
北陸新幹線の敦賀―新大阪間をめぐり、舞鶴ルートが極めて厳しい状況となりました。
2026年7月10日に開かれた自民党と日本維新の会による与党整備委員会では、再検証されていた8つのルート案から、次の3案に議論が絞られました。
・小浜・京都ルートの「桂川案」
・小浜・京都ルートの「京都駅南北案」
・米原ルート
舞鶴を経由するルートは、最終的な3案に残りませんでした。
しかも、自民党と日本維新の会の双方が提案したのは「桂川案」です。正式決定前ではありますが、舞鶴ルートは事実上、最終候補から外れたと考えざるを得ません。
この記事の要点
今回の結果は、誰にも予測できなかった突然の出来事ではありません。
私は以前から、舞鶴ルート誘致の実現可能性には大きな疑問があり、舞鶴市内で横断幕を掲げたり、市民向けに講演会を開いたりするだけではルート決定に影響を与えられないと訴えてきました。
それでも舞鶴市、市議会、舞鶴商工会議所は、実現可能性や国政の情勢を市民に十分説明しないまま、誘致活動を進めました。
問題は、結果が出なかったことだけではありません。
事前に予見できた失敗について、市民からの警告を無視し、税金と行政組織を投入したことです。
だから私は、今回の誘致活動について徹底的に責任を追及します。
これは「結果論」ではない
舞鶴ルートが最終候補から外れた後になって、私は批判しているのではありません。
私は以前から、舞鶴市が行っている誘致活動の方法と実現可能性に疑問を示してきました。
国や与党の議論がどこまで進んでいるのか。
舞鶴ルートを本気で支持する有力な国会議員は誰なのか。
与党整備委員会に舞鶴ルートを推す勢力がどれだけ存在するのか。
京都府や沿線自治体の合意を得られているのか。
建設費や費用対効果について、どのような裏付けがあるのか。
こうした基本的な条件を見れば、舞鶴ルートの実現が極めて厳しいことは、十分に予測できたはずです。
にもかかわらず、舞鶴市は「重要なタイミングを逃さず、誘致活動を再始動する」と発表し、市、市議会、商工会議所が一体となって誘致促進会議を設立しました。
これは、誰にも予測できなかった失敗ではありません。
予測できる失敗に向かって、税金を使いながら突き進んだ可能性があるのです。
私は事前に警告していた
私は、舞鶴市内の小学校などに新幹線誘致の横断幕を掲げることに疑問を呈してきました。
舞鶴市民に向かって「新幹線を舞鶴へ」と訴えても、ルートを決めるのは舞鶴市民ではありません。
本当に働きかけるべき相手は、東京にいる与党整備委員、国会議員、国土交通省、鉄道・運輸機構、JR西日本などです。
横断幕を舞鶴市内に掲げるのであれば、霞が関や永田町、東京駅周辺で国会議員や国の関係者に向けて掲げる方が、まだ誘致活動として筋が通っています。
私は、誘致を進める市長、市議会議長、商工会議所会頭、推進議員に対し、本気で実現させたいのであれば、東京へ行って自ら働きかけるべきだと訴えてきました。
しかも、単なる政治的なパフォーマンスではなく、必要なら自腹でも東京へ行き、国会議員や関係者を説得するほどの覚悟を見せるべきだと申し上げました。
しかし、市民に見える活動の中心は、舞鶴市内での講演会、横断幕、ポスター、決起集会などでした。
その結果、舞鶴ルートは最終的な3案に残りませんでした。
これは、私が後から言い出したことではありません。
私は結果が出る前から、誘致活動の方向が間違っていると警告していました。
警告を無視した責任は重い
行政には、政策を進める前に実現可能性を検証する責任があります。
成功する可能性が低い事業であっても、十分な根拠があり、市民にリスクを説明したうえで挑戦するのであれば、一つの政治判断として理解できます。
しかし、実現可能性が低いことを市民に説明せず、成功するかのような期待だけを広げ、税金を使って機運を演出していたのであれば問題です。
さらに、市民から具体的な疑問や警告が出ていたにもかかわらず、それを無視して進めたのであれば、責任はより重くなります。
市民の意見を聞かず、自分たちに都合のよい話だけを集めて進めたのではないか。
反対意見や慎重な意見を、地域の発展に反対する声として排除しなかったか。
実現可能性よりも、「新幹線誘致に取り組んでいる」という政治的な実績づくりを優先しなかったか。
徹底的な検証が必要です。
誰が誘致を決めたのか
北陸新幹線舞鶴誘致促進会議は、舞鶴市、舞鶴市議会、舞鶴商工会議所が連携して設立した組織です。舞鶴市は、交通利便性、観光振興、企業立地、若者の定住、安全保障などを舞鶴ルートの効果として掲げてきました。
また、舞鶴市議会は2025年6月30日、小浜・京都ルートを見直し、京都府北部ルートを再考するよう求める決議を賛成多数で可決しました。
つまり、誘致を主導した責任は明確です。
第一に、促進会議の会長である舞鶴市長。
第二に、副会長である舞鶴市議会議長。
第三に、同じく副会長である舞鶴商工会議所会頭。
そして、誘致決議に賛成し、活動を推進した市議会議員です。
誘致を宣伝するときには前に並び、結果が出なかったときには「国が決めたことだから仕方がない」で済ませることは許されません。
国が決定権を持っていることは、最初から分かっていたことです。
その国を動かす勝算があると判断して誘致を始めたのであれば、判断の根拠を示すべきです。
勝算がないと分かっていながら始めたのであれば、さらに重大な問題です。
責任の所在を明らかにする質問
私は、次の点を明らかにする必要があると考えます。
1.誰が舞鶴ルート誘致の再始動を決定したのか
市長の単独判断なのか。
市役所内部でどのような協議を行ったのか。
市議会議長や商工会議所会頭とは、いつ、どこで、何を話し合ったのか。
意思決定に関する会議録や資料は残っているのか。
2.実現可能性をどのように検証したのか
舞鶴ルートを支持する国会議員は何人いたのか。
与党整備委員会の中に、舞鶴ルートを推す委員はいたのか。
国土交通省やJR西日本から、どのような見解を得ていたのか。
京都府や沿線自治体との合意形成はできていたのか。
採用される確率をどの程度と判断していたのか。
3.誰に、何回、どのような要望を行ったのか
国会議員への要望回数。
国土交通省への要望回数。
与党整備委員への面会実績。
JR西日本や鉄道・運輸機構との協議内容。
東京や京都への出張記録。
要望書を渡しただけなのか、具体的な政治交渉を行ったのか。
4.税金をいくら使ったのか
講演会の開催費。
講師への謝礼と旅費。
会場費。
横断幕やポスターなどの製作費。
動画や広報物の製作費。
新聞広告などの広報費。
市長、市職員、市議会関係者の出張費。
政策アドバイザーやコンサルタントへの支出。
担当職員の人件費を含む行政コスト。
すべて合計して市民に公開すべきです。
5.誰が警告を検討し、誰が無視したのか
舞鶴ルートの実現可能性に対する慎重な意見は、市役所内部に存在しなかったのか。
市民からの反対意見や疑問は、どのように扱われたのか。
私が発信してきた問題提起を、担当部署や市長は確認していたのか。
確認していたのであれば、どのように検討したのか。
検討せずに無視したのであれば、なぜ無視したのか。
「残念だった」では終わらせない
舞鶴市は今後、おそらく次のような説明をするでしょう。
「舞鶴ルートの重要性を訴えることには意義があった」
「舞鶴の可能性を全国へ発信できた」
「市民の機運を高めることができた」
「今後も日本海国土軸の実現に向けて活動する」
しかし、このような抽象的な言葉だけで終わらせてはいけません。
重要なのは、舞鶴市民の税金と行政組織を使って、何を達成したのかです。
どの国会議員の考えを変えたのか。
どのルート案に舞鶴の主張が反映されたのか。
国の検討過程にどのような影響を与えたのか。
具体的な成果がなければ、「意義があった」という自己評価だけでは説明になりません。
失敗よりも、失敗を検証しないことが問題
政策には失敗があります。
すべての誘致や提案が成功するわけではありません。
しかし、今回の問題は、予見できた失敗であった可能性が高いことです。
さらに問題なのは、事前に警告する声があったにもかかわらず、それを検討せず、税金を使って突き進んだ可能性があることです。
失敗したこと以上に、失敗の原因を検証せず、誰も責任を取らず、何事もなかったように次の事業へ進むことが問題です。
舞鶴市では、成功したように見える事業は大きく宣伝されます。
しかし、成果が出なかった事業については、いつの間にか話題にされなくなります。
これでは行政の失敗が蓄積され、同じことが何度も繰り返されます。
責任を取るとは、辞職だけではない
私は、責任追及という言葉を、単に誰かを辞職させるという意味だけで使っているのではありません。
まず、意思決定の過程をすべて明らかにする。
使った税金を公開する。
活動内容と成果を検証する。
なぜ舞鶴ルートが残らなかったのかを分析する。
誤った判断があれば、それを認める。
不適切な公費支出があれば、返還や是正を求める。
今後、同じような失敗を繰り返さない仕組みを作る。
これが行政と政治家の責任の取り方です。
ただし、明らかに勝算のない事業を、政治的なアピールのために進めたことが判明した場合は、政治責任も厳しく問われます。
誰が判断し、誰が賛成し、誰が税金を使ったのか。
市民には、それを知る権利があります。
市議会も当事者である
市議会は、市長を追及するだけでは済みません。
舞鶴市議会自身が、京都府北部ルートの再考を求める決議を賛成多数で可決し、誘致活動の当事者となっています。
市議会議員の中には、市長や商工会議所とともに誘致を推進してきた人もいます。
その議員たちが、今度は何事もなかったように市長へ質問するだけでは不十分です。
自分はなぜ賛成したのか。
どの資料を読んで実現可能性があると判断したのか。
国政の状況をどこまで把握していたのか。
市民からの疑問に、なぜ答えなかったのか。
まず、自分自身の判断を説明すべきです。
市議会は行政の監視機関です。
市長と一緒になって誘致を推進し、失敗すれば一緒に沈黙するのであれば、市議会としての役割を果たしていません。
今ある交通を守る政策へ転換すべき
舞鶴ルートが正式に外れた場合、舞鶴市は誘致組織を漫然と維持するのではなく、交通政策の優先順位を見直すべきです。
舞鶴線や小浜線をどう維持するのか。
地域の路線バスをどう守るのか。
高齢者や学生の移動手段をどう確保するのか。
傷んだ道路や橋をどう改修するのか。
こうした市民の暮らしに直結する課題へ、人員と予算を振り向けるべきです。
新幹線という大きな夢を掲げながら、今ある在来線、バス、道路が弱っていく。
それでは本末転倒です。
私は徹底的に調査する
私は以前から、北陸新幹線舞鶴ルート誘致の実現可能性と、舞鶴市内で行われている誘致活動の方法に疑問を呈してきました。
今回の結果は、予測できなかったものではありません。
だからこそ、市長、市議会議長、商工会議所会頭、誘致を推進した市議会議員には、重い説明責任があります。
何を根拠に勝算があると判断したのか。
誰に働きかけたのか。
税金をいくら使ったのか。
市民からの警告をなぜ無視したのか。
誰が最終的に責任を取るのか。
私は市議会議員として、情報公開請求、議会質問、予算・決算審査などを通じて、意思決定の過程と公費支出を徹底的に調査します。
結果が出なかったから追及するのではありません。
予見できた失敗に、市民の税金を投入した疑いがあるから追及するのです。
成功したときだけ政治家が前に出て、失敗したときには国の責任にする。
そんな無責任な舞鶴市政を、これ以上続けさせてはいけません。
誘致失敗の責任は誰が取るのか。
市民の前で、はっきり答えていただきます。

