1. 消防署の使命と市民の信頼

消防署は、火災・災害といった重大事故から市民の生命と財産を守る極めて重要な組織です。市民にとって消防職員は「最後の砦」であり、その誠実さと冷静な判断力こそが安全の根幹を支えています。
したがって、消防職員に対する信頼が揺らぐことは、市民を守る安全網そのものの信頼性を損なう重大な事態です。

2. 情報公開請求(原文引用)

やばいぜ舞鶴、市民オンブズマンまいづるでは、舞鶴市職員および消防署員の一部が オンラインカジノ(違法賭博) に関与しているのではないかという複数名からの通報を受け、令和7年7月23日、舞鶴市に対して行政文書の開示請求を行いました。

行政文書開示請求書(抜粋)
「市民オンブズマン舞鶴に対して、舞鶴市職員および消防署員によるオンラインカジノへの関与、およびそれに関連する警察による事情聴取が行われたとの情報提供が市民から寄せられました。この件に関し、舞鶴市または消防が保有している以下の関連文書について、開示を求めます:

  1. 当該内容について、市が認知・把握している記録(通報受付記録、市民からの問い合わせ履歴等を含む)
  2. 舞鶴市役所および消防本部による内部調査・ヒアリング・報告書等の記録
  3. 京都府警察・舞鶴警察署等からの照会、情報提供、調査協力依頼等に関する記録(文書またはメール等)
  4. 当該事案に関連する職員・消防署員の懲戒処分履歴、懲戒審査会の議事録、起案文書など」

3. 行政の決定(原文引用)

これに対し、舞鶴市は令和7年8月7日付で次のような決定通知を行いました。

行政文書の存否を明らかにしない決定通知書(抜粋)
「令和7年7月23日付けの行政文書の開示請求について、舞鶴市情報公開条例第8条の規定により、次のとおり行政文書の存否を明らかにしないことを決定したので通知します。
職員の非違行為の疑いに関する文書の存否を明らかにすることは、職員のプライバシーや名誉を不当に侵害するおそれがあることから、当該文書の存否については明らかにいたしません。」

4. 意義と問題点

本来、事実が存在しないのであれば「文書不存在」とすれば済むはずです。にもかかわらず市は「存否を明らかにしない」という異例の対応を選択しました。これは、通報や内部調査、警察とのやり取りなど、何らかの記録の存在を否定しきれないことを逆に示唆しています。

5. ギャンブル依存症の懸念

仮に職員や消防署員が違法賭博に関与していたとすれば、その問題は懲戒処分にとどまりません。違法賭博はしばしばギャンブル依存症(ギャンブル障害)と不可分であり、依存症は本人の意思による抑止が困難な病的状態で、借金・不正行為・家庭崩壊など深刻な影響を引き起こす可能性があります。
消防職員が依存症に陥れば、冷静な判断力や責任ある行動に支障をきたし、市民の安全を著しく脅かすことになります。消防という職場の特性を踏まえれば、依存症リスクへの対策は一層重要です。

6. 過去の未解決不祥事との関連

令和3年7月21日には、舞鶴市東消防署において金庫盗難事件が発生しました。現金や鍵が盗難されましたが、原因は究明されず、内部犯行の可能性が指摘されながらも徹底した調査は行われず、事実上「放置」されています。
この未解決事案は市民の不信感を今なお残しており、今回の疑惑はその延長線上で受け止められる可能性が高いと考えられます。

7. 市民への影響

消防は市民の命を守る最前線です。その職員に違法行為や依存症の疑いが生じていることは、市民の安心に直結する重大な問題です。
市が「存否すら明かさない」という姿勢を取り続ければ、市民の不安と不信感は一層増幅することは避けられません。

8. 市に求める事項

市民オンブズマンまいづるは、舞鶴市に対して以下を強く求めます。

  • 疑惑に関する行政文書の存在を明確にすること
  • 職員・消防職員の依存症リスクを把握し、専門機関と連携した対策を実施すること
  • 東消防署金庫盗難事件を含む過去の未解決不祥事の原因究明を徹底すること
  • 市民に対して透明性をもって説明責任を果たすこと

9. 結論

消防は「市民の最後の砦」であり、その信頼を守ることこそが最大の責務です。必要なのは疑惑の隠蔽ではなく、真実の解明と再発防止、さらには依存症対策の徹底です。これこそが本来の危機管理であり、市民の命を守る消防の使命を果たす道です。
市民オンブズマンまいづるは、今後も徹底した調査と監視を継続いたします。

10. 最後に

本報告は、職員個人を非難するためのものではありません。消防職員は、市民の命を守るため日夜献身的に職務を遂行しており、その心身には大きな負担がかかっています。
だからこそ、もし依存症や過度なストレスに苦しむ職員が存在するならば、それを明らかにし、組織として適切に支援することが不可欠です。問題を隠すことは、同僚間の信頼をも損ない、職場全体の士気を低下させかねません。
本件は、批判ではなく健全な職場環境を守るための提起です。疑惑を明らかにし、必要なケアを講じることによってこそ、消防は本来の使命を果たし、市民の命を守る力を最大限に発揮できるのです。

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