この記事の要約

北陸新幹線の敦賀―新大阪間について、与党整備委員会は2026年7月15日、「小浜・京都ルート」の桂川案を採用しました。これにより、舞鶴ルートは選ばれませんでした。

舞鶴市は2026年度予算に、北陸新幹線舞鶴ルートの誘致に向けた要望活動や機運醸成などの経費として300万円を計上しています。

しかし、鴨田市長は決定前日の7月14日の時点で、最終候補が桂川案、南北案、米原ルートの3案に絞られ、舞鶴ルートが含まれていないことを認識していました。

それにもかかわらず、東京で要望活動を行い、今後も舞鶴ルートの主張を続けると表明しています。

市民の税金を使った以上、「頑張った」で終わらせるのではなく、実際にいくら使ったのか、なぜ失敗したのか、誰が判断したのかを明らかにする必要があります。

北陸新幹線の延伸ルートは「桂川案」に決定

2026年7月15日、自民党と日本維新の会による与党整備委員会は、北陸新幹線の敦賀―新大阪間の延伸ルートについて、福井県小浜市を経由し、JR桂川駅付近の地下に新駅を設ける「小浜・京都ルート」の桂川案を採用しました。

これまで再検討されてきた8つのルート案の中には、舞鶴市を経由する2つの案も含まれていました。

しかし、最終的に選ばれたのは桂川案です。

舞鶴ルートは採用されませんでした。

言葉を濁す必要はありません。

北陸新幹線舞鶴ルートの誘致活動は、今回のルート選定では結果を出せなかったのです。

舞鶴市は誘致活動に300万円を予算計上

舞鶴市は2026年度、「北陸新幹線の舞鶴誘致に向けた要望活動及び機運醸成」を行う事業を予算化しました。

市の事業資料には、決起大会の開催、市内外への情報発信、関係機関への要望活動などが掲げられています。

その予算額が300万円です。

ここで注意しなければならないのは、予算額300万円と、実際に支出された金額は同じとは限らないということです。

現時点で私が確認しなければならないのは、次の内容です。

  • 300万円のうち、実際にいくら執行されたのか
  • 設立総会や講演会にいくら使ったのか
  • 横断幕、バッジ、チラシなどにいくら使ったのか
  • 東京や京都府への要望活動にいくら使ったのか
  • 市長や職員の旅費はいくらだったのか
  • 職員が誘致活動に費やした人件費はどれくらいなのか
  • 北陸新幹線舞鶴誘致促進会議へ、市がどのような負担をしたのか

予算が300万円だからといって、支出が300万円で終わるとは限りません。

職員の人件費、公用車、印刷、施設使用、広報など、表面に見えにくい行政コストもあります。

まずは、誘致活動に使われた費用の全体像を明らかにする必要があります。

市・市議会・商工会議所が「オール舞鶴」で推進

舞鶴市、舞鶴市議会、舞鶴商工会議所は連携し、2026年4月に「北陸新幹線舞鶴誘致促進会議」を設立しました。

舞鶴市は、新幹線の誘致によって、

  • 交通利便性の向上
  • 観光振興
  • 企業立地
  • ビジネスチャンスの拡大
  • 若者の定住
  • 地方創生

などにつながると説明していました。

4月の設立総会には約350人が集まり、その後、サポーターは1000人を超えたとされています。

横断幕を公共施設などへ設置し、啓発バッジを配布し、市民の機運を盛り上げる活動も行われました。

しかし、新幹線のルートを決めるのは舞鶴市民ではありません。

国の与党整備委員会です。

舞鶴市内で横断幕を掲げ、市民向けの講演会を開き、サポーターを増やすことが、国のルート選定にどれほど影響したのでしょうか。

ここは冷静に検証しなければなりません。

7月10日には桂川案が最有力と報道されていた

7月10日に開かれた与党整備委員会では、自民党と日本維新の会の双方が桂川案を提示しました。

この時点で、桂川案が最有力であり、7月15日の会合でルートを決定する方針が報じられていました。

さらに7月13日には、小浜・京都ルートを軸に詰めの調整へ入ったと報じられています。

つまり、決定直前になって突然、舞鶴ルートが外されたわけではありません。

少なくとも7月10日の段階で、桂川案が極めて有力であることは、一般市民でも報道を通じて知ることができました。

当然、舞鶴市長や市役所には、一般市民よりも詳しい政治情報が入っていたはずです。

鴨田市長は舞鶴ルートが最終3案にないことを知っていた

決定前日の7月14日、鴨田市長は京丹後市長とともに国会議員や国土交通省鉄道局を訪れ、舞鶴ルートの実現を求める要望書を提出しました。

47市町村長の名前が明記された要望書だったと説明されています。

しかし、同じ日に鴨田市長が投稿した文章には、極めて重要な記述があります。

市長は、翌日の与党整備委員会について、

「桂川案と南北案、米原ルートの3案に実質絞り込み」

と書いています。

つまり、7月14日に東京へ要望に行った時点で、舞鶴ルートが最終候補の3案に入っていないことを、市長自身が認識していたことになります。

それでは聞きたい。

最終候補から外れていると知りながら、何のために東京へ行ったのでしょうか。

本当に逆転採用を目指す要望だったのでしょうか。

それとも、誘致失敗後に、

「最後まで頑張りました」

「できることはすべてやりました」

と説明するための活動だったのでしょうか。

前日の市役所SNSは、あまりにも前向きな発信だった

舞鶴市役所は7月14日の要望活動について、SNSで大きく発信しました。

国会議員からは、

「舞鶴ルートの意義や地元の思いは十分理解している」

国土交通省鉄道局からは、

「地域の方々の思いが非常に強いことは承知している」

「今後も応援させていただく」

「引き続き要望活動をしていただきたい」

という回答があったと紹介しました。舞鶴市役所による要望活動の投稿自体も確認できます。

この投稿だけを読めば、市民は、

「国も舞鶴ルートを応援している」

「まだ舞鶴ルートには可能性がある」

「市長の要望活動が成果を上げた」

と受け取るかもしれません。

しかし、翌朝には桂川案が採用されました。

国会議員も国土交通省も、

  • 舞鶴ルートを採用する
  • 舞鶴ルートを支持する
  • 桂川案に反対する
  • ルート決定を延期する

とは言っていません。

「思いは理解している」

「熱意は承知している」

という回答は、舞鶴ルートへの支持表明ではなく、要望を受け取ったという趣旨だった可能性があります。

それを、炎の絵文字や新幹線の絵文字を使い、前向きな成果のように発信したことは適切だったのでしょうか。

長文の市長投稿に欠けている「なぜ負けたのか」

鴨田市長の7月14日の投稿には、これまでの誘致活動が詳しく書かれていました。

  • 舞鶴ルートが8案に入った
  • キックオフミーティングを開催した
  • 誘致促進会議を設立した
  • 約350人が集まった
  • サポーターが1000人を超えた
  • 京都府へ要望した
  • 京都北部の市町から賛同を得た
  • 47市町村長の賛同を得た
  • 横断幕や啓発バッジで機運を盛り上げた

非常に長い投稿です。

ところが、一番重要な説明がありません。

なぜ、舞鶴ルートは最終候補に残れなかったのでしょうか。

これだけの活動を行い、47市町村長から賛同を得ながら、なぜ選ばれなかったのでしょうか。

舞鶴市の戦略の何が足りなかったのでしょうか。

国や与党内の情勢を、誰がどのように分析していたのでしょうか。

誰が「舞鶴ルートには勝算がある」と判断したのでしょうか。

結果が出なかった以上、成果だけでなく、敗因の分析が必要です。

「私たちの活動の成果」は本当なのか

鴨田市長は、舞鶴ルート2案を含む8案が再検討されることになったことを、

「私たちの活動の成果でした」

と評価しています。

しかし、これは市長自身の評価です。

舞鶴市の公式説明では、2025年12月に与党整備委員会が舞鶴ルート2案を含む8案の再検討を決め、それを受けて舞鶴市が誘致活動を再始動したとされています。

時系列を見ると、

舞鶴ルートが8案に入ったため、本格的な市民向け誘致活動を始めた

とも読めます。

それを、

市の誘致活動によって8案に入った

と評価するのであれば、その因果関係を示す資料が必要です。

どの要望活動が、誰に働きかけ、与党の判断をどのように変えたのか。

客観的な根拠を示さなければなりません。

市長は早くも責任を維新や与党へ向けている

鴨田市長は投稿の後半で、与党整備委員会の議論について、

  • 密室で議論された
  • 議論が可視化されなかった
  • B/Cの資料が紙切れ数枚程度だった
  • 舞鶴市や亀岡市がヒアリングに呼ばれなかった
  • 維新らしい透明性がなかった

と批判しています。

議論の透明性を求めること自体は正しいと思います。

舞鶴市がヒアリングを求めながら、最後まで呼ばれなかったことも検証すべきです。

しかし、与党や維新の進め方に問題があったとしても、舞鶴市側の責任がなくなるわけではありません。

失敗の原因を、

「密室で決められたから」

「維新が話を聞かなかったから」

「京都府が舞鶴ルートを支持しなかったから」

と、外部だけに求めてはいけません。

舞鶴市自身の情報収集、政治的な働きかけ、費用対効果の分析、誘致戦略も検証する必要があります。

私は以前から横断幕では決まらないと指摘してきた

私はこれまで、舞鶴市内で横断幕を掲げ、市民向けにPRするだけでは、新幹線のルートは変わらないと指摘してきました。

舞鶴市内で「新幹線を舞鶴へ」と訴えても、ルートを決定する国会議員や与党整備委員会には届きません。

本気でルート変更を目指すなら、国会議員、国土交通省、JR西日本、京都府、関係自治体などに対し、もっと早い段階から具体的な働きかけが必要だったはずです。

また、舞鶴ルートの建設費、所要時間、費用対効果、利用者数、並行在来線、京都府の財政負担などについて、市民へ客観的な情報を示す必要もありました。

メリットだけを並べ、サポーターを増やすことが誘致戦略ではありません。

実現可能性を冷静に分析することこそ、行政の仕事です。

「諦めない」は、さらに税金を使うという意味なのか

鴨田市長は投稿の最後で、

「今後を見据え、諦めることなく舞鶴ルートの主張を続けます」

と宣言しています。

ここは見過ごせません。

桂川案が採用された後も、舞鶴市は誘致活動を続けるのでしょうか。

  • 誘致促進会議を存続させるのか
  • サポーター募集を続けるのか
  • 横断幕を掲げ続けるのか
  • 東京への要望活動を続けるのか
  • 講演会を開くのか
  • 来年度も予算を計上するのか

市長個人が政治的な信念として舞鶴ルートを主張する自由はあります。

しかし、実現可能性が大きく低下した活動へ、市民の税金を投入し続けることは別問題です。

活動を続けるのであれば、

  • 具体的な目標
  • 活動期限
  • 必要な予算
  • 成功の判断基準
  • 撤退する基準

を明確にすべきです。

「諦めない」という精神論だけで、税金を使い続けることは認められません。

300万円は本当に必要な支出だったのか

300万円は、舞鶴市全体の予算から見れば小さな金額だと言う人もいるでしょう。

しかし、税金に小さいも大きいもありません。

300万円あれば、老朽化した道路の小規模修繕や、カーブミラー、区画線、防災設備、通学路の安全対策など、市民生活に直結する事業に使えます。

しかも今回の問題は、単に300万円という金額だけではありません。

実現可能性をどこまで検討し、どのような根拠で予算を使ったのかという、行政の意思決定の問題です。

結果が出なかった政策を検証せず、

「地域の機運が高まった」

「47市町村の賛同を得た」

「1000人のサポーターが集まった」

という過程だけで評価してはいけません。

行政の政策は、イベントの参加人数を競うものではありません。

市民の税金を使い、具体的な結果を出すために行うものです。

誰が責任を負うのか

今回の舞鶴ルート誘致は、鴨田市長だけが進めたものではありません。

舞鶴市、舞鶴市議会、舞鶴商工会議所が一体となって推進しました。

それならば、説明責任を負うのもこの三者です。

特に確認すべきなのは、次の点です。

鴨田市長

誘致活動の最高責任者として、どのような情報と根拠に基づき、勝算があると判断したのか。

舞鶴市議会

300万円を含む予算を審議し、認めた市議会は、実現可能性や費用対効果をどこまで検証したのか。

舞鶴商工会議所

経済界として舞鶴ルートを推進した根拠や、地域経済への効果をどのように分析していたのか。

誘致を推進した市議会議員

市長と一緒になって旗を振るだけではなく、行政の支出をチェックする議員として、適切な役割を果たしたのか。

市長と市議会が一緒になって誘致を進め、失敗後は誰も検証しないのであれば、二元代表制は機能していません。

市議会は市長の応援団ではありません。

行政の判断と税金の使い方を監視する機関です。

情報公開請求で明らかにすべき資料

私は今後、舞鶴ルート誘致について、少なくとも次の資料を確認する必要があると考えています。

  • 2026年度誘致予算300万円の執行状況
  • すべての支出明細、請求書、領収書
  • 講演会や設立総会にかかった費用
  • 横断幕、バッジ、印刷物の作成費
  • 市長、副市長、職員の出張命令書
  • 旅費、宿泊費、交通費
  • 国会議員や国土交通省との面談記録
  • 面談後に作成した復命書
  • 要望活動に同行した職員の人数
  • 誘致戦略を検討した庁内会議の記録
  • 京都府や国から得ていた情報
  • SNS投稿の作成者と決裁過程
  • 北陸新幹線舞鶴誘致促進会議の収支
  • 市、市議会、商工会議所の費用負担
  • 今後の誘致活動に関する方針

「応援してもらった」「思いを理解してもらった」という発表だけでは不十分です。

誰が、いつ、何を言ったのか。

舞鶴市側は、その発言をどのように受け止め、どのような判断をしたのか。

記録を公開してもらう必要があります。

頑張ったから責任はない、では済まされない

政治や行政の世界では、政策が失敗すると、

「最後まで努力した」

「地元の思いは届けた」

「機運を高めることができた」

という言葉で終わらせようとすることがあります。

しかし、民間企業で300万円を使ってプロジェクトを進め、結果が出なければ、必ず検証します。

なぜ失敗したのか。

判断は正しかったのか。

支出は適切だったのか。

途中で撤退する機会はなかったのか。

次に同じ失敗を繰り返さないため、何を改善するのか。

税金を扱う行政であれば、民間企業以上に厳しい検証が必要です。

頑張ったことと、責任を負うことは別です。

一生懸命活動したからといって、政策判断の責任がなくなるわけではありません。

舞鶴市はまず負けを認めるべき

舞鶴市が最初にすべきことは、さらに誘致活動を続けることではありません。

まず、今回のルート選定で舞鶴ルートが採用されなかったという結果を認めることです。

そのうえで、

  1. いくら使ったのか
  2. 何を行ったのか
  3. なぜ選ばれなかったのか
  4. 誰がどのような判断をしたのか
  5. 今後も活動を続けるのか
  6. 続ける場合は、いくら使うのか

を市民へ説明すべきです。

失敗を認めず、検証もしないまま、

「まだ終わっていない」

「諦めずに続ける」

と言って税金を投入し続ければ、同じことを繰り返します。

私は徹底的に調査します

私は、舞鶴ルートが選ばれなかったことだけを問題にしているのではありません。

政策には成功も失敗もあります。

挑戦した結果、実現できないこともあります。

しかし、失敗したときに検証せず、責任の所在を曖昧にし、市民の税金を使った事実まで「頑張った」という言葉で包み込むことは認められません。

私は以前から、舞鶴市内で横断幕を掲げるようなPR中心の誘致活動では、国のルート決定を変えることは難しいと指摘してきました。

今回の結果は、予測できなかったものではありません。

だからこそ、私は徹底的に調査します。

誘致活動にいくら使ったのか。

誰が戦略を決めたのか。

市長や市議会はどのような情報を持っていたのか。

なぜ、舞鶴ルートが最終候補から外れた後も、東京へ要望に行ったのか。

そして、これからも税金を使い続けるつもりなのか。

市民の税金を使った以上、舞鶴市、市議会、商工会議所には説明責任があります。

「頑張りました」で終わらせません。

舞鶴ルート誘致費用300万円は何だったのか。

徹底的に追及していきます。

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