
「物価高騰対策」と言いながら、最初に守られたもの
舞鶴市が12月22日に公表した
「令和7年度12月(追加)補正予算案」。
資料の2枚目には、はっきりと
「物価高騰対策」
「生活者への支援を緊急的に実施」
と書かれている。

市民の多くは、
「ようやく生活支援が来たか」
そう思ったはずだ。
しかし、その期待は次のページで裏切られる。
3枚目でこっそり混ぜられた「人件費2.7億円」
資料の3枚目。
そこには「物価高騰対策」の説明の流れの中に、
人事院勧告に伴う人件費補正 約2億7,724万円が
違和感なく紛れ込まされている。
・物価高騰対策
・生活者支援
と並べて書かれているため、
人件費が含まれていることに気づきにくい構成だ。
これは偶然だろうか。
市民の目を誤魔化す意図があったと疑われても仕方がない。

公表は12月22日、議会審議は12月24日
さらに問題なのはスケジュールだ。
- 資料公表:12月22日
- 議会審議:12月24日
市民が
資料を読み
内容を理解し
疑問を持ち
声を上げる
その時間は、事実上、与えられていない。
これは 市民オンブズマン対策 やばいぜ舞鶴対策であり
市民の議論を避けるための進め方
と受け取られても反論できない。
市は自ら「市民の33%が低所得者」と認めている
同じ公式資料の中で、舞鶴市はこう定義している。
- 住民税非課税世帯
- 家計急変世帯
- 約24,100人
舞鶴市の人口は約73,700人。
市民の約33%、つまり3人に1人が低所得者だ。
これは市民団体の主張ではない。
市自身が議会に提出した公式な数字である。
それでも、最優先されたのは職員の給料だった
今回の補正予算で計上された金額を比べてみよう。
- 人件費補正(人事院勧告):約2億7,724万円
- 低所得者支援(商品券):約1億4,470万円
結果は明白だ。
👉 貧困層33%への支援より、職員等への支出の方がはるかに多い
違法ではない。
しかし、物価高騰対策として、あまりにも歪な優先順位ではないか。
貧困は「不運」ではない。政策の結果だ
市民の33%が低所得者になる街は、
自然にそうなったわけではない。
- 雇用政策
- 産業政策
- 福祉政策
- 行政運営
その積み重ねの結果だ。
つまり、
この街を貧困化させてきた側こそが、今回の補正予算を決めている。
困っている側は一時金、守られる側は舞鶴では恒久的補填
低所得者への支援は、一人5,000円。
しかも一度きり。
一方、人件費補正は
今後の給与水準に恒常的に反映される。
- 困っている市民:一時的な商品券
- 安定した立場の人:継続的な補填
これを「公平」と呼べるだろうか。
別の選択肢は、最初から存在していた
今回の補正予算総額は 7億8,504万円。
これを全市民に均等配布すれば、
約785,040,000円 ÷ 約73,700人 ≒ 約10,650円
👉 低所得者は、今の5,000円の2倍以上
👉 1人1万円超が確実に届く
それでも、市はこの方法を選ばなかった。
なぜ、均等配布を避けたのか
答えは単純だ。
均等配布にすれば、
人件費補正2.7億円の大きさが際立つ。
商品券方式にすれば、
「経済対策」に見せかけることができる。
その結果、
最も困っている33%が、最も後回しにされた。
これは支援ではない
違法かどうかが問題なのではない。
問われているのは、
誰を守り、誰を後回しにしたのか
という政治と行政の倫理だ。
市民オンブズマンまいづるは、
この補正予算を
「やむを得ない物価高騰対策」とは認めない。
来年11月、市議会議員選挙が行われる
来年11月、舞鶴市では市議会議員選挙が実施される。
もし今回の補正予算について、
市民オンブズマンまいづるが指摘しなければ、
この予算はどう扱われていただろうか。
おそらく――
「物価高騰対策を実現した」
「市民生活を守った」
と、現職議員の“実績”として喧伝されていたはずである。
しかし、私たちは気が付いてしまった。
- 物価高騰対策と称しながら
- 人件費2.7億円を紛れ込ませ
- 市民の33%が貧困である現実を放置し
- その説明を、市民に十分与えないまま進めた
この補正予算の本当の姿に。
忘れてはいけない
市民の皆さんは、決して忘れてはいけない。
市長をはじめとする市役所職員、
そして市議会議員が、
- 都合の悪いことは目立たない場所に隠し
- 耳触りの良い言葉だけを前に出し
- 市民の無関心と時間のなさにつけ込み
私たち舞鶴市民を、全力でだまし、
結果として搾取する構造を作っているという事実を。
気づいた市民には、責任が生まれる
これは恐怖を煽る話ではない。
民主主義の基本の話だ。
気づかなければ、繰り返される。
黙っていれば、固定化される。
だからこそ、
気づいてしまった私たち市民オンブズマンまいづるは、
黙らない。
問われるのは、次の選択だ
来年11月、
市民一人ひとりが問われる。
- 誰が本当に市民の側に立っているのか
- 誰が「説明から逃げた」のか
- 誰が33%の貧困を直視しなかったのか
この補正予算を、
「仕方なかった」で終わらせるのか。
それとも、
「忘れない」と決めるのか。
やばいぜ舞鶴と市民オンブズマンまいづるは、
これからも
舞鶴市政の「見えない部分」を照らし続ける。
市民のために。

