
🧵西舞鶴駅駐輪場偽装発注事件(2020)
― 舞鶴市役所が職員の不始末を“裏金で処理”した記録された裏金事件
■ 事件の概要
この事件は、令和元年度に舞鶴市が発注した「西舞鶴駅東口駐輪場整備工事」をめぐって発生したものです。
起点となったのは、**建築確認申請を怠ったまま工事を強行した職員の“重大ミス”**でした。
起きたこと:
- 建築確認を出さずに工事開始(明確なルール違反)
- 発覚後に現場の構造物をすべて撤去
- 撤去と再建築に2,816,000円の税金が追加で必要に
- 迷惑をかけた業者に“補償するために”職員が、なんと
→ 実体のない「架空の工事」を発注し、税金で支払った
つまりこれは、**明確な意思を持った“架空発注による裏金処理”**だったのです。
■ 裏金スキームの構図
事件の中心人物は、土木課職員B(次長)と職員A(係長)。
- ミスによって生じた業者への損害(1,193,500円)を補填するため、
- 過去の工事写真を使って**“あたかも工事があったように”文書を偽装**
- 実際には行っていない工事を発注した形にして、
- 4月27日、業者に税金1,193,500円を“補填金”として支出
この時点で、市職員はすでに「補填=公金の私的流用」を目的として、
虚偽の文書を作成し、予算を騙し取り、支出を正当化していたことになります。
これは完全な裏金事件であり、舞鶴市役所のガバナンスが崩壊していた実態を物語っています。
■ どこまで裏金なのか?数字で見る構造
項目 | 内容 |
---|---|
工事ミスによる撤去費・再施工費 | 2,816,000円 |
架空発注で業者に支払った金額 | 1,193,500円 |
職員の自主弁済額(最終的に市に戻した金) | 2,816,000円 |
業者から市への返還金 | 1,193,500円 |
実質、最終的に“裏で処理”されかけた公金 | 1,193,500円(発覚しなければ消えていた) |
■ 処分された職員たち
事件の重大性にもかかわらず、舞鶴市が公表したのは以下の処分。
氏名(職位) | 処分内容 |
---|---|
職員A(係長) | 減給(1/10・3ヶ月)→ 依願退職 |
職員B(次長) | 停職(3ヶ月)→ 依願退職 |
職員C~I | 文書訓告・戒告等 |
結果として、「誰も刑事責任を問われず」「組織としての謝罪もなし」。
処分後の説明責任も果たされることなく、事件はうやむやに幕引きされました。
■ 舞鶴市長は「内部通報制度の周知」と職員研修でお茶を濁す
市はこの件に対して、「再発防止策」として以下を挙げました:
- 内部通報制度の周知
- 職員研修の強化
- コンプライアンス意識の徹底
しかし――
内部通報制度は当時機能しておらず、発覚も内部通報ではなかった。
また、「裏金処理を実行した幹部」が、そのまま管理職会議で方針を議論していたという矛盾も指摘されました。
🔥 これは明確な「裏金工作」である
この事件は、舞鶴市の行政機構において、
- ミスの穴埋めを「公金」で補填し、
- 虚偽発注を使って“支出処理”を正当化し、
- 会計検査を回避しようとする
という裏金の構造が、すでに“仕組み化”されていたことを意味します。
✅ アセアンファッション事件と酷似した裏金構造
要素 | アセアン事件(2013) | 駐輪場事件(2020) |
---|---|---|
発端 | 実体のない国際イベント | 建築確認ミスによる撤去 |
損失 | 税金による補填 | 税金での再工事+業者補償 |
補填方法 | 幹部が一時補填 → 裏予算で回収 | 架空工事を発注し税金で支払い |
公開性 | 情報開示なし | 形式的処分のみで説明終了 |
市議会 | 追及なし | 追及なし |
👁🗨 見えない補填が繰り返される限り、腐敗は止まらない
この事件も、アセアン事件も、消防署金庫紛失事件も、
すべてに共通するのは、
「公金を補填に使っても、文書を整えればうやむやにできる」
「幹部が責任を取ると言えば、裏金処理は通る」
という舞鶴市の組織文化としての腐敗です。
✊ いま必要なのは、「徹底した構造改革」と「外部監査」
このような構造を正すには、
✅ 全過去事案の会計監査
✅ 補填処理のすべての文書開示
✅ 第三者委員会の設置と議会による追及
が不可欠です。