最終更新日:2026年9月30日

【この記事の要約】
2026年9月29日の京都新聞によると、京都府の実質公債費比率は 過去最悪の17.2%となり、地方債の発行に国の許可が必要となる 18%まであと0.8ポイントに迫っています。
京都府は以前から実質公債費比率が全国ワーストクラスにあり、 令和5年度には全国45位(良い方からの順位)=ワースト3位でした。
京都府の財政が厳しくなれば、府の補助事業や市町村支援などへの影響も考えておく必要があります。 舞鶴市も「国や京都府からお金が来る」ことだけを前提にせず、 中央図書館などの大型公共事業について、 「造れるか」ではなく「将来も払い続けられるか」という視点で検証する必要があります。
本記事では、京都新聞の報道と京都府の公開資料をもとに、 京都府の財政状況と舞鶴市への影響を考えます。
9月29日の京都新聞に、非常に気になる記事が掲載されました。
見出しは、
「府の実質公債費比率 過去最悪」
京都府の2025年度決算で、借金返済の負担の重さを示す「実質公債費比率」が17.2%となったという内容です。
しかも京都府の財政は、今回突然悪くなったわけではありません。
京都府が公表している資料を確認すると、以前から実質公債費比率は全国ワーストクラスに位置しています。
これは京都府だけの問題ではありません。
京都府北部に位置する舞鶴市にとっても、今後の公共事業や財政運営を考えるうえで、無視できない問題だと私は考えています。
京都府の実質公債費比率が過去最悪17.2%
9月29日付の京都新聞によると、京都府の実質公債費比率は17.2%となり、過去最悪になったと報じられています。
記事では、
「地方債発行に国の許可が必要となる18%に迫っており、府は危機感を募らせている」
としています。
実質公債費比率とは、簡単に言えば、自治体の収入規模に対して借金返済の負担がどれくらい重いのかを見る指標です。
数字が高くなるほど、借金返済による財政負担が重くなります。
そして18%以上になると、地方債を発行する際に国の許可が必要となる「起債許可団体」となります。
京都府は17.2%。
18%まで、あと0.8ポイントです。
ただし、17.2%だから京都府がすぐに「財政破綻する」という意味ではありません。
財政健全化法上の早期健全化基準とは別の話です。
必要以上に不安をあおるのではなく、この数字が何を意味しているのかを冷静に見る必要があります。
京都府は以前から全国ワーストクラス
今回、私が特に注目したのはこちらです。
京都府の実質公債費比率は、突然17.2%になったわけではありません。
京都府の公式資料を見ると、
令和2年度 15.5%
令和3年度 15.9%
令和4年度 16.5%
令和5年度 16.8%
令和6年度 17.1%
と上昇してきました。
そして今回、京都新聞が報じた令和7年度決算では、
17.2%。
また、令和5年度の16.8%は、京都府の資料で全国45位でした。
この順位は「数値の良い方から」の順位です。
つまり47都道府県中、
全国ワースト3位だったということです。
令和6年度についても17.1%、全国44位とされており、全国的に見ても厳しい水準が続いています。
したがって今回の問題は、
「京都府の数字が今年だけ悪かった」
という話ではありません。
全国ワーストクラスの状態が続く中で、実質公債費比率がさらに上昇して17.2%になった。
ここを見る必要があります。
なお、令和7年度17.2%の最新全国順位については、全都道府県の比較が確定した資料を確認してから判断する必要があります。
すでに18%を超えた兵庫県
さらに注目したいのが、隣の兵庫県です。
兵庫県は令和7年度決算で、実質公債費比率が19.2%となりました。
18%を超えたため、兵庫県は「起債許可団体」となり、公債費負担適正化計画を策定しています。
つまり、
18%を超えるとどうなるのか。
その実例が、すぐ隣の兵庫県にあります。
もちろん、兵庫県と京都府では財政構造も過去の公共投資も異なります。
「京都府も必ず兵庫県と同じになる」と言うことはできません。
しかし京都府が17.2%まで来ている以上、18%という数字を現実的な問題として考える必要はあるでしょう。
なぜ京都府の借金返済負担が増えているのか
京都新聞は、その背景として過去の大規模なインフラ整備などを挙げています。
京都縦貫自動車道をはじめ、防災関連事業などで発行してきた地方債の償還、つまり借金返済が重なってきているということです。
ここから私たちが学ぶべきことがあります。
公共事業は「造った時」だけの問題ではありません。
大きな公共事業を行い、地方債を使えば、その返済は将来にわたって続きます。
事業を決めた人たちがいなくなった後も、市民は税金で返済を続けます。
当時は必要だった公共事業でも、借金そのものは将来世代に残ります。
京都府の現在の状況は、そのことを非常に分かりやすく示しています。
舞鶴市には関係ない話なのか?
ここからが舞鶴市民にとって重要です。
京都府の財政と舞鶴市の財政は別です。
また、京都府の財政が悪化したからといって、国から舞鶴市に交付される地方交付税が、そのまま減るわけでもありません。
ここは誤解してはいけません。
しかし、京都府自身の財政余力が小さくなっていけばどうでしょうか。
京都府が市町村に対して行う補助事業、府単独事業、府と市町村が共同で行う公共事業などについて、今までと同じ支援が将来も続く保証はありません。
京都府自身が財政の優先順位をこれまで以上に厳しく判断するようになれば、舞鶴市にも無関係とは言えません。
だから私は、
「国が出してくれる」
「京都府が出してくれる」
ことを当然の前提として、舞鶴市の将来計画を作ることには慎重になるべきだと考えています。
「補助金があるからやる」で本当にいいのか
行政の事業説明では、
「国の補助があります」
「京都府から補助があります」
「市の実質負担はこれだけです」
という説明がよくあります。
もちろん、利用できる補助制度があるなら活用するべきです。
しかし、
補助金があることと、その事業が将来にわたって必要であることは別問題です。
さらに、国や京都府から入るお金も税金です。
「市のお金ではないから使っていい」というものでもありません。
人口減少が続く中では、
補助金がなくても必要な事業なのか。
借金をしてでも必要なのか。
将来の維持費まで払い続けられるのか。
ここまで考えて判断する必要があります。
中央図書館も「建てられるか」ではなく「払い続けられるか」
私は舞鶴市が計画している中央図書館についても、同じ視点が必要だと考えています。
中央図書館は建設費だけでも47億円以上になる可能性があります。
そして建てれば終わりではありません。
完成後には毎年、維持管理や運営のためのお金が必要になります。
重要なのは、
「今、建てられるか」ではありません。
「将来も払い続けられるか」です。
人口が減少していく舞鶴市で、市税収入、地方交付税、国や京都府からの補助、市債の返済、そして施設の維持管理費まで含めて考える必要があります。
京都府自身が全国ワーストクラスの実質公債費比率となっている今だからこそ、舞鶴市もこれまで以上に慎重な財政運営が必要ではないでしょうか。
京都府にはこれからも大型事業がある
京都新聞の記事では、今後も大型事業が続くことが指摘されています。
さらに北陸新幹線の工事が具体化すれば、京都府にも建設費負担が発生する可能性があります。
一方で、人口減少、物価高騰、金利上昇という問題もあります。
過去の借金を返しながら、新しい大型事業にも対応する。
京都府にとって簡単な財政運営ではありません。
だからこそ、これからは公共事業の優先順位がさらに重要になります。
「造れるか」から「払い続けられるか」へ
私は公共事業そのものを否定しているわけではありません。
道路も橋も学校も上下水道も公共施設も必要です。
防災対策にもお金が必要です。
だからこそ、
何を優先するのか
が重要なのです。
これから人口が減っていく時代に、
「補助金があるから造る」
「地方債が使えるから造る」
「今なら建設できるから造る」
だけでは、将来世代に負担を残す可能性があります。
これから必要なのは、
「造れるか」ではなく「払い続けられるか」。
そして、新しい施設を造る前に、
今ある道路、橋、上下水道など、市民生活に欠かせないインフラを維持できるのか。
私は、こちらを優先して考えるべきだと思っています。
京都府の実質公債費比率は17.2%。
しかも、その前から全国ワーストクラスの状態が続いています。
これは京都府だけの問題として片付ける話ではありません。
舞鶴市も、
今までと同じように国や京都府からお金が来ることを前提として、大型公共事業を続けていいのか。
一度立ち止まって、将来の負担まで数字で検証する必要があると思います。
皆さんはどう思われますか?
やばいぜ舞鶴!
📌 参考資料・関連リンク
この記事では、2026年9月29日付の京都新聞の記事と、京都府・兵庫県が公表している資料を参考にしています。 財政状況については、下記の公式資料から確認できます。
-
京都府|令和7年度決算書
京都府公式サイトで確認する -
京都府|財政健全化指標について
京都府公式サイトで確認する -
京都府|健全化判断比率等審査
京都府監査委員の資料を確認する -
兵庫県|公債費負担適正化計画
兵庫県公式サイトで確認する
※実質公債費比率の全国順位は年度によって変動します。最新年度の全国順位については、全都道府県の数値が出そろった公表資料を確認する必要があります。


