市の負担が少なくて済む」
その結果、必要性の低い事業が生み出されます。
市の負担が少ないことは、無駄遣いの免罪符にはなりません。
造った後の負担は舞鶴市に残る
整備するときに補助金や有利な財源が使えても、完成後の設備は消えてなくなりません。
ビュースポットデッキには、清掃、点検、塗装、補修、将来の更新が必要です。
ベンチも劣化します。
アクアポニックスには、電気代、餌代、水質管理費、消耗品費、機器の修繕費がかかります。
魚や植物を扱うため、日常的な管理も欠かせません。
導入費だけを見て「市の負担は少ない」と説明しても、維持管理費や将来の修繕費まで補助されるとは限りません。
造るときは国や京都府のお金。
維持するときは舞鶴市のお金。
そして、利用されなくなっても撤去するまでは舞鶴市の財産です。
このような設備を増やし続ければ、将来の市民に新たな負担を残すことになります。
開設20周年は、総点検の節目ではないのか
ふるるファームは、「株式会社農業法人ふるる」が運営する舞鶴市農業公園です。
正社員6名、パート・アルバイト約35名が働いており、地域にとって大切な雇用の場であることは理解しています。
私は、ふるるファームの雇用や地域で果たしてきた役割まで否定するつもりはありません。
しかし、雇用があることと、公費を投入し続けることは別問題です。
開設から20年が経過したのであれば、新しい設備を追加する前に、これまでの成果を検証すべきではないでしょうか。
- これまで舞鶴市が投入した公費の総額
- 年間来場者数の推移
- 売上や収支の推移
- 舞鶴産農産物の販売実績
- 市内農家の所得向上への効果
- 雇用の内容と待遇
- 指定管理料や施設維持費
- 運営会社の経営状況
- 市の支援がなくても事業を継続できるのか
- 市民の負担に見合う公共的な成果があるのか
20周年は、単にお祝いして新しい設備を造る節目ではありません。
農業公園として何を実現できたのか、今後も税金で支え続ける必要があるのかを総点検する節目です。
ビュースポットもアクアポニックスも優先順位が低い
舞鶴市では、道路、上下水道、公共施設などの老朽化が進んでいます。
市民の暮らしに直接関わるインフラの修繕や更新には、今後さらに多くの予算が必要になります。
市内の建設業者や設備業者を守り、地域でインフラを維持できる体制を残すことも急務です。
そのような状況で、なぜ今、
- SNS映えを狙った展望デッキ
- 新しいベンチ
- アクアポニックス栽培ユニット
なのでしょうか。
本当に必要な道路補修や上下水道の更新を後回しにしながら、「体験価値」という抽象的な言葉に2,000万円を投じる。
私には、税金の使い方の優先順位が完全に間違っているように思えます。
問題はアクアポニックスそのものではない
繰り返しますが、アクアポニックスという技術そのものを否定しているわけではありません。
民間事業者が市場性や採算性を判断し、自らの資金と責任で導入するのであれば、挑戦する価値はあるでしょう。
学校教育や研究施設で、明確な学習目的と継続的な管理体制を整えて導入することにも意味があります。
しかし、今回のふるるファームへの導入については、
誰のために、何を目的として、どれだけの効果を生み、誰が継続的に管理するのか
が見えてきません。
「魚と共生する循環型農業」という説明だけで、税金を投入する理由にはなりません。
必要性、費用、維持管理体制、成果目標を数字で示すべきです。
無駄・無駄・無駄な税金の使い方
ビュースポットデッキに1,700万円規模。
そこにベンチとアクアポニックスを加えて、総額2,000万円。
市の直接負担が少ないから。
20周年だから。
体験価値が高まるから。
SNSで情報発信できるから。
循環型農業について学べるから。
行政はいくらでも理由を並べられます。
しかし、聞こえのよい言葉を取り除いた後に、具体的な必要性と成果が残るでしょうか。
市民が問うべきなのは、「どの財源を使うのか」だけではありません。
そもそも税金を使ってまで造る必要があるのか。
舞鶴市の持ち出しが少なくても、無駄は無駄です。
アクアポニックスを導入する前に、ふるるファームの20年間の成果と存在意義を検証する。
新しい設備を増やす前に、道路や上下水道など、市民生活に欠かせないものを守る。
それが、本来の税金の使い方ではないでしょうか。
ふるるファームにアクアポニックスは、本当に必要なのか。
総額2,000万円を使う根拠と、導入後の費用、運営体制、具体的な成果目標を徹底的に調査します。

