監査結果の問題点と、監査委員自身の“利害関係”という重大な構造欠陥

西市民プラザをめぐる住民監査請求は、監査委員によって 「棄却」 という結論が出されました。


しかし、監査結果の内容を精査すると、法解釈の誤りや実態軽視が目立ち、市民の財産管理という観点から到底納得できるものではありません。
加えて、監査を行った委員の構成そのものに深刻な問題があり、監査制度の根本が揺らぐ事態となっています。

以下、今回の問題を体系的に整理します。


■1 監査結果の核心——「無料施設だから問題なし」という極端な行政寄り解釈

監査委員は、西市民プラザの活動室について

●条例で無料とされている
●したがって、受講料を取っていても使用料徴収の必要はない

として市の責任を全面否定しました。

しかしこの論理は、市民が期待する「公平な施設利用」「市財産の適正利用」という行政の基本原則を完全に無視したものです。

本来、無料利用の前提は
“非営利的・公益的な市民活動” であるはずです。

実際には、

  • 受講料11,000円の有償講座
  • 日程も明確に示された反復継続の事業
  • 実質的には営利に近い経済活動

が行われていました。

にもかかわらず監査委員は、

「公益的だから問題なし」
「法人税法の収益事業に該当しないから営利ではない」

と、行政に極めて有利な判断を下しました。

この判断に、市民感覚は全く反映されていません。


■2 虚偽申請の疑いにも甘い判断

利用申請書には「研修」と記載されていましたが、実態は有償講座。
普通に考えれば 虚偽申請の疑い が濃厚です。

ところが監査委員は、

「研修でもあるから虚偽とは言えない」

と、疑義を完全にスルーしました。

市民が同じように有償セミナーを開いた場合、果たして同様に無料利用が認められるのでしょうか?
公平性の観点から極めて重大な問題です。


■3 指定管理者時代の「慣行」をそのまま肯定する危険性

監査結果では、市が説明した

「以前から無料で認めてきた」

という“慣行”が、そのまま正当化の根拠として採用されています。

しかし、不適切な行政運用こそ監査でただすべき問題であり、
慣行があったから問題なし
という論理は本末転倒です。

行政の自己防衛をそのまま受け入れる監査委員の姿勢こそ、最大の問題と言えます。


■4 監査委員の構成がそもそも「利害関係の塊」であるという構造的欠陥

今回の監査委員2名のうち、

  • 1名は舞鶴市役所の元総務部長
  • 1名は現役の市議会議員

でした。

これは制度上、最大級の問題を含んでいます。

●(1)元総務部長——自分が関与してきた行政運用を“監査”する矛盾

総務部長とは、市の財務会計・条例運用・施設管理を所管する中枢ポジションです。

西市民プラザの管理運用も、その職務の延長線上にあります。

つまり今回の監査は、

自らが作ってきた行政の慣行を、自らが「正しい」と認定する構造

となっており、公正性が根本から欠如しています。

行政法の世界では、
「自己監査」「自己審査」 は厳禁です。

監査委員がこの立場である以上、客観的な判断は期待できません。


●(2)市議会議員——行政と政治の利害関係が直結

議員は市政の当事者であり、市長との関係性もあり、判断に政治的動機が混入するリスクは避けられません。

総務省研究会でも、

「議員監査委員は中立性確保が困難」

と指摘されています。

監査結果が行政寄りになれば、議会との対立も避けられます。
ここにも強いバイアスが働きます。


■5 この“利害関係者による監査”が市民の権利を奪っている

住民監査請求は、市民が行政の不正や不適切な財務行為を正すための最後の砦です。

その審査者が、

  • 行政経験者の最上位クラス(元総務部長)
  • 市政を動かす政治家(市議会議員)

という構成では、監査の独立性は完全に失われます。

今回の「棄却」は、
監査制度の形骸化を象徴する結論
と言わざるを得ません。


■6 市民オンブズマンとしての結論

◆今回の住民監査請求棄却は、市民の財産を守る観点から極めて不十分であり、監査委員の構成自体が公正性を欠いている。

西市民プラザの利用問題は、単なる一団体の問題にとどまりません。
行政の公平性、公共施設の適正利用、そして監査制度そのものの信頼性に直結します。

今後、舞鶴市には以下が求められます:

  1. 監査委員に利害関係者を起用しない制度改革
  2. 無料施設の利用基準の抜本見直し
  3. 有償事業の取り扱いについて条例を明確化
  4. 指定管理者時代の慣行を精査し、誤りは改める
  5. 市民が納得できる透明性のある運用を徹底する

住民の財産を守るため、市民オンブズマンとして引き続き追及していきます。

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