
舞鶴市の令和8年度予算の中に、
「文化芸術まちづくり事業費」という項目があります。
事業の目的には、こう書かれています。
「すべての市民が文化を楽しみ、創造できるまち舞鶴」
文化を大切にする姿勢として、とても立派な理念です。
文化は人の心を豊かにし、街の魅力を高める大切な要素でもあります。
しかし、実際の予算の中身を見てみると、
少し考えさせられる構造になっています。
文化予算の約8割がオーケストラ公演
この事業の総額は
33,616千円(約3,361万円)
です。
そのうち
26,297千円(約2,630万円)が
「総合文化会館における芸術・文化鑑賞事業」
つまり
オーケストラ公演など
に使われています。
割合にすると
約78%
です。
文化振興事業とされていますが、
実態としては
文化会館での公演イベントが予算の大半
を占めています。
オーケストラは素晴らしい文化
誤解してほしくないのですが、
オーケストラやクラシック音楽は
非常に価値の高い文化です。
長い歴史を持ち、世界中で愛されてきた
優れた芸術文化です。
ただし一般的に
オーケストラは富裕層が好む文化
とも言われています。
理由はシンプルです。
- チケット代が比較的高い
- 興味を持つ層が限定されやすい
- 日常的に触れる機会が少ない
つまり
参加できる人が限られやすい文化
でもあります。
舞鶴市の現実
ここで舞鶴市の社会状況を見てみます。
舞鶴市では
約33%が非課税世帯
と鴨田市長が公表しました。
つまり
市民の3人に1人が低所得層
という状況です。
物価高が続く中で
- 食費
- 光熱費
- 日常生活費
に苦労している家庭も少なくありません。
そうした状況の中で、
数千円のチケットを払って
文化会館の公演に足を運ぶことができる市民は、
決して多くないのではないでしょうか。
文化振興政策の本来の目的とは
文化振興政策の本来の目的とは何でしょうか。
私は次のようなことだと思います。
- 市民が文化に触れる機会を増やす
- 子どもたちが芸術を体験する
- 地域の文化活動を支える
- 市民が自ら文化を創造する
つまり、
文化の土壌を育てること
です。
文化は一部の人が鑑賞するものではなく、
市民が関わり、参加し、育てていくものです。
しかし予算の実態は…
今回の予算を見ると、
その構造は少し違って見えます。
市民参加型の事業として挙げられているのは
- 市展
- 学校へのアートプログラム派遣
- アート体験事業
などですが、
これらをすべて合わせても
数百万円規模
にとどまっています。
一方で
オーケストラ公演などには
2,600万円以上
の予算が使われています。
つまり文化振興事業の中で
圧倒的に大きな割合を占めているのが
「鑑賞型イベント」
という構造になっているのです。
舞鶴にはすでに素晴らしい音楽文化がある
実は舞鶴には、
全国でも珍しい素晴らしい音楽文化があります。
それが
海上自衛隊の音楽隊「ブルーマーリンズ」
です。
ブルーマーリンズの演奏は
- 高い演奏レベル
- 市民に開かれた演奏会
- 気軽に楽しめる音楽イベント
として、多くの市民に親しまれています。
これは
他の多くの都市では体験できない
舞鶴ならではの文化
と言えるでしょう。
つまり舞鶴にはすでに
市民が気軽に楽しめる音楽文化
が存在しています。
それでもオーケストラを呼ぶのか
そう考えると疑問が出てきます。
舞鶴には
ブルーマーリンズという
市民に開かれた音楽文化がある。
それなのに
なぜ2,600万円もの予算を使って
富裕層向けと言われるオーケストラ公演を呼ぶのか。
本当に
「すべての市民が文化を楽しむ」
という理念に沿った文化政策なのでしょうか。
そのお金があるなら
もしそれだけの予算があるのなら
例えば
- 学校の吹奏楽部への支援
- 子どもたちの音楽活動の補助
- 楽器購入の支援
- 若い音楽家の育成
- 市民参加型の音楽イベント(既得権益層ではない市民主体)
こうした取り組みに使うこともできるはずです。
子どもたちが音楽に触れ、
音楽を好きになり、
文化を次の世代につないでいく。
そうした文化の土壌を育てることこそ
本当の意味での文化振興
ではないでしょうか。
誰のための文化なのか
文化政策に正解はありません。
オーケストラを否定するつもりもありません。
しかし、
「すべての市民が文化を楽しみ、創造できるまち」
という理念を掲げるのであれば、
予算の使い方について
市議会でもしっかりとした議論があっても良いのではないでしょうか。
文化は街を豊かにします。
だからこそ
誰のための文化なのか。
その視点を忘れてはいけないと思います。


